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杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
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第90話 樹鼠

 なんとか2匹の席取り戦争を納める事ができた。その結果テンが僕の膝上、助けたこの子が僕の肩上という配置になった。テンは不服そうだがなんとか我慢してもらっている。


 テンは本来心優しく、最初は僕の肩上にいるのを黙って許していた。それでもずっと僕の肩上から降りる気のない様子のこの子に、もしかしたら僕が取られてしまうとヤキモチを妬いてしまったのかもしれない。


 テンがどれほど僕の事を好いてくれているかは理解しているつもりだ。テンにとって許容出来ない範囲が僕に関する事なのだろうな。


 僕にとってもテンより優先する事など無いのだがな。とはいえテンを焦らせてしまったのだ、その分いつもよりたくさん撫でてやる。


「キュイー」


 うーん、やっぱりいつ触っても触り心地の良い毛皮だ。1度撫ではじめると止まらない魔性の毛皮だ。まったく、可愛い見た目をしているのになんてけしからないんだ。


「キュルー!」


「キュッ」


 テンを撫でていると肩から降りてテンの上に飛び乗ったために、テンが呻き声を上げる。ただ重くはないからそこまでダメージは入っていないだろう。


 最初は自分撫でて欲しくて降りてきたのかと思ったがどうやらそうではなく、自分テンの毛皮を堪能したかったようだ。


「キュルー!」


「キュ!?」


 降りてきてそのままテンの尻尾の中まで潜り込んでしまった。


「キュル」


「キュイー…」


 やがて尻尾の中から顔だけを出し、純真無垢な顔でテンを見つめる。これにはテンも強く言うことは出来ずにやれやれ…といった顔だ。本来は面倒見の良いお姉さんだからな。これくらいならまあ許してあげるよ、といったところだ。


「テンの尻尾はもふもふだからねー。」


「この子も尻尾が大きくてフサフサしてるけど流石にテンの尻尾は別格。」


「キュイ!」


 ゾンとルアに褒められてテンも気分が良さそうだ。


「ねえウカノ、この子はなんて呼べば良いの?」


「そういえばまだ決めてなかったな。そうだなあ…見た目は鼠に近くて、昔に観察していた時はほとんど樹の上で生活している事が多かったから…樹鼠、とか?」


「「樹鼠!」」


「キュル!」


「今日から君は樹鼠だよー!」


「キュルー!」


 自分の呼び名だと理解しているのかは分からないが、嬉しそうなのでまあいいか。

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