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杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
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閑話 命の芽吹き

「クァクァ」


「ん?どうしたの?」


 テンにゾンとルア、みんなで日向ぼっこしていると1匹ヨタドリがこちらへと近付いてきた。


「なんだかいつもよりヨタヨタしてる?」


 ルアに言われて確かに、と気づく。元から小さい歩幅が今日は1段と小さい。はて、どうしたのだろうか。あの個体は狩りに参加していないはずだが遊んでいる時にでも怪我したのか?


「クァ!」


 僕らの目の前まで止まったヨタドリがクチバシを自分のお腹の下まで入れてお腹を持ち上げる。すると足で挟み込むように表面がツルツルとした丸い物体が現れた。


「「なにこれ?」」


「これは…卵か!」


「クァ!」


「「卵?」」


「この中にヨタドリの赤ちゃんがいるんだよ。この卵の中である程度成長すると、中から卵を割って赤ちゃんが産まれてくるんだ。」


「「すごーい!」」


「クァクァ!」


 羊も雪フクロウも子を産む事が無かったから魔物たちが子を産む事について失念していた。だが生き物である以上は子を産み種を繋いでいく必要があるもんな。


「よくやったな。子が産まれたらみんなで元気に育てていこうな。今回は見せてくれてありがとう。」


「「ありがとう!」」


「クァクァ!」


 ☆


 パリ…パリッ…!


「きゅあー」


「「うまれたぁ!」」


「「「クァクァ!!!」」」


 おおっ!まさか目の前で卵が孵る瞬間を見る事ができるとは。中からはヨタドリの姿をそのまま小さくした、ただ毛の色は薄い焦げ茶色のヒナが産まれてきた。大人のヨタドリが黒と白の立派な毛皮を持つのに対して、色も違うし毛皮もごわごわとしている。きっとここから大人になるにつれて生え替わっていくのだろう。


「「「きゅあ!」」」


 それからも次々と卵が孵り合計で15羽新たな命が誕生した。非常に可愛く庇護欲をそそるのは致し方ない事だろう。


 ただ現状が冬である事を考えると子供には厳しい環境なのではと思うのだがあまり寒さは関係ないのだろうか。寒さ以外にも獲物を狩る必要があるが水中で狩りをする事が出来るヨタドリには冬でも関係ないのだろうな。


 それよりも冬には他の生き物が活動しなくなり、この危険が減る方が大事なのかもしれない。基本的に出産は春になるように生き物は調整していると思っていたがまた1つ常識を覆されたな。


 新たに誕生したこの子たちに祝福と幸福な未来を。


 

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