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杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
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第33話 久しぶりの狩り

「「スー…… スー……」」


「いい子に寝ているんだよ。それじゃあ僕たちは狩りに行ってくるからゾンとルアの子守りは任せた。」


「「ホー」」


「メエ〜」


 ☆


「久しぶりの狩りだなテン」


「キュイー!」


 テンは気合いが入っているようで、樹の上まで駆け上がったり僕の元へダッシュで戻ってきたりしている。前より身軽に動くテンに思わず頬が緩む。これがテンの成長なんだと。


 元気なのはテンだけでなく、魔物たちも活発に活動している。冬の森の静けさは本当にこの森に生物が生息しているのか少し不安に思えるほどだったので、こうして実際に魔物を見かけると安心するものがあるな。


 ☆


「キュ」


 久しぶりの森の探索を楽しんでいるとテンが僕だけに分かるように小さく鳴いた。どうやら獲物を見つけたようだ。しかし僕の気配感知には特に反応しない。どうせ僕は戦う事はないのでこの場で待機してテンに任せる事にする。


 テンは周囲に毒の玉を浮かべ、一直線に駆けていく。そして大きな岩目掛けて毒の玉を放つ。


「グワァァァァァ!」


 あいつだったか。僕らが今の拠点へと移動している時に遭遇した岩の魔物。擬態能力が高く、動き出すまでその気配に近づくまで気付くことができなかった。テンは相手が動き出す前に気づいていたが、気配感知もより研ぎ澄まされたのだろうか。それとも前回あいつの気配を覚えたのだろうか。どちらにしてもあいつの気配を感知できるのなら凄い能力だ。


 酸の性質によってあいつの表面が溶け始める。一瞬苦しそうな声を上げたのだが、次の瞬間には溶けた部位が再生し始めた。あの再生能力があいつの魔法なのだろう。強力な外皮に強力な再生能力。鈍足な動きも驚異的なまでの擬態能力によって、相手が近づいてきた所を攻撃するという補完も出来ている。なるほど確かに強力な相手だな。さあ、この相手にテンはどう攻略するのだろうか。


 ☆


 進化した事によって元々特徴的だった速さが格段に上がっている。その速さを活かして四方から攻撃を仕掛ける。再生能力が高いのならば広範囲に攻撃を仕掛ければ良い、とばかりに毒の玉を相手の全身に散らして攻撃する。


「グアアアア! グア!」


 為す術もなく攻撃され傷を負いはじめた相手は苦しみ、恐怖を感じているようだ。あの体だ。今までまともに傷を負う事など無かったのだろう。初めて感じる痛みに恐怖を抑えきれないようだ。


 再生能力が間に合わず、段々と傷が増えていく。相手は深い傷から優先的に治しているが、テンは冷静にそれ以外の場所を攻撃し傷を増やしていく。


 やがて自身の傷を回復しきれなくなった岩の魔物は息絶えた。


「キュキュイ!」


「おめでとうテン!これで前回のリベンジを果たせたな!」


「キュイキュイ!」


 やはりテンは強いな。それに戦い方も賢い。今回も攻撃が効くまでじっくりと攻撃し続けていた。考えながら戦えるというのはそれだけで生き残る確率は上がるのだ。テンがそういう戦い方をしてるというのは嬉しく感じる。


 ☆


「「ホッ ホッ ホー」」


「「だあー!」」


「メエ〜」


「「だうー!」」


「ただいま。雪フクロウと羊は子守りありがとうな。ゾンとルアもいい子に出来たみたいだね。」


「キュイ!」


 雪フクロウと羊がゾンとルアあやしてくれており、どうやら僕たちが居ない間も大丈夫だったようだ。これならこれからもなんとかなりそうで一安心だ。



 岩の魔物は外皮が岩なだけで内側は肉が詰まっており、これがかなり美味しい。


「キュー!」


「「ホホッ!」」

 

雪フクロウにお裾分けして一緒に食べるが喜んでくれている。


「「だうー!」」


「ゾンとルアにお肉はまだ早いからミルクで我慢してね。羊特製の栄養満点ミルクだぞー。これを飲んで早く大きくなるんだよ。」


「メエ〜」

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