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「なぁ、そう言えばノエルは適性職業何にしたんだ?」


 孤児院に戻って直ぐにマーカスに一番聞いてほしくないことを聞かれる。


「緑魔法師かな? ノエルが緑魔法師なら俺たち4人でパーティー組んでもバランス良いしな。まぁ、適性があればの話だが」


 アインも僕と同じような事を考えていたようだ。


 ちなみにキープは無言。


「えっと····僕の適性は一つしか無かったんだ。だから仕方なくそれにしたよ」


 その言葉でアインは薄々察したのか可哀想な人を見るような目になり、キープは更に無言。しかしマーカスはそれでわからなかったのか。


「んで? 結局何になったんだ?」


 と訪ねてきた。


 流石にこれで答えないのも問題かと思った僕はマーカスの質問に答える。


「白魔法師」


 その言葉にマーカスが何かを察したような顔になる。


「えーっと····それじゃ冒険者になるのは無理なのか」


 しかしマーカスの問いに僕は首を振る。


「いや、何が何でも冒険者にはなる。僕は諦めないよ」


 しかし僕の言葉を聞いたマーカスはこちらをチラリと見ると


「そーかよ····行こうぜキープ、アイン」


 と二人を連れて行ってしまった。


 いきなりのマーカスの豹変具合に僕は首を傾げながらもその日はもう寝る時間だったため、部屋に戻った。


 マーカスはまだ戻ってきていなかったため、一人で先に寝た。


 僕が異変に気づいたのは次の日からだった。


 何時もの自由時間になり、いつも通りマーカス達の所に行こうと思ったらもうすでにマーカス達の鬼ごっこは始まっていた。


 しかも4人でだ。


 昨日まで僕がいた所には代わりにノノが入っていた。


 何となく嫌な予感を感じながらもマーカス達に声をかける。


「ねぇマーカス。僕もいれてよ」


 いつもならここで僕を加えて鬼ごっこの再開だ。


 しかし今日は


「失せろよ雑魚が。俺たちは冒険者になるために頑張ってるんだ。冒険者の才能もねぇ奴に構っている暇はねぇ」


 と突き飛ばされた。


「へ?」


 何がなんだかわからなかった。


「俺たちが今までお前と遊んでいたのはお前がS級冒険者パーティーである深夜の狼の知り合いだって聞いたからだ! お前と一緒にパーティーを組んでいたらいつか深夜の狼に色々と教えてもらえるかも知れねぇ······そう思っていたけどお前が白魔法師なら話は別だ。もうお前と仲良くする必要なんてこれっぽっちもないんだよ······流石の深夜の狼も白魔法師のお前なんかになにか教えるようなことはないだろうからな」


 そう言うとマーカスは遊びの輪に戻っていく。


 マーカスに言われて改めて周りを見回すと辺りにいる冒険者志望の孤児は皆4人1組でいることがすぐにわかった。


 マーカスのグループにいたときは気づかなかったが皆この孤児院を出てから冒険者になったときのためにもうパーティーメンバーを探していたのだ。


 そうと気づかずに僕はマーカス達とただ遊んでいただけだったためパーティーメンバー候補はいない。


 しかも、他の組に声をかけようにも近づいただけで拒絶されているかのような雰囲気を出されては近づくこともできなかった。

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