アオイの告白
感想にて意見を頂きまして、前3話位にかけて大幅に改稿しております!
時間が無かった関係もあり、矛盾点等が発生しているかもしれませんので、発見された方は感想にてご指摘頂けるとありがたいです。
「ノエル······夜、私の部屋に来て」
唐突にそんな事を同年齢の女の子に言われれば緊張の一つでもするのが年頃の男と言う物なのだろうが、俺に関して言えばそんなことは全く無かった。
と言うのも確かに宿の時は一人一部屋取るが、野営等の時は基本的にテント一つで全員まとめて寝泊まりしてたのだ。
最初の頃は少しばかり緊張していたが、今ではもう慣れてしまい、たかが部屋に行くくらいで緊張することも無かった。
「······ノエルに聞いて欲しい話がある」
俺が部屋に入ると同時にアオイが話を始める。
「ノエルはヤマト家って知ってる?」
「ヤマト家? いや······知らな······ん? もしかしてヤマトさんの実家の事か?」
記憶に無かったため、知らないと言いかけたが、そう言えば今日ヤマトと言う性を持つ人と出会っていたことを思い出す。
「そう、そのミズキ・ヤマトさんの実家であり······私の実家でもある家。強い冒険者を多数排出していることで有名な家」
「へぇ······って事は、ミズキさんとアオイって姉妹だったの!?」
俺の言葉にアオイが頷く。そう言われてみれば何処と無く似ているような気がしないでも無いな······
「ん? でもどうしてそんな有名な家の人が冒険者養成学校に?」
言っては悪いが、冒険者養成学校は入ろうと思えば誰でも入れる学校なため、そこまでレベルが高いわけではない。実際にノエルも講義で学ぶと言うよりも図書室の本を読んで学んでいたのだから。
そこまで有名な冒険者の家ならば家族が教えるか、それが無理でも冒険者を雇って個人的に教えてもらった方が何倍もためになるだろう。
「私はその中でも一番才能が無かった。青魔法師としての適性はミズキ姉さんにも負けてはいないどころか私の方が少し高いくらいのはずだったのに、私にはその高い適性を使いこなす才能が無かった」
アオイがほとんど叫ぶような声で言う。
「そのせいで私はミズキ姉さん以外の兄妹に苛められてたの。父さんも母さんも私の事をできそこないとして扱った」
「アオイ······」
思いの外重い話でどうしたらいいのかわからなかった。
「まぁ、冒険者養成学校に通っていたのは家に頼らず一人でも生きていく力を身に付けるためなんだけど」
それなら今更アオイが家族の人に会うのは辛いだろう。折角ミズキさんからパーティーどの連携なんかも見てくれると言う話をもらっていたけど、苛めてくる家族から離れたのに俺の都合だけでアオイを辛い目に合わせる必要なんて無いのだ。
「そう言うことなら明日ミズキさんには俺から······」
しかし、俺の言葉に対してアオイは首を横に振る。
「大丈夫。言ってなかったけど、ミズキ姉さんだけは私に良くしてくれてたから······それに、何も言わずに家出してしまったのを謝るいい機会」
「そっか······それじゃあまた明日」
「······ん」
俺はアオイに就寝を告げるとアオイの部屋を後にした。
申し訳ないです!本日はもっとかく予定だったのですが、時間の関係上ここまでとなります!
明日はもっとゆっくりかければいいんですが······