ノエル&アオイVs.ウィン・ヤマト&セバ・スチャン4
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします!
年が明けてから色々と忙しく更新できなくて申し訳ないです!
本日から(と言いつつ明日は更新ができないのですが······)再び更新再開していこうと考えておりますので、よろしくお願いいたします
~時は少し遡り、ノエル視点~
「それにしても災難な物ですね······ウィン様に目をつけられるとは······」
「どういう······ことだ!」
戦いながら軽口を飛ばしてくるセバ・スチャンに俺は魔導書を投擲しながら訪ねる。
「おおっと! 本は投げる物では無いでしょうに······と言うよりも武器を投げ捨ててしまってよろしかったのですか······ふべっ!?」
『ゴンっ』という音と共にセバ・スチャンの顔面に魔導書がめり込む。
勿論投した後『アポート』で回収した魔導書を再び投擲しただけだ。
「いつつ······これホントに本ですか? かなり固いのですが······と言うよりも投擲する時に広がらないなんて······やはりそれは本の形に作られた鈍器か何かなんですね?」
「どうでも良いだろ? それより災難ってどういう事だよ?」
時間稼ぎの嘘という可能性も高かったが、俺の本能とか第六勘とかそんな感じのものが、聞いておかなければいけないと警告を発していた。
「ふむ······それではお話しましょうか。あなたはこれが何かおわかりですかな?」
そう言って自分の執事服の胸ポケットから円形のワッペンを取り出すセバ・スチャン。
それは試合開始前に渡された魔道具で、ルールにもあった身代わり用の物だ。勿論俺も受け取っている。
「身代わり用の魔道具だろ? 今更それがどうした?」
「ふむ、正解でございます。私もウィン様も受け取っている物ですな······ではノエル殿やアオイ殿が受け取ったものはどうですかな?」
「は? そんなのとう···ぜ······ん······まさか!?」
俺はある可能性に至ってアオイの方を見る。
アオイの方はどうやらアオイ優勢で進んでいるようで、一先ずは問題なさそうだ。
「油断大敵ですな」
「がっ!」
しかし、意識をアオイの方に反らした俺へとセバ・スチャンの蹴りが炸裂する。
「ちなみに先程の言葉に一言加えるとすれば、この試合をしている審判もこちら側······という言葉を付け加えるべきですかな?」
その言葉に俺は今のこの状況を把握する。
つまりは、俺とアオイに渡された物は魔道具でも何でも無く、俺たちは致命傷を受ける=死ぬことになる可能性もあると言うことだ。
だが、わからないのはそんなことをするメリットだ。
この大会のルールでは相手を死傷させた者はよっぽどの理由がない限りは冒険者としての生命を絶たれる。ここで俺かアオイ、もしくはその両方を殺すことが出来たとして、流石に魔道具の不備を理由に言い逃れなんて出来るわけが無い。
そんなことをすれば今この試合を見ている冒険者達から反感を覚えるだろうし、あのルールは魔道具に不備があった場合や、魔道具の効果が切れた後の連撃を想定して作られているように感じるからだ。
「どういうつもりだ?」
「ふむ、恐らくあなたはこう考えているのでしょう。『いくら審判が味方だからと言って、俺達を殺してしまえば冒険者資格の剥奪は間違いが無いはずなのに、魔道具をすり替える意味がわからない』と······ええ、その通りでございます。あなたの考える通り、殺してしまえば私とウィン様は冒険者資格を剥奪されること間違い無しでしょう。」
ならば尚更意味がわからない。こんなことをするメリットが思い浮かばないのだ。
しかし、その疑問の答えも直ぐにセバ・スチャンが教えてくれた。
「では、殺さなければ? いかにあなたが優秀な白魔法師と言えど、手足の一本でも奪えば冒険者を続けることは出来ないでしょう?」
「まさか······」
「実はあの魔道具は『一定以上の傷に対する身代わり効果』を持っているのでね。手足の一本でも奪おうと思えばその効果が邪魔になるのですよ。ウィン様はこう仰せられました。『家を出た者がヤマト家の名前を使って冒険者をするなんて······許せないわよね?』と······だからあなたにはなんの罪も無いのですが、巻き込まれていただきま······ガッ!?」
言葉の途中でいきなりセバ・スチャンの言葉が止まり、セバ・スチャンが光の膜に包まれる。
「なんだ······?」
「······ウィン······様!?」
見ると、セバ・スチャンを包んでいる光の膜に風の刃が刺さっていた。
俺はアオイの方を確認する。アオイはまだ健在だったが、それを確認すると同時に幾つかの風の刃が飛来する。
俺はそれを何とか回避しながらアオイの元に急いだ。
知り得た事実をアオイに伝えるのと、いきなりこちら側へと飛んできた風の刃の原因を確かめるために。




