第97話 エルフ族の集落
「おい、勝手によそ者を連れていっていいのかよ。」
「よそ者つったってあの子供2人はエルフ族だ。ならば我らの同胞を村に迎え入れるのに理由などいらないだろ。」
「あの男はヒト族だろ?」
「おそらくな。だがあの子供2人の懐きようから見るに2人をぞんざいに扱っていないのは明らかだ。南の国で出会ったと等色々気になる事はあるが、それは村の中で聞かせて貰えばいい。」
「俺としては出来るだけ問題となりそうな厄介ごとはよして欲しいんだがな。とはいえエルフ族の子供を見捨てるのも見苦しいし仕方ないか。」
どうやらもう1人の男も説得させられたようだ。それにしてももう1人の男も20かそれより若い年頃にしか見えないな。だがエルフの見た目は年齢に比例しないと聞くしあれでも僕より年上の可能性があるなんてなんとも奇怪だな。
ゾンとルアは大人しいが気後れしているというよりは困惑している…のかな?初めて見る、出会った同胞だしな。エルフ族は閉鎖的な種族と聞く、その分身内の繋がりは強いのだろうから同法というだけで村に迎え入れる理由としては十分なのだろう。ただそれを知らないゾンとルアからしたら相手の急な態度の変わりように困惑してもおかしくない。
「着いたぞ。だがこの場所の事も、我らの事も決してヒト族に話すと誓え。」
「ああこの身に誓うさ。ここで見た事、出会った事はこの場所のみでの記憶だ。」
「ならいい。上の者に確認して来るからここで待っておけ。」
着いたと言われた目の前には特に集落らしきものは見えない。ただそれでいてヒトの気配は複数にあるというなんとも面妖な空間だ。
そんななんとも不思議な感想を抱いていると、ここまで案内してきたエルフ族の男が魔法を発動する。その途端に目の前の景色が変わる。
目の前に広がるのは圧倒される集落の凄さ。元ある自然をそのままに樹の上や横に繋がるような家屋は、元からそうなっていたのではないかと思わせられるほどに周りの自然とマッチしている。
決して自然を壊さぬように、自然の恩恵を預からせてもらっているんだという意志を感じる。これが自然と共に生きる種族ということか。
ゾンとルアも目の前の光景に圧倒されている。いくら2人がエルフ族と言ったって、2人にとっての常識は僕と共に過ごして来たものだからな。




