魔力
気がついたらブックマークとレビューをいただいておりました!
ありがとうございます!!
これからも精進して参りますのでよろしくお願いします!!
「まずは魔力についてだ。通常ならば魔力は適性職業に就いたときに目覚め始めて、そこからゆっくりと自覚していくものなのだが······今回は俺たちの手で強制的に目覚めさせる」
ウェルさんが説明を始めるが少し不安に感じてしまう。
「えっと······強制的って大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫だって! 別に強制的にしたからってデメリットは何もねぇからよ!」
不安を感じている僕の肩にイグニスさんが手を置く。
「それに······」
「······?」
言葉を止めたイグニスさんに僕は首を傾げる。
「もう終わったからな」
「えぇえーーー!!!!??」
確かにイグニスさんが肩に触れてからなんだか体の奥にもやっとしたものを感じるようになっていた。
「もしかしてこのモヤっとしているのが魔力ですか? っていうかやるならやるって言ってくださいよぉ!!」
僕の叫びもイグニスさんには軽くあしらわれただけだった。
「それじゃあ魔力が目覚めたところで次はその魔力を循環させてみようか」
「循環?」
確かに体の奥にモヤっとしたものを感じるのは感じるのだがどうやって動かせばいいのかがわからないのだ。
「それも僕たちが手助けするんですよ」
と僕の肩に手を置くレンさん。
まさか······と思う間もなく体の中のモヤモヤが体の中を蠢いているのを感じる。
正直言って少し気持ち悪い。
「ほらほら、ノエル君も自分で動かそうとしてみてください。僕ばっかり動かしてちゃ意味がないですよ?」
レンさんは簡単そうに言うが、やり方もわからずにどうすればいいというのか。
「えっと······どうやって動かせば?」
「イメージするんですよ。体の中にある紐を引っ張るようなイメージでしょうか? 少なくとも私はそれで練習しましたね」
僕の問いに答えてくれたのはシエラさんだ。
なるほど、最初からあったモヤモヤを毛玉として、身体中を動いているのはそこから引っ張られた紐って感じなのか。
僕はそのイメージを使って体の中の魔力を動かしてみる。
「おっ!?」
体の中を動く魔力のスピードが段違いに上がった。
「うーん····これは······もう僕のアシストも要らないかもしれないですね」
そう言って肩から手を離すレンさんだが、その途端にガクンと魔力を動かすスピードが落ちる。
まるで急に20キロくらいの重りをつけられたような感じだ。
「そうだな······今回はここまでにしよう。丁度ノエルの自由時間も終わりのようだ」
そう言ったウェルさんの視線の先にはこちらに向かって歩いてきている院長先生がいた
そろそろ夕食の時間のようだ。
久しぶりだからと言って少し話しすぎたかもしれない。
「これから毎日魔力を動かして体内を循環させる練習をしておくといい。魔力の操作は意外と大切なことだからな」
「それと同時に体も鍛えておけよ? いくら後衛職だって言っても最低限の体力がないとやってけないからな」
ウェルさんの言葉と同時にイグニスさんもアドバイスをしてくれる。
「はい! ありがとうございました!」
僕は帰っていく深夜の狼のメンバーに頭を下げて別れを告げてから院長先生と共に夕食へと向かった。