閑話 夢
「お母様!」
「どうしたのですか?」
「どうして寝ていると夢を見るのですか?」
「あらあら、難しいことを聞いてくるのですね。もしかして怖い夢でも見たのですか?」
「ううん。凄い楽しい夢を見たの!夢ではね、見た事もない美味しい食べ物がいっぱいテーブルの上にあるの!しかも色のついた美味しい飲み物もあったんだよ!」
「ウカノがそこまで言う食べ物なら是非私も食べてみたいわ。」
「僕もお母様と一緒に食べたいです!1人じゃ食べきれないほどの量があったから、もしかしたらお母様と一緒でも食べきれないかもしれません。」
「あらあら、流石に食べきれない量を用意するのは良くありませんね。でも美味しいならいつも以上に食べれてしまいそうです。」
「あー、お母様食いしん坊さんなんだ!」
「うふふ、だって美味しいものを残すなんてそんな勿体無いことないでしょ?」
「それにね、夢で見たのは食べ物だけじゃないの!そこはね、夜なのに昼間のように明るいの!しかも人もいっぱいで賑わっているの!」
「それはまた摩訶不思議な…」
「今まで見た事もないようなものや景色を夢で見るのでずっと不思議に思っていたんです。もしかして記憶に無いだけで見たことあるんでしょうか?」
「うーん、ウカノがそんなものを見てるはずはないですね…ああそういえば」
「どうしたんですか?」
「夢は前世で見たもの、経験したものを体験するのではないかという説があるのを思い出しました。」
「前世…ってなんですか?」
「前世というのは今とは違う前の人生の事です。生き物はその生を終えると生まれ変わると言われる事もあるのです。もしかしたらウカノはこの世のどこかにある栄えた国で生きていたのかもしれません。もしくはずっと前の時代、今よりも栄えた時代を生きていたのかも。」
「えー!なんだか凄い話だ!覚えてないのが勿体ないなって思ってしまいます。」
「ふふふっ、ウカノらしいですね。」
「お母様の前世はどんな感じだったんですかね?」
「そうですね、考えた事もなかったですが私はよく自由に空を飛んでいる夢を見ますね。」
「じゃあもしかしたらお母様の前世は鳥さんだったのかも!」
「そうかもしれません。ただもしかすると龍だった可能性もありますよ。」
「えー!!お母様は龍だったの!?」
「ふふふっ、あくまで可能性の話ですよ。」
「なあんだ、ビックリしちゃいました。でも生まれ変わるって不思議で面白いですね。」
「そうですね。ただ生まれ変われるのは真面目に生きたモノだけと言われているので、ウカノなら大丈夫だと思いますが誰かに優しく生きるのですよ。」
「もちろんです!そうして次の生でもお母様の子として生まれ変わります!」
「まあ、なんて愛しい子なんでしょうか。でもそうですね私もまた次の生でもウカノと共に生きれる事を願っていますよ。」
☆
んぅ、夢…か。かなり昔の夢を見た。前世で体験した夢か。昔はよく見てた記憶だが最近は全く見なくなったな。いつから見なくなったのだろうか…そうだ、この森に入ってからかもしれない。この森に入ってから摩訶不思議な夢を見る事はなくなった。もしかしたらそれだけ無我夢中に生きているからなのかもしれないな。




