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杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
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第82話 錬金術

「ウカノこれは大丈夫?」


「お!これは珍しい植物を見つけたね。これは確か状態異常全般に効く薬の材料になるんだ。他にも見つけたら無くならない程度に採集しておこう。」


「分かった!」


 折角自然豊かで他の生き物に注意を配らなくて済むのだ。急ぐ旅でもないし、希少な植物の採集を行なっている。


「ウカノー!良さそうな草見つけたよ!」


「ゾン、一生懸命探してくれた所言いにくいんだがこれは雑草だね。」


「えー?でも立派に生えてたよ?」


「雑草を食す生き物がいないから伸び放題だったんだろうね。」


「難しいなー」


 植物に詳しいルアとは反対に、全く分からないゾン。双子といえどここら辺は違いが出る。


 魔物の生態を観察する時に、魔物の動きなど魔物自体に注目するゾン。対してルアは魔物が何を食べているか、周りの環境に注目する。


 僕にとってはそれがとても好ましい。双子なのだから1人で全てを出来るようになる必要はない。2人でそれぞれ補い合えば良いのだ。


 ☆


 日中は満足のいく採集をし仮拠点へと帰ってきた。そして採ってきた植物の鮮度をそのままに錬金術で薬を作っていく。


 錬金術で作製した薬は、今回ヒトの国へ行くにあたってのメインの金策にと考えていた。僕が暮らしていた国の通貨は持っているわけもなく、持っていたとしても国ごとに通貨も違うだろう。


 だからこそお金を稼ぐ手段を用意する必要があるのだが、金策に関してはあまり心配していない。僕たちが作っている薬は元の材料が1級品なのはもちろん、錬金術の腕前も優れていると自負している。


 少なくとも僕がヒトの国で過ごしていた時はここまでの腕前を持つ錬金術師はいなかった。そもそも錬金術師の数自体が少なく、薬の類は貴重品だったため結構な金額で売れるだろうと踏んでいる。


「キュゥ…」


「テンにこの匂いはきついか。錬金術の時だけ別の場所に行ってても良いんだよ?」


「キュ! キュキュ!」


 ヒトの何倍も嗅覚の効くテンには、この鼻に残る刺激臭は辛いだろうに僕から離れようとしない。僕の提案にもより鼻を僕のお腹に押し付けてくる始末だ。辛さが和らいでいるのなら別にいいのだが本当にこのままでいいのか?

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