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冒険者資格剥奪されるってよ

「ふむ、どう言うことかな?」


 使者の放った言葉の衝撃から最初に立ち直ったのはノクスさんだった。使者の言葉の真意を問う。


「そのままの意味です。速やかにノエル殿には冒険者ギルド証の返還を望みます。それと、パーティーメンバーであるアオイ殿は何処にいらっしゃいますか?」


 アオイ? アオイがどうかしたのだろうか?


「彼女にも冒険者資格剥奪の命令が出ております」


「は?」


 思わず口から出てしまった言葉。しかし、疑問に思ったのは俺だけでは無かったらしく、ノクスさんも首を傾げている。


「······ノエル? どうしたの?」


 それと同時に話を終えたのだろう。ミズキさんとアオイが部屋に入ってくる。


「ふむ、アオイ殿ですね?」


「······?」


 状況もわからないままアオイが頷く。


「あなたとノエル殿には冒険者資格の剥奪命令が出ております。大人しく冒険者ギルド証のご提示をお願いします」


「ちょっと! どういう事ですか?」


 使者の言葉にアオイは目を見開き、ミズキさんが使者に詰め寄る。


「これはこれは······ミズキ・ヤマト様ですか。私は冒険者ギルドの職員をしておりますルールと申します。今回の大会の運営委員の一人と言った方が分かりやすいでしょうか?」


「それで、その運営委員とやらがどうしてこの二人の冒険者ギルド証を奪おうとしているのかしら?」


「はい。私は、本日行われた第一回戦において、が致命的なルール違反を行ったため、C級冒険者ノエルとC級冒険者アオイの冒険者資格を剥奪。同時にギルド証の剥奪を命じられました」


 ······どう言うことだ? 少なくとも俺たちはルールを破ってはいないはずだ。パッとルールを思い返してみても破ってはいないはず。


「ルール君······と言ったかな?」


 ノクスさんがルールさんに問いかける。


「何でしょうか?」


「君の受けた指令についてはわかった」


「ふむ······それで·······「しかしだ」······」


 ノクスさんの言葉にルールさんの言葉が遮られる。


「我々としても疑問に思うことが幾つかあるのでね······確認するための猶予を頂けないだろうか? なぁに、どう言った理由でノエル君たちが冒険者資格を剥奪されるのかを確認しに行くだけさ」


「どういう······?」


 その言葉にルールさんが首を傾げる。


「なに、ちょっと行ってあっちのギルドマスターにでも話を聞いてこようと思うんだよ」


 その言葉にルールさんが肩を揺らす。


「なぁに、どの道ノエル君は冒険者資格を失うのだ。別に構わんだろう? もしノエル君達が逃げることを恐れているのならば我らと共に来るとよい」


「ふむ······なるほど、一理ありますね。確かに私も違反した内容については聞いてはいませんでした。それならばご一緒させていただきましょう」


 その言葉に頷くルールさん。それと同時にノクスさんがミズキさんに何やら耳打ちをし、頷いた後部屋を出るミズキさん。


 何が起こったのかわからないまま俺たちは冒険者ギルドへと向かうことになった。

次回更新は火曜日か水曜日のどちらかになると思われます!

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