ノエル&アオイVs.ウィン・ヤマト&セバ・スチャン1
昨日は更新できなくて申し訳ないです。
一応毎日更新を目指しておりますが、どうしても年末年始は忙しいため、不定期になりがちとなっております。
また、作者も少しだけ体調を崩しおります。
皆様も体調にはお気をつけください。
ウィンさんが去ってからしばらくミズキさんと話をして、開会式へと向かう。
開会式では「冒険者としての規律を守り、全力と相手への尊敬の心を持って戦うように」とか何とか言っていたが······某ウィンさん達二名はきちんと理解しているのだろうか? いや、まぁ理解していたらこんなことはしないのだろうけど。
そんな事を考えている内に開会式も無事に終わり、俺とアオイ、ウィンさんとセバさん以外は観戦席へと移動する。
「それでは一回戦を始めます。ウィン・ヤマト様とセバ・スチャン対ノエル、アオイ。両者間違いありませんか?」
四人とも審判に向かって頷く。
······しかし、ウィンさんだけ様付けかぁ。
······一応偉い人だから敬称をつけたとかそういう理由なら良いんだけど。
「それではお互いに悔いの残らぬように······始め!」
その言葉と共に審判が一歩後ろに下がる。
「先手必勝!」
その言葉と共に風の刃が飛んでくる。俺とアオイはそれぞれ左右に別れて回避した。
「セバ・スチャン! 貴方はあの冴えないクソガキをやりなさい! 私は少しお人形で遊んでくるから」
「はっ! 仰せのままに!」
相手方も二手に別れて此方へと向かってくる。
ご丁寧に俺とアオイが合流できないように風の刃で牽制しながらだ。
「アオイ······大丈夫か?」
「······ん」
俺の言葉にアオイが頷く。
「なら、こっちも二手に別れよう」
「ん······あっちは任せた」
今度はアオイの言葉に俺が頷いた。
俺達は最後にもう一度頷きあってそれぞれの敵と向かい合った。
「おやおや、貴方はそれでも男ですか? 仲間の女性を助けにいかないなんて」
俺の所にたどり着いたセバ・スチャンが俺に声をかけてくる。
「そっちこそ、敬愛するご主人様の側に控えてなくて良いのかよっと!」
お互いにブーストをかけて睨み合う。正直相手の出方がわからない。アオイからウィンさんの戦い方については聞いていたが、セバ・スチャンさんの戦い方については全く知らなかったからだ。
「おやおや、早く私を倒してアオイさんの手助けに入らなくても良いのですか? こうしている今もアオイさんはウィン様によって攻撃されているかも知れないのに?」
それもそうだ。アオイがそう簡単に負けるとは思えないが、昨日の様子を考えると少しだけ不安がある。
こうして睨み合っていても仕方がないのだし、この試合で死ぬわけでは無いのだ。
そう考えれば少しくらい大胆に攻めても問題ないだろう。
俺は一応カウンターを警戒しながら拳で相手を攻撃する。
「──ッ!?」
セバ・スチャンさんは何か理解できないような物でも見たように目を見開くと、ギリギリで攻撃をかわし、そのままカウンターで蹴りを放ってくる。
しかし、カウンターを警戒していた俺はその蹴りを簡単にかわすことができ、体勢が崩れた所を魔導書でぶん殴った。
その途端に何故か会場がざわめき始めるが、俺にはその理由がわからなかった。
······まぁ、その理由は直ぐにセバ・スチャンさんによってわかったのだが······
「貴方! 魔導書を持ってるから遠距離からの補助要員かと思いきや近距離で戦うタイプだったのですか!? しかも魔導書で人を殴るとは······」
あっ、そう言うことか······一応学校でもクラス替え直後とかは言われてたけど、皆もすっかり馴れたのか突っ込んで来なくなったため忘れていた。
そう言えば魔導書で人を殴るのはおかしいことだったんだね。