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杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
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第34話 天使の成長

「頑張れ!頑張れ!あと少しだ!」


「キュキュ!」


「「うー うー だ!」」


「おお!初めての寝返りが成功だ!」


「キュキュイ!」


「「ホホー!」」


「メエ〜!」


 気温が上がってきたこの頃、ゾンとルアが寝返りを初めて打つことに成功した。最近は寝転がっている時も手足をジタバタと動かす事が増えてきたのでそろそろかと思っていたのだ。


 目がパッチリと開いてきたり、髪が伸びてきたり、発音が良くなってきたり、日々成長を実感していたが明確に何かが出来るようになったこの成長は格別の感動だ。


「そろそろ外の空気に触れてもいいだろう。ゾンとルアに会わせたいやつがいるんだ。」


 ゾンとルアは何をするにも一緒にいないと不安になってしまうらしく、それは抱っこでも同じだった。そのため大蜘蛛の糸を加工して2人を同時に抱っこ出来るような肩掛けを作った。



「おーい、大蜘蛛こっちに来てくれ!」


「……シャァ」


 ゾンとルアを連れて大蜘蛛の元へと来た。大蜘蛛を呼んだのだが大蜘蛛は遠慮がちにこちらに向かってきた。


 おそらくゾンとルアの気配を既に察知しており、2人を怖がらせまいと遠慮しているのだろう。ゾンとルアが来るまでは大蜘蛛も拠点へと良く顔を出していたのだが、2人が来てからはメッキリと来なくなってしまった。それでも2人の為に糸をよく差し入れに来てくれていた。


 そのため僕としてもゾンとルアを大蜘蛛に早く会わせてあげたかったのだ。それに大蜘蛛なら2人は怖がらないだろうという確信めいたものもあったから。


「「だあー?」」


「こいつは大蜘蛛というんだ。この肩掛けも、普段寝ている布団もこの大蜘蛛が2人のためにくれたんだよ。」


「「あうー!」」


「そして大蜘蛛よ。この白髪の男の子がゾン、黒髪の女の子がルアというんだ。今までもお世話になっているがこれからもこの2人をよろしく頼むよ。」


「シャシャ!」


 ゾンとルアも初めて見る生き物に興味津々で手を伸ばしている。大蜘蛛の許可を貰い2人を近づけて触らせてもらうと、初めての感触に興味深そうな様子で触り続けている。


「大蜘蛛も2人を撫でてやってくれないか?」


「シャ……シャア……」


 おそるおそるといった様子で前脚で2人に触れる大蜘蛛。


「「だうー」」


 2人も喜んでいる。やはり2人が大蜘蛛を怖がる様子はないな。僕は赤子と一部を除くほとんどの魔物が同じだと感じる。他者の悪意や敵意には敏感だが、善意や好意を持って接すれば受け入れてくれるのだ。


 ゾンとルアに実の親からの愛情は無い。それでも、いやだからこそ僕たちで愛情をたっぷりに注いで2人を育ててあげるんだ。

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