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立花さんと両想いになるのはすごく難しい  作者: アンリ
第四章 告白ハロウィンパーティー!(FA御礼)
13/27

4.5 追加おまけ:小太郎視点

こちらはweb拍手にのせていたおまけSSで、立花さんが水をとりに行っている間、四人の男子がどんなことを話していたのかを小太郎視点で書いたものです。

 美玖ちゃんが僕の耳元でこそっと言った。


「あの四人、なにを話しているんだろうね」

「気になるよね。おい、チャールズ」


 ぱちんと指を鳴らした直後、すぐさまチャールズが現れた。


「うわ。チャールズさん、さっきあっちにいなかった?」


 高速移動は我が高須家の執事として当然の能力なのに、美玖ちゃんは若干引き気味だ。

 だがチャールズは構うことなく、僕が何も言わずともワイヤレスイヤホンを取り出した。


「こちらをどうぞ」

「なにこれ?」

「これで四人の会話を聞くんだよ」

「……ええっ?」


 これ倫理的にいいのかな……などとためらいながらも、よほど気になるのだろう、美玖ちゃんはイヤホンの一つを手に取った。


 もう片方は僕が装着する。僕だって気になる。だって四人のうち二人は僕の親友なのだから。


 今、向こうでは菊池と山中に広田がくってかかっている。あの温厚な広田がだ。


『お前達はおかしいっ!』


 なんだなんだ?


『お前達二人が同時に立花さんの恋人になるだと? そんなことありえないだろっ!』


 それなりに声は抑えられているから四人の周囲には聞こえていないけど、なんだこの不埒な会話は。


「……マジ?」


 美玖ちゃんなんかかなり引いている。

 だよね、美玖ちゃんは一途な僕が好きなんだから。


『あくまで立花が一人を選べない場合の話だ』

『だからって……!』

『それでも彼女の特別になりたい。それだけだ』


 菊池……山中……お前達はそこまで譲歩しようというのか。

 あ、なんか泣けてきた。


『それに立花は一人の男で独占できるような女じゃない。二人で護るくらいでちょうどいい』


 これに広田がうっと黙りこんだ。


 ああ、僕には広田の気持ちが分かる。

 実際、立花さんって一人でどうこうできる女の子じゃないから。

 せめてもう少し思慮深く落ち着いてくれたらって思うけど、そうなるのを待ってたら悪い奴に捕まっちゃいそうだし。

 

『とにかく』


 ずっと黙っていた野田がようやく口を開いた。


『立花さんが困るようなことは言うな』

『どうしてお前がそんなことを言う? 野田も、それに広田も、立花とつきあっていないくせに』


 これに野田が口を閉ざした。

 ただ、僕には分かった。

 菊池の何気ない発言が野田の逆鱗に触れたということに。


『さっき彼女が言っていた。誰とも付き合っていないと。そしてお前達の邪魔が入らなければ彼女は俺達との交際を了承していた』

『嘘をつくな』

『嘘じゃない』

『立花さんは俺のことが好きなんだ』


 野田の告白に、山中が嘲るような笑い声をあげた。


『そういえばお前達、文化祭で公開告白をしたんだったよな』


 くつくつと笑い声をあげながら意地悪い目線を二人に向ける。


『それで野田が勝ったんだっけ? だがあれはゲームかショーの一環だろう。少なくとも彼女はそう思っている』


 おお……さすが山中。

 そうなんだ、立花さんはそういう人なんだよ。


 でもさ、野田と広田だってそのくらいのことは分かっているよ。

 分かっていても全力でぶつからなくてはいけない時が男にはあるわけで。

 それを笑うだなんて……ゆるせないぞ。


 野田と広田がヒートアップしていくのと同期して僕の怒りのボルテージがぐんぐんあがっていく。


「小太郎、落ち着いて」


 美玖ちゃんが白魚のような可憐な手を僕に添えてくれたけど、ごめん美玖ちゃん、僕もう限界だ。


 だが一歩踏み出しかけたところで――立花さんがこちらに戻ってくるのが見えた。



 **


 ここから本篇へと話が戻るわけでした。

 ちゃんちゃん♪

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