第2章エピローグ
タイトル通り今回で第2章は終わりです。
「ふぅ······何とかなったか······」
「すまねぇな······下手打っちまった。まさかノエルの野郎があそこまでやるとは·······」
ノエルの野郎に負けて囚われていた俺は助けてくれた二人である強欲と憤怒に礼を告げる。
「そんなことは良いのだ。我々は数少ない同士なのだし、お前もまだ力を使いこなせていないだけ······これから強くなればいい。それに今日は他の収穫もあったしな」
「他の収穫?」
俺の呟きに強欲が頷く。
「あぁ、もう一人『大罪の魔炎』の適合者を見つけた。まさか人間の中に3人も見つかるとは思わなかったぞ」
「『大罪の魔炎』の適合者ねぇ······ということはもう一人仲間が増えるって事か?」
俺の問いに答えたのは強欲ではなく憤怒だった。
「いや、アイツはまだ無理だろう」
「ん? まだ? どう言うことだ?」
俺が首を捻っていると強欲がその問いに答えてくれた。
「奴はまだ、俺達みたいに力を欲している訳ではないからだ······どんな理由であれ力を欲しなければ魔炎を目覚めさせる事もできん」
「まぁ、それも今日の一件で案外目覚めちまうかも知れねぇけどな。力の差を見せつけるために敢えて殺さないレベルで圧倒してやったんだから······っとそんなことよりさっさと行こうぜ! チンタラしてるとS級の奴らが俺たちに追い付いちまう」
俺達は憤怒の言葉に頷くとその場を後にした。
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「学校って確か······!?」
ウェルさん達深夜の狼がレオを預けに行っていたはずだ。
ウェルさん達は無事なのだろうか?
「うっ······俺は一体······?」
「テツ!? 目を覚ましたか」
考え事をしている内にテツが目を覚ましたようだ。そんなテツに皆が状況説明をする。
「そんな事が······すまないな、皆の盾でなくてはならない俺が真っ先に倒れてしまうとは······」
「いや、あれがテツじゃなかったら最悪死んでた可能性があったんだ······テツが生きててくれてホントに良かったよ」
落ち込むテツをレッカが慰める。そして、テツがある程度落ち着いたところで
「皆、今から学校の様子を見に行こう!」
正直ウェルさん達なら無事だとは思うけど何があったのかの確認や被害によっては俺も手伝えることがあるだろう。
最近戦闘しかしていないから忘れそうになるが、俺は回復と支援が主体の白魔法師なのだ。怪我の治療などで役に立てるはずだ。
皆が頷いたことを確認して俺は学校の方へと走り出した。
結局のところ、深夜の狼メンバーは全員無事だったが、今回の学校ダンジョンの氾濫により先生、生徒含めて350人の犠牲者と100人を越える行方不明者が発生し、学校もしばらくは運営できない状態になった。
勿論学校ダンジョンのダンジョンコアも破壊することが決定され、今在籍しているなかで生き残っている生徒達は仮卒業扱いとされる。
今はまだ目処がたっていないが、いずれ冒険者養成学校が再開したときには、再び試験無しで元習ったところから編入が可能になり、そこで過程を全てこなせば仮が取れて通常の卒業扱いとなるのだ。
ちなみにこの仮卒業は持っていれば正式に冒険者登録をする際に普段なら町中での雑用がメインとなるG級からの所をE級からスタートできるらしい。ちなみに仮がとれていたら最初から一人前のD級スタートだ。
深夜の狼の皆は再びダンジョン攻略へと向かって出発し、テツは校外学習の時に言っていた様に一度故郷に帰らないといけないらしい。何やら気になることがあるので、それも調べたいとの事だ。
レッカとニナも一度それぞれの故郷に帰って力をつけたいと言うことらしく、帰省するそうだ。
「今回の事で俺には足りないものが多すぎることがわかったからな······また一から鍛え直すことにするぜ」
だそうだ。
アオイは特に帰省などもする予定が無いので、俺に付き合って冒険者として依頼を一緒にこなしてくれるらしい。ただ、依頼の難易度によっては臨時でパーティーを組む必要があるだろう。
「じゃあ、皆強くなって学校で会おう」
こう約束して俺達はのパーティーは一度解散した。
ちょっと無理矢理感がありますが、今回で第2章は終了です。次回更新は······ちょっと3章の構成とか改めて考えたいので少々お時間頂くかもです·····