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試練の洞窟その16

今回短いです。申し訳ないです。



 合体魔法とは『魔力の性質が比較的近いものがタイミングよく魔法を使うことで発動できる』魔法だ。と本にかかれていたため、俺達は放出した後の魔法を合体させる物だと勘違いしていた。


 しかしどうやら違ったようで、俺とアオイが手を重ね合わせて魔法を発動させようとした瞬間に頭の中に詠唱が浮かんできた。


 普通の魔法を発動させる分には詠唱は必要なく、予め決めておいたキーワード(大抵は魔法の名前が多いが、別のキーワードでも発動は可能)を唱えることで発動させる事ができる。


 勿論、詠唱をすることで魔法の効果は上がるので、詠唱して魔法を放つことも悪いことでは無い。······時間がかかるというデメリットもあるが。


 それに比べて合体魔法は必ず詠唱が必要になってくるようだ。


 タイミングを合わせるという意味もあるのかもしれないが、詳細は謎である。


 今度、もっと正確に調べて見る必要があるかもしれないな。


 そんなことを考えながら俺とアオイは詠唱を行う。


「「聖なる水よ! 来たりて邪悪を討ち果たしたまえ! セイクリッド・ウォーター!」」


 二人の詠唱と魔力を使って産み出された水が襲いかかってくるナナシへと向かう。


「ちっ!!」


 それに気づいたナナシは避けようとするが、流石に勢いがついた状態では止まれない。


 もろにその水を浴びてしまった。


「······? 何ともな······がぁあ!?」


 一瞬何ともなかったかのようにウィンさんの体を見つめるナナシだったが、途中で苦しみだす。


 その体にはバチバチとスパークが発生している。


「こっ、この水は······!? この小娘の体に害を与えずに私だけにダメージを与えてくるだと!?」


 セイクリッド・ウォーターは対魔特攻。


 魔に属する者だけにダメージを与える聖なる水を産み出す魔法だ。


 ······なんでそんなことがわかるのかと言うと、魔法を使用すると同時にその魔法の知識が頭の中に流れ込んできたような感じだ。


 まるで最初から使えたかのように。


「ぐっ······このまま、終わると······」


 殺気がこもったような目でこっちを見てきたので、アオイと目を合わせて頷き、


「「聖なる水よ! 来たりて邪悪を討ち果たしたまえ! セイクリッド・ウォーター!」」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!」


 ナナシが断末魔の叫び声を上げる。


 その断末魔の叫びが消えた後、ウィンさんの体は力を失い、その場に倒れた。



次回投稿は明後日······の予定です。よろしくお願いいたします

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