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9/11

手塚治虫先生からの課題:四コマ



 今回の話のテーマは『四コマ漫画』です。

 しかしながらとりあえず、『問題提起』の段階になります。

 

『作家志望は金輪際、”起承転結”という単語を口にすることを禁止する!』なんてタイトルで、ひとつ話をしたかったのですが、内容が同じでタイトルに迷う……これは、タイトルを取捨するしかないですよね。


『四コマ漫画』を扱うのに、

『起』『承』『転』『結』は禁止。

 その代わりに、

『?』『?』『?』『?』――となります。

 起承転結のように、漢字四文字です。


 こいつが結論になるのですが、今ここでは、問題提起の段階なので、明かすことはできない。

 その代わり、まあ前に探ってくれた方はもうわかっていると思いますが、アレと同じです。この問いは。わたくしの本命の小説である《デス♀バード》本編の、どこかに隠してありますので、もし忙しくなければ、のんびり探してみてください。



 細分化していいもの、悪いもの。

 についての話もいずれやります。

 

 リアルタイムで白黒テレビで鉄腕アトムを視聴していないのに。あるいはリアルタイムで、新宝島を読みふけっていない癖に、手塚先生を語るな、という意見。

 江川達也先生は、タルるートくんのコミックスで、スクリーントーンに関しては、手塚派じゃない宣言みたいなのをしていますよね。



 さておき本題に入りまして、

『四コマが描ければ、漫画は描ける』という格言を、まあ作家志望なら誰しも、耳にしたことがあると思います。

 当然先生本人になんて、お会いしたことがありませんので、伝聞、又聞きの域を超えませんが、手塚治虫先生は、『嫉妬』というテーマには、無縁ではないらしい。

 たとえば現在の、売れてないだの、面白くないだのといった『四コマ』を見たとすると、正直なところ、喜び勇んでいるような、瞬間も思い浮かびます。


(同時に人間らしく、後人こうじんを憂えて苦い顔になる瞬間もあるのかもしれませんが)


 ですから、こいつ→『四コマが描ければ、漫画は描ける』は、バカにもわかるように噛み砕いてくれてはいない、ということを、私は今ここで言いたい。

 ちょっとひっかけなんですね。

 ちょっとしたいたずら心が見えます。

 一見、漫画家になるのが容易そうに見える、入口が広く見える、その結果、大勢の若者が志望しやすくなる、とにかく志望者が多ければ、世の中に傑作は誕生するだろう、――といった、未来の『マンガ』にかかわる者全体を、いい感じに鞭打つというか、激励というか、そういう見方もできます。わたくし個人はね。


 で、実際どうなのか。

 言葉通りというよりは、深く考察することなく、表面だけを飲み込んで、ちっとも人気の出ない四コマを執筆している作家さんは少なくないのが現状です。

 それは当人が一番よくわかっていると思います。


 つまりこの世には、『バカの四コマ』がありえる。

 のであります。


 正直、率直に、天国の手塚先生は、ほくそ笑んでいるでしょう。

 普通に考えれば、コマを四つ並べただけで、手塚治虫先生クラスの漫画家になんて、なられるわけがないんですからね。


 天国の手塚先生が、内心ヒヤリと、仕事中に嫉妬心を自覚するような『四コマ』もありえるでしょう。


 四コマ漫画には、

 サルの落書きを4枚並べた程度の『バカの四コマ』から、手塚先生が天国で嫉妬にもだえる『究極の四コマ』までが存在する……。


 箸にも棒にもかからない、素人すぎるものはカウントしないことにしまして、

 まあ、それでもプロの中から選ぶことにしまして、

 そうすると、『四コマ漫画』というものは、だいたい4つに分けられる。


 今回はだいたい、この辺まで話しておわりです。

『”面白い”の細分化』の、メビウスしてる一部です。




 第1。

 時事ネタ。著作権スレスレの危険なパロディ。メタネタ。タマキュア。


 結論から言うと、こういう枠は、志望者全員が勝ち取ることはできない。そこが問題になる。

 現在そういう、盗作ギリギリのパロで飯食ってる先輩作家を、どうにかしてどかさないといけなくなったり、それができても、抽選というか、幸運な星のもとにうまれる必要があったというか。


(※同人活動とか、WEB二次創作漫画で投げ銭頼んだり広告料もらったりするのは、ありえますが、いやそういうのは、私が偉そうに教えるまでもなくみんな知ってるから無視したっていいじゃないここでは)



 原因→『面白い』を細分化できていないから。

 ドラゴンボール芸人は面白い! から、逆輸入……。

 大手すぎる出版社だの、吉本興業だの、テレビの業界だのという、バックについているものの大きさが違うという要素も、まああると思いますが、最終的には”マナー”の問題だと自分は思っています。


 芸人さんは、暗記して、感情を込めて、再現して、舞台の上での緊張だの、同業者との人間関係だのといった『辛み』と戦いながら、『面白いパロディ』で飯を食っているわけです。

 作家も別に、コスプレして人の視線と緊張を乗り越えて、タマキュアネタをやるのはいいと思いますよ?

 でもなんか卑怯なんだよな。裏方からよ。やっぱりそれでウケたいなら、暗記・演技・大衆の前、というリスク僕はい~やだ! では……、マナーが悪いんだよ。


 パロディゼロが正義だと言いたいわけじゃない。

 客観的に見て、誰がどう見ても、『目とか声をピーで隠したモノマネネタ多いな!』とか『オリジナルの話が、割合的に半分以下』って漫画は、まああるじゃないですか、四コマでも。

 ここには、二次創作が膨らまないという問題もありますね。


 逆に、二次創作だの、劇場版だの、アニオリだの、ファンメイドの外伝だの、公式のノベライズ版だのといった風に、広がっていく作品が、傑作だと言えるんじゃないでしょうか。

 できるできないしたいしたくないにかかわらず、シンプルに読者として欲求した場合、本当に欲しいのは『よくパロられる名作』になるはずです。


 とにかくそれを肯定したところで、志望者のうちのひと握りしか、『パロディメインでもOK』という座席には座れないということなんですよ。

 だったら遡って肯定できない。

 どうしてもやりたいんだったら、今『ひきょたん』やってる先輩作家を、頃してこいよと私は言いたい。後輩に。


 面白ければ連載されると私は言わない。

 面白ければなんでもアリだと私は言わない。

『面白さの細分化』に近づいてゆきます。




 第2。

『あずまんが大王』形式。

 これは、リアリティとかかわる四コマの話になります。

『あずまんが大王』は、リアリティ特化型の四コマなのです。

 基本的には。

 1話が半月分……30日もあれば、漫画16ページ分の、面白さをピックアップできてもおかしくない。なんであれ『受け手』は、リアリティに親近感を覚えるものです。


 まああとで触れますが、絶望先生の久米田先生も大好きだった『トリコロ』は、『娯楽おもしろさ』と『自然さリアリティ』を天秤にかけた結果、前者の方を優先させた話の構成になっています。


『トリコロ』には、『そんな頻度でそんな面白イベント起こるわけねーだろ』というツッコミが入れられてしまうんです。まあ、サザエさん時空ですが……。

 コナン君もこういう感じですね。

 興奮する事件の発生率に、リアリティはありません。



『あずまんが大王』には、その、『そんな頻度でそんな面白イベント起こるわけねー(読者のイライラの原因)』を無視した利点がないために、終わってしまったら、終わってしまったというか……。

 しかしそれはまたそれで、もっと読みたかった読者の不満を産む。


 誰もが『娯楽』と『自然さ』、どちらを優先させるかは選択しなければならなくって、でも完璧に現実感を極めればいいというわけでは当然なく、

(そんなことをすれば、ファンタジーもくそもなくなりますからね)




 第3。

 さっき述べたように、『サザエさん』とか『ちびまる子ちゃん』『トリコロ』『コナン君』『てんコミドラ』……。


 だからその『第2』では、終わりが訪れてしまう代わりに、リアリティがあるよだけじゃなく、ネタにも結構困らなかった。

 365日あれば、イベントなんて山ほどありますからね。

 ハロウィンやら、クリスマスやら、

 メインキャラの誕生日、その家族の誕生日・記念日含めると、

 面白い日のめぼしはつけやすい。

 1ヶ月のうちで、面白い体験をした日の話を、要点を、ポンポンとテンポよく寄越してもらえる日記。

 必ず終わりがくる代わりに。

 面白かった日の話だけを、テンポよく提供できた。


 じゃあ『サザエさん時空』にして、『終わりが来る』を拒絶した場合(『終わりが来ない』を欲した場合)、どういうリスクがあるのかというと、さっきの『そんなに毎日面白イベント起こらねーよイライラ』という、基本の批判と、さっきのその『月に数回の面白デーを羅列作戦』が通用しなくなった=『イベントを作者が1か月に30回、自力で起こさなきゃならなくなった』……という問題ですね。


 これが、最初の方で述べた『起承転結』じゃない方の『????』漢字四文字が、大きくかかわってくる話に繋がるのです。

 ここに次の『藤子不二雄先生からの課題』も加えて、知識として、執筆に使用してもらうことになります。




 第4。

『妻に恋する66の方法③』のあとがきで、福満しげゆき先生が、本作のコマ割りスタイルは、中崎タツヤ先生の、『じみへん』――を参考に、確立された、的な話をされていました。


 コマが四つで終わる訳じゃない、四コマみたいな漫画……。

 これはもう、『ザ・中間進化』といいますか、

『四コマが描けたら漫画は描ける』に、いよいよ近づいてきた感じがしませんか。

『エッセイ』『創作』――どちらにも応用が効きそうです。



 要するに、手塚先生が嫉妬に狂うような漫画――この”軸”が、『起承転結』じゃない『????』ということなんです。これが解った上で、四コマでシンプルに練習を重ねると、

 あずまんが大王の③年生の、11月スペシャルの、イリオモテヤマネコの話、みたいなのが、誰でも創作できるようになりますよ――と。


 面白い漫画の”軸”には、『????』つまり、手塚治虫先生の言わんとする『四コマ』が、しっかり、ベースとして存在していますよ。

 だったら逆算しましょう。

 ベースから。

 軸から。

 人体錬成をするなら骨格に、肉付けをしていきましょうよ。

 順番が大切ですよ。

 面白さを細分化していきましょうよ。

 なんでもいいわけじゃないんですよ。

 と。


『起承転結』じゃない『????』の軸があったら、ひとコマ足して5コマになっても、コマの大きさを普通の漫画みたいに、緩急つけてばらばらにしても、一向にかまわないんです、基本は変わっていないんです。


 ただ人間は、人を見るときだけに限って、外見から入ってしまう。

 住宅を見分する際には、外装よりも耐震構造の方が気になって当たり前なのに。

 お料理を口に入れる際には、まずアレルギーだとか添加物だとか、どこの何の肉を使っているのかを、当たり前に優先して、チェックする習慣が既に身についているのに、

 マンガのキャラクターを、生きている人間だと思って惚れるから。



 想像力を鍛える方法はありません。

 人間は平等ではありません。

 ただし『運の細分化』は、誰にでも実行できます。

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