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試合終わって

またまた投稿までの時間空いて申し訳ないです。次の投稿は明日······と言いたいところですが多分明後日になると思われます!


しばらく忙しくてまた不定期になりそうですが、少なくとも一週間に3話以上は上げていきたいと考えていますので、応援よろしくお願いいたします。

「ウィンは重症を負いながらも、その後の治療により一命は取り止めた。まぁ、残念ながら試合は君達の負けになってしまったが······流石にあそこまでやっては仕方がない事だろう。しかし······いったい何があったんだ? 君には常に冷静でいるように教えたし、君も君であんなことをする奴じゃなかったはずだ」


 試合が終わりしばらく休憩を挟んだ後、治療師ギルドでノクスさんが訪ねてくる。


 治療師ギルドとしての仕事は引き継いで来たらしく「今日はもう特に仕事は無いからゆっくりと話が聞けるよ」とのことだ。ちなみにアオイは別室でミズキさんの治療を受けている。


「実は······」


 俺は試合の時にあった話をノクスさんに話し始めた。


 セバ・スチャンが、俺とアオイの持っていた魔道具は偽物で致命傷を受けても身代わり効果は発動しないこと、ウィンさんの目的が審判とグルになって事故を装い、俺たちが二度と冒険者を続けられないようにする事だった事等だ。


 勿論、セバ・スチャンさんが俺たちを焦らせるためについた嘘とも考えられるが、実際に一度アオイは致命傷を受けている。


 俺がすぐに治したために何ともなかったが、最悪の場合死に至っていただろう。


 現に俺も試合が終わってから気づいたのだが、体はとうに限界を迎えていたようで、ほんの少しとは言え過回復に近い状態にはなっていた。


「ふむ······確か君達が持っていた魔道具は······」


「はい、試合場を出る時に回収されました」


 外に出る時に審判に促されて渡してしまったのだ。


「うーん······それだと彼等がそれをしていたと言う証明はできないな······最悪、単なる誤作動と押し通される可能性もある······しかし」


 急にノクスさんが顎に手を当てて考え始める。


 どうしたのだろう?


「確かにそう考えると説明のいく点もあるな」


「説明のいく点?」


 俺の言葉にノクスさんが頷く。


「アオイ君が傷をおった場面があっただろう。あの時アオイ君がかなり大きな傷をおったため、ざわついていたのだが······よく考えたらあれはどう見ても致命傷、もしくはそれに準ずる傷······つまりは魔道具の身代わり効果が発動していないとおかしいんだ。なのに試合を中断せずにそのまま続行を許した。それにも関わらず、ウィンさんをノエル君が殴り出したらすぐに止めていた」


「つまり、審判はウィンさん達の仲間の可能性が高いって事ですか?」


 俺の言葉にノクスさんは首を振って答える。


「あくまで可能性と言うだけだね。ウィンさんは身代わりの魔道具を持っていなかったから危ないと思ってすぐに止めたと言う可能性もある······そういう目線で見たら怪しいと感じるってくらいかな?」


 ······確かに客観的な視点で見たらそういうことになるのかもしれない。いや、俺が当事者だからどうしてもこちらの目線で考えてしまうのかもしれない。


「それよりも問題は君のさっきの状態だ。さっきの君は明らかにおかしかった」


 ノクスさんの言葉に俺は頷く。


「一体どんな感じだったんだい? ······感じたこととか、後は考えていたこととか」


 俺はあの時の事を思い出すために額に指を当てて考える。


「あの時は······そう、アオイの応急手当が終わって、奴の······ナナシと幾つかの会話をかわして······奴の魔道具を叩き落とした所までは覚えています。その後は何かが自分の中から溢れてきて······気づいたら······いや、朧気にだけど自分が何をしたのかは覚えています」


 少なくとも「止めてくれ」と叫んでいたナナシの奴をボコボコにした事は覚えているのだ。


「ふむ······その様な事がどうして起こったのかは検討つかないが······アオイ君が言ってたよ。いつもは真っ白なはずの君が持っている本が真っ赤に染まっていたって」


「えっ!?」


 ノクスさんの言葉に俺は魔導書を見る。いつもと同じ真っ白······いや、


「赤いページがある······?」


 うっすらとだが、赤く変色しているページがあった。


 そこを開いてみると、真っ白だったはずのページに文字が新しく追加されていた。見出しには


『怒りの章』


 とかかれている。

 

「怒りの······章?」


 そう言えばあの時の俺はアオイを傷つけたナナシに向かって怒っていたが、それと関係あるのだろうか?


 取り敢えず一ページ目は見出しだけのようなので、ページをめくって裏を確認する。


『怒り、それは我を忘れさせ、全てを破壊する破滅への使者。故に怒りに囚われることの無きように注意せよ。心囚われし時、其は自らが滅びる時まで目の前にあるものを破滅する悪鬼と化す』


 

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