表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
88/130

第83話 原因不明の体調不良

「キュゥ…」


「テン具合が悪そう…大丈夫なの?」


「私が作った薬がちゃんと効けば大丈夫だと思う。」


 森の外へ移動してから今日で6日目。そろそろゾンとルアも森の移動に慣れてきた頃、テンが朝ごはんを戻した。


 今までどんなに食べても戻す事なく食い意地の張っていたテンがご飯の最中に戻すなど初めてで、当初は慌てふためいてしまった。


 そこまでの量を食べた訳でもなく、同じものを食べていたテン以外の僕たちは特に異常は無い。つまり朝ごはんが原因とは考えられない。


 もしかしたら種族限定で体調に不良をもたらすこともあるのかもしれないが、朝食べたものは以前も食べたことのあるものだ。


「キュ、キュゥ…」


「大丈夫だよテン。絶対に良くなるからね。」


「キュゥ…」


 元気の無いテンを優しく撫でながら落ち着かせる。ここまで元気の無いテンは初めてだ。そもそも体調を崩した事が今までに無く、起きている時は常に走り回ってるか甘えてくるかというほど元気なテンなのだ。大人しくしていろなんて到底できなかった。


 そんなテンの現状を見ていると心が痛くなってくる。


 ただこういう時に僕が気落ちするわけにはいかない。僕を見てゾンとルアが、ましてやテンも不安になってしまう。まずは僕が落ち着かないとな。





「キュピー キュピー……」


 しばらくテンを撫で続けているとやがて寝始めた。


「寝たね。」


「もう大丈夫かな?」


「ルアの薬が効いたんだろう、テンの鼓動も一定で落ち着いたしもう大丈夫だと思うよ。」


「良かった。ウカノがいい出来だって言ってくれても実際に使うのは初めてだったから本当に効くか不安だったの。」


 「そうか。でも僕がヒトの国にいた頃は元の材料の品質抜きにしても、ルアほど良質な薬を作れる錬金術師はそうそういなかったんだから。」


「うん!」


 ☆


「キュイ!  キュイキュイー!」


「元気になったー!」


「いつも通り、っていうかいつもより元気になった。」


「休んだ分元気が有り余ってるんだろうけど、今は我慢して安静にしときなさい。」


「キュイー…」


 昼が過ぎてテンが目を覚ましたのだが、体調はすっかり良くなりいつも以上に元気になった。さすがに今日1日は安静にしないとな。


 それにしてもいったい何が原因だったのだろうか。僕としては何か変なものを口にしたんじゃないかと疑っているんだが。


「テン昨日変なものを食べたか?」


「キュ? キュー…」


 考えているという事は何かしらは口にした訳だな。


 何を食べたか把握するため、テンを抱いたまま案内してもらった。


 テンが口にしたものは何も問題が無いものばかりだったが、1つ怪しいものがあった。


 それは普段僕も食べるひと口サイズの赤くて丸い果実。一見するとその果実に見えるのだが、形が丸いというより若干角張っている。


 だがよく見ないと気付かない程度の形の変化だ。大きさも、色合いもほとんど変わりがないように見えるが形が若干違う。確かにこれはテンが間違えて口にしたのも無理はない。


 周りに生き物がいない分希少な植物を採集できる恩恵を預かっていたが思わぬ落とし穴があったな。


 こういった毒を含む植物を好んで食べる生き物もいるため、僕らは今まで毒を含む似た果実を食べる事は無かったのだろう。思わぬ形で生態系とは良くできたものだなあと感心してしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ