第41話 同じモノ
とりあえず寝泊まりするだけの建物を建てたが他には何が必要だろうか。僕が空間魔法でほとんどのものを保存できるが、僕がいない時などを考えると倉庫は必要だろう。他は今の所思い付かないが、寝床がシンプルなため増設は簡単に出来るので、必要になったらその都度建てていけばいいだろう。
後は防壁か。前回は洞窟を拠点にしていたが今回は平地に家を建てたから周りが無防備だ。とはいえ周りは大蜘蛛の領域と化すだろうし、実際それが堅牢な防壁の役割となる。大蜘蛛は糸を通して遠隔でも察知できるため、糸をなんらかの方法で破壊しても大蜘蛛は察知できる。そのため大蜘蛛の糸を掻い潜れる魔物というのがそう多くないだろうし、仮にいたとしても大蜘蛛の察知まで掻い潜ることは不可能に近いだろう。
ひとまず防壁は保留でいいかな。そもそも周りが霧の領域となっておりここまで辿り着ける魔物も多くないからな。
「ウカノー!白い蛇さんがいるー!」
「ん?ああほんとだな。」
あいつはここにくる途中でも出会った双頭の大蛇だな。ここはあの大蛇の棲み家でもあったか?
「あの蛇さんこっちに近づいてくるね。」
「頭が2つあるの不思議だねー?」
どうしたんだろうか。2つの頭で器用にゾンとルアを見ているが2人気になるのか?もし戦闘になったら相当な力を発揮するだろうが、あいつからは特に敵意は感じないため特に恐れることはない。
やがて手足の無い体だがどういう風に進んでるのか、全く体がブレることなくこちらの目の前にまできた。目の前に来て改めて感じるが相当なデカさだな。今は頭を低く構えているため僕らと同じ高さだが、体を起こせば5メートルくらいにはなりそうだ。
「シュー」
「「どうしたの?」」
やはり2人が気になるのか2つの頭をそれぞれゾンとルアに近づけて観察しているようだ。2人とも恐怖心は無いようで大蛇の頭に小さな指先で触れている。
「僕たちと同じー?」
「双子?」
「シュルシュル」
「「くすぐったいよ!」」
舌先が二股に分かれている舌でゾンとルアの顔を舐める大蛇。どうやら2人のことが気に入ったようだな。
「この蛇が元々が双頭の魔物なのかゾンとルアのように双子のような特殊な生まれなのかは分からないが、2人にシンパシーを感じているのかもな」
「ヒンヤリとして気持ちいいねー」
「不思議だけど良い手触り。」
「キュ!?」
「はははっ、テンのもふもふな手触りに敵うものなんてこの世にないよ。」
「キュキュキュ!」
テンが僕のお腹へと頭をぐりぐりと擦り付けてくる。まったく甘えん坊め。今日はじっくりとそのもふもふを堪能させてもらうぞ。




