第42話 適応力
「気持ちいいかー?」
「キュイー キュイー キュイー」
今日は1日休みの日にしたので、日向ぼっこしながらテンを撫でている。テンは昔からお腹を撫でられるのが1番気持ちいいらしく、今も僕の足の上で仰向けになってされるがままだ。
進化をしても尻尾が増えるだけで体の大きさは変わらず今も小さいままだ。こんなに小さくて無防備な姿を晒しているのに戦闘の時は無類の強さを誇るのだから生き物とはわからないものだ。
「キュキュイー キュー」
それにしてもこの尻尾はすごいなぁ。触るとどこまでも沈んでいく手触りになんとも癖になる。進化するごとに尻尾が1つ増え、それに伴い能力も1つ増えるからこの尻尾は何か秘密があるのだろうか?ただでさえ中毒性のある尻尾なのにこれ以上秘密があるとしたらなんて魔性の尻尾なんだ。
「ひゃー!はやいー!」
「すごーい!」
ゾンとルアは大蛇に乗って遊んでいる。あれは僕が身体強化を使った時くらいの速さがでてるな。あんなに速いのに体がブレないからゾンとルアも乗り心地良さそうに楽しんでいる。
昨日会ったばかりなのにもう仲良く遊んでるなんて。子供の適応力はすごいな。いや、ゾンとルアの場合は赤子の時から自然の中で過ごしてきたから2人が特殊なだけか?
というか僕以外の人たちと関わりが無い代わりに魔物たちが交流対象だったしそりゃ特殊か。2人のためにもいつか人の街に行って交流するべきかもな。僕の生きていた国は他の種族を排他して発展してきたためヒト族しかいないが、他の国は割といろんな種族が住んでいるらしい。まあ種族ごとに力関係があるため差別などもあるらしいが。2人には他人の悪意を感じる事なくのびのびと育ってほしいがどこかの国に行ったら嫌でも感じてしまいそうだな。うーん……色々考えると難しいなあ。
「キュー……キュー……」
いつの間にかテンが眠ってしまった。ふふふっ、変に難しく考える事もないか。ゾンとルアにとって悪い環境ならそこから離れれば良いだけだし、他人の悪意からは僕が守ってやれば良いだけだ。




