第103話 ウカノへの愛
最初は特に何も感じていなかった。だが巨人族の者たちがみんながみんな私たちとウカノの関係性を聞いてはそんな感情を向けてくる内にどうしてか気になったので聞いてみた。どうして哀れみのような感情を向けてくるのかと。
聞いたのは私に綺麗な赤い石をくれたお姉さん。最初はバツが悪そうな顔のまま固まってしまった。
きっと私たちに言おうか言わまいか悩んでいたのだろう。それでも私たちは教えて欲しいと頼んだ。それで私たちが傷を負っても知るべきものだと思ったから。
そうしてお姉さんが語ったのは双子が忌み子であるという事だった。種族によってその語られ方は違うらしいが、基本どの種族でも双子は忌み子として忌み嫌われているらしいと。
巨人族のみんなも、もちろんウカノも忌み子だなんて馬鹿馬鹿しく気にしていないと言ってくれた。
ただ同時に、私たちを産んだ親はきっと忌み子だからと2人を捨てたのではないか。そしてたまたま捨てられた2人をウカノが拾い、育てたのだろうと語ってくれた。
そう語る巨人族のお姉さんからはやはり私たちに対する哀れみの情や、私たちの産みの親に対する怒りなどが見え隠れしていた。
当時この事を聞かされて私は何を思っただろうか。産みの親が私たちを捨てた事に対する怒り?それとも私たちが忌み子だという事に対する絶望?
いやそんな感情は抱かなかったし今思い出してもそんな感情は抱かない。当時の私が感じたのはウカノに対する更なる親情だった。
ウカノからすれば種族も違う、関係も全くないそんな私たちを見捨てずに育ててくれた。
どうしてウカノは見捨てられた私たちを育ててくれたのか。それはひとえにウカノだから。必要以上の殺生を好まない、そして困っている生き物は助けてあげる。そこに種の違いなど関係ないのだ。
私たちを育ててくれたのがウカノで良かった、ウカノと出逢って良かった。
私にとって産みの親に対する憎しみなどは無い。ただただただウカノと出逢えて良かったと思える。
私はウカノとゾンがいればそれだけで幸せなのだ。




