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NOTE  作者: 藤代京
8/8

文化人類学の思考法


 世界思想社から出てる本やね。

 この出版社の本買うのは初めてかも。


 文化人類学とはなんぞや? というと、


文化人類学とは、人間について、「文化」という概念を中心に、経験的な調査法(=おもにインタビューと参与観察)を動員して、〈他者〉と〈他者がおりなす社会〉を観察し、そのことを具体的に考察する学問分野です。


 だそうな。


 わかったようなわからんような。


 わからんでも面白いです。


 章ごとにテーマが分かれており、1部が「自然と知識」「技術と環境」「呪術と科学」「現実と異世界」

 2部が「モノと芸術」「贈り物と負債」「貨幣と信用」「国家とグローバリゼーション」「戦争と平和」


 3部はまあいいや。


 「呪術と科学」では計量や実験による科学的な思考と対になる経験と感覚からなる野生の思考があると言及する。

 

 科学で世界が秩序立てられるのではなく、経験と感覚で世界が秩序立てられる訳だから、パラレルワールドなんぞ持ち出すまでもなく世界は無数に存在するってことだよな。


 ああ、これは呪術が成立するわ。


 実験と計量からなる世界を改編することはできんけど、経験と感覚からなる世界に介入して好き勝手に改善することはできるじゃん。


 なるほどなるほど。


 自分の経験と感覚が及ばなくなった状況で呪術の出番になる、ともある。


 なるほど、これが金融怪談や銀行怪談がない理由か。


 経験と感覚どころか、最初から計量の世界だからそもそも呪術の出番がない。

 前に似たようなこと書いたような気もするけど、再発見つうことで。



 「贈り物と負債」では交換を通常の交換と階級の違う者が儀礼的慣習的に交換するヒエラルキーと収支の決算をしないコミュズムに分けている。


 コミュズムは収支の決算をしない!


 この場合のコミュズムはマルクスさんのじゃなく原始コミュズムだけど、原理的には同じだよな。


 だよなだよな、収支の決算をしないから成り立つんだよな。


 帳簿ある時点でマルクスさんのコミュズムは崩壊を約束されてたんだ。


 やっぱり会計のやり方間違えると国も滅びるんだのう。


 収支の決算をしないことで成り立つのに、それとなんとか帳簿につけなくちゃならんというとんでもない離れ業が必要とされてたんだけど、誰もそれに気づかなかったんだな。


 「貨幣と信用」ではビットコインをはじめとする仮想通貨の存在の仕方がヤップ島の石貨に回帰している様が描かれている。


 

 読みようでどうとでも読めるし、多角的な発見がある。


 文化人類学って面白いな。



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