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杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
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第64話 集落会議

 未知の森のある一角、そこにはヒト族の文化の印である家が複数存在している。しかしヒト族が住むには大きすぎるその家、そこにはヒト族はそのまま巨大化させたような巨人たちが住んでいた。そしてその集落の中心付近に存在する一際大きな建物、そこには集落の長、戦士たち、集落の中でも長く生きた者含め15人ほどの人物たちが集まって何やら真面目に話をしていた。


「そろそろ決めねばならぬだろう、我らの行くべき道を。かつて我らの先祖は多種族との関わりを拒み、この集落を築き上げて来た。私も生涯他の種族と出会う事になるとは思わなかった。だが我らが危機に瀕している際ウカノ様方に助けていただき、更にはウカノ様方の拠点に来ないかとまで情けを下さった。皆を集めたのはそれが理由だ。拠点を移すべきか否か、皆の意見を聞きたい。」


「儂は移住に反対だ。確かにウカノ様方には助けられたし、かの御仁には大変感謝している。しかし我らの先祖が築き上げてきた、そして長い間住んだこの地を手放す事は出来ませぬ。」


「儂も同じ理由で反対だな。」


「儂もじゃ。」


「次に私から申させていただきます。私はこの村の戦士として1番であると自負しています。だからこそ私の役割はこの集落を魔物の脅威から守る事であります。今まで、そうあの牛型の全身が岩で覆われた魔物が来るまでは私ら集落の戦士たちで守る事が出来ていましたし、今後も守っていけると思っておりました。あの時は大蛇様、そしてウカノ様方がここに訪れるという奇跡が重なりなんとか助かりましたが2度目は無いと感じています。集落を守る者としてウカノ様方の庇護に預かりたいと思っております。」


「私ら戦士の一存はタスクと同じであります。」


「なるほど。老人たちは移住反対の意見が、戦士たちからは移住賛成の意見が多数という事だな。これまた難しくなったな。」


「集落の長として、タージ様の意見はどうなのでしょうか?」


「私か、私としては確かに老人たちのように先祖が築き上げてきたこの地を手放したくないという思いもある。この集落の長として、この集落のものたちが安全に暮らせるように出来るならそうするべきだとも思っておる。」


「タージ様も悩んでおられるのですな。」


「ああ…ただ我らの先祖が築き上げてきた物はこの地だけではないのではないか?我らの種族がこの地で生きて来れた理由の1つには間違いなく大蛇様の存在がある。もし大蛇様が我らの種族を助けてくださらなかったらきっと我らは今生きていないはずだ。そしてだからこそ我らの先祖は大蛇様との関係も築き上げてきた。そしてその大蛇様はウカノ様方とかなり親密な様子であった。我らの先祖が築き上げてきた大蛇様との関係。そしてその大蛇様が会わせて下さった下さったウカノ様方との出会い。これは大蛇様の、ひいては先祖のお導きではないだろうか。」


「「「たしかに……」」」


「どうだろうか。ここらで我らの生き方を変えてみるのは。」


「長がそこまでいうのであれば異論ありませぬ。元よりウカノ様方には感謝こそすれ悪い気は抱いておりませぬので。」


「「「儂もそこまでいうのであれば。」」」


「では集落の一存として移住という事になった。ウカノ様は、前にウカノ様がやって来られた方面を進むと霧の領域に入り、その前まで来れば良いと仰っていた。とはいえさすがに皆で移動するのは危険すぎるしどうするべきか。」


「であれば私がまず単独で行かせていただきましょう。」


「確かにタスクに任せるのが最善か。よし、ではタスクに任せた。その間我らは集落の皆に説明するとしよう。以上で解散とする。」


 こうして長い間他種族と関わりを拒んでいた巨人族の行く末が今日変わった。昔からのまま巨人族だけで生きるべきだったのか、それともこの決断が功を奏すのかは誰にも分からない。だがこの決断が未来を変えたのは間違いないだろう。そして更に未来を作っていくのはここからの行動なのだ。彼らの行く末に幸が多からんことを。

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