試練の洞窟その3
更新遅れて申し訳ないです。取り敢えずアオイの武器をノリで鏡にしたのは良いのですが、鏡の特性を生かした能力と言うものが思い付かなくて······はい、わりとこじつけみたいになってますがなんとか思い付いたので更新させて頂きました。
尚、鏡の能力はこの話では出てこない模様。
特に苦戦すること無く、第一の試練を突破した俺とアオイはそのまま道を進んでいく。
ウィンさんの偽物を倒した後休憩は必要ないのか? と一度聞いてみたが、「大丈夫」と言われてしまった。
確かに体力的な面や、魔力的なでの休憩は俺の魔法で回復できているので必要ないかもしれないが、精神的な面での回復は俺には出来ない。だから、そちらの方面で心配していたのだがアオイに休憩するつもりは無さそうだ。
·······いざとなったら俺が無理矢理にでも止め無くちゃいけないな。
確かに、時間が経つ毎にナナシの封印が解けていってナナシが強くなるのは問題だが、戦う前にアオイが参ってしまっては意味がないのだ。
「ん······多分ここ」
そんなことを考えている内に次の試練の場所に着いたみたいだ。アオイが立ち止まって呟く。
確かに先程までの細い道では無く、ウィンさんの偽者と戦った場所みたいに広間になっている。
そして、アオイの推論を裏付けるかのように再び青い欠片が集まり始める。
青い欠片が集結して取った姿は······
「俺······?」
そう、俺の姿だった。ご丁寧にもきちんと右手には魔導書も持たれている。
つまりそれが意味するところは······
「今度の試練の相手は······ノエル?」
アオイがそう呟くと同時に青い欠片が型どった俺の体を白い光が包む。
それが意味する事は······
「──ッ!! ブースト! アオイ! かわせ!」
俺の言葉と同時にアオイも白い光に包まれる。それと同時に俺の指示に従ってアオイが横っ飛びする。
次の瞬間、アオイのいた所に白い閃光が突き刺さる。まぁ、大袈裟に言ってみたが実際の所はもう一人の俺が投げた魔導書が地面に刺さっただけなのだが。
勿論次の瞬間には、魔導書はもう一人の俺の手の中に収まっている。
アオイもアオイでウォーターバレットを当てようとするが、全て回避されるか魔導書にて叩き落とされている。
「俺って······いつもあんな戦い方してるのか?」
我が事ながら客観的に見たらただの狂戦士以外の何者でもない。少なくとも正しい白魔法師の戦い方では無いのは確かだ。
それにしてもお互いに有効打が無いため、事態が膠着している。
アオイの攻撃は全て効いてないし、もう一人の俺の攻撃に関してはアオイが徹底的に回避するか、間違ってもエリアヒールの範囲内に入らないように立ち回っているため、お互いにどうしようも無いのだ。
しかし、おかしいな? あれが俺ならどうして全力行使を使わないのだろうか?
最初の白い光を見ていきなり全力行使か!? と警戒したのだが、ただのブーストだったので、なんとかアオイにも対処することが出来ている。
言い方は悪いが、まだアオイでは全力行使を発動した俺には反応できない。
······つまりはそう言うことだろうか? これはアオイの試練。だからアオイに対処することの出来ない攻撃は来ない?
確証の無い推論だが、この試練の洞窟がヤマト家の人間に試練を与えるのだと言うのなら、絶対にクリア不可能な試練など用意するはずが無いのだ。
「アオイ! 恐らくだけど全力行使は来ない!」
俺の言葉に思わずこっちを見るアオイ。それと同時に飛んできた魔導書にぶつかり吹き飛ばされる。
······しまった。戦闘中に気をそらすような事を言ったらあぁなるのは当然じゃないか。
しかし、吹き飛ばされた先から出てきたアオイは口角を釣り上げていた。
「良かった······それなら勝てる。ノエル······サポートお願い」
アオイの言葉と共にアオイの体を赤い霧が包み込む。
何だ······? こんなアオイは見たこと無いぞ?
赤い霧を纏ったアオイが水弾を放つ。勿論もう一人の俺は普通に回避したが······
「『爆』」
アオイがもう一人の俺を指差して呟くと同時に先程アオイが飛ばした水弾を中心に爆発が起きる。
勿論もう一人の俺は吹き飛ばされている。それと同時に追撃とばかりに水弾を四発放つ。
「『爆』」
次のアオイの言葉と同時に今度はもう一人の俺の周囲四ヶ所を中心に爆発が起きる。
それがトドメとなったのか、もう一人の俺が再び青い欠片へと変わっていく。
······しかし、自分が爆破されるシーンなんて見たくなかったなぁ。
アオイちゃんが最後に使った技については次回に解説が入るっぽい。