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僕の死んだ世界で  作者: 不死鳥の亡霊
剣聖襲来編
10/12

判断

[どこで間違えたのか…


間違いなら正解はあったのか…


仲間との死を受け入れるのが正解だったのか…


戻れない位置で俯瞰してもただ虚しいだけ…


今はもう決めた終わりに…


ただ…


進むしかない…]





早朝、亭主の出発を確認したリヴァイは、中央の広場へと先回りで向かう。


街は早朝にも関わらず不穏な熱を帯びている。


オビは宿の部屋から見えるその熱を確認し、中央広場とは逆方向にある城へと向かうことにした。


「領主がこの状況を知っているんだとしたら、こそこそ隠れてるってのは、やっぱり筋が通らねえよな。」


昨晩照らし合わせた情報を元に、リヴァイとオビはそれぞれの考えで動くこととなった。


「…昨日は適当にオッケーしちまったけど、オビのやつ本気で城に潜るつもりか?」


酒が入り、正気とは思えない単独行動を了解してしまったことを、道中でリヴァイは反省していた。


が、中央広場に集まる人だかりを見て、自身も正気ではないことを確認する。


「これを1人で止めようとしてるのか…。


(…ラクスがいたらきっと待ったがかかるな。ミラならもっと良い判断をする。


ギールとメイスは中心部に構わず突っ込みそうだけど…。)」


リヴァイは深呼吸をして冷静になる。


「(シエルの一件から数日足らず、暴動を起こすにしても足並みが揃うのが早過ぎる。シエルの件だけが原因とは思えない。だとしたら…。)」


昨晩考えた可能性。それを確かめる為に、リヴァイはリスクを承知で集団の輪に入り込んだ。


リヴァイの思惑通り、後方に監視役は配置されているが、紛れ込んでもすぐに気づかれはしなかった。


「(統率してるのは自警団ってところだろうけど、全員の顔を把握しきれてはいない。民間人がかなりの比率だ。


このままリーダーに会えちゃえばそれが1番楽なんだけどな。)」


リヴァイがそんなことを考えていた矢先、後ろから肩を叩かれる。


「おい、お前。見ない顔だな。」


「(…進めた方か。さぁ…どう出てくるか…。)


…アンタらのリーダーと会って話がしたい。


…俺は一般人だが、この暴動を止めたいと思ってる。」


リヴァイがそう言った瞬間、周囲は騒然となった。それでもリヴァイが抜剣の素振りを見せなかったところ、相手方も抜剣はせずリヴァイを取り押さえにきた。


「(一般人に危害を加える気はない…か。)」


リヴァイは相手の出方を確認して抵抗せず取り押さえられた。自警団は上の判断を仰ぐ為、リヴァイに手縄をし、集会所から少し離れた人気のない建屋に連れて行く。


「おや、どうされました?」


建屋からは眼鏡をかけた、神父のような男が出てきた。


リヴァイはその男自体は知らなかったが、その男を見て概ねの検討がついた。逆に男の方はリヴァイ見知ったような顔で見ている。


「…なるほどなるほど。…ご苦労でしたね。


あとは私に任せて君は集会の警備を続けてください。」


「はい!」


自警団はリヴァイを引き渡しその場を離れ、場にはリヴァイと神父のような男の2人だけになった。


「…正直驚きましたよ、リヴァイ君。」


「…教団の残党がまだいたとはな。」


その男が属する教団はメイスをかつて孤児院に送り込んできた。シエルを奪う為に。

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