学校ダンジョンの氾濫その8
今回からノエル君視点に戻っております。
俺がパーティーの皆と合流したのはレオを倒してから数時間後の事だった。
レオの事を引き渡すのは深夜の狼の方でやるから、俺は皆の所に顔を出しに行った方が良い。と言われたので、俺と深夜の狼の皆は今別れて行動しているのだ。
そんな中で皆を見つけたのは良いが、皆よっぽど疲れたのか座り込んでいる。テツに至っては気絶しているようだ。
「皆、大丈夫?」
「······ノエルか? まぁ、見ての通りかなりクタクタだけどなんとか生きてるよ」
「ん······今回は流石に疲れた」
普段は疲れても顔には出さないアオイまでもが疲れた顔をしている。
「何があったんだ?」
皆の普通では考えられないような疲れようが気になって聞いてみる。
「実は黒い炎を使う奴に襲われてな······」
「恐ろしい奴だったにゃ······」
「······私たちの攻撃でダメージは入っているはずなのに倒せる気がしなかった」
「黒い炎だって!?」
黒い炎と言えばレオが使っていた炎──確か暴食の魔炎とか言ってたっけ?──も黒い炎だったな······
「そう言えば······ノエル。一つ聞いても良い?」
「ん? どうしたんだ? アオイ」
深夜の狼の皆が連れていったレオの事を考えていた俺にアオイが問いかける。
「そいつがノエルの事を知ってたんだけど、ノエルは黒い炎を使う知り合いなんている?」
「えっ!?」
どう言うことだ? アオイを襲った奴が俺の名前を知っていただって!? 少なくとも黒い炎なんて今日初めて見たんだからそんな知り合いが俺にいるはずもない。
······はずだ。
ここで無いと断言できないのは、レオの件があるからだ。少なくとも俺はレオがあんな炎を使えることもS級並みの戦闘力を持っていたのも知らなかった。
「一応俺も黒い炎を使う奴には襲われたんだけど······」
「······襲われたんだけど?」
ここで一瞬躊躇ってしまう。これは本当に言っても良いことなのかわからなかったのだ。
しかし、ここまで言ってしまった以上、「やっぱり話さない」じゃあ皆納得しないだろう。
俺は覚悟を決めて、これを口に出す。
「俺を襲ってきたのはレオだったんだ。」
「······レオ? ·······レオ? ·······レオ!?」
哀れレオ。アオイに存在を忘れられていたようだ。
「しかも本当かどうかはわからなかったけど、本人曰く、S級の魔物並みの戦闘力を持っているって言ってたよ。俺は全力行使を使ったから勝てたけど、皆はどうやって勝ったんだ?」
「「「······」」」
しかし、俺の質問に皆口を閉ざした。
あれ? そんなに答えにくい質問だったかな?
「······俺達はアイツに勝てなかったんだ。」
「どちらかと言うと見逃して貰えたって感じにゃあ」
「······暴食がどうのこうのとか言ってた」
しまった······これは聞くべきことじゃなかったかも?
そんなことを考えていると······
ドガーン!!!
いきなり何かの爆発音が響き渡る。
「なんだ!?」
「魔物は全て倒したんじゃなかったのか!?」
周りの人がざわめき始める中、ニナがいち早く爆発音の原因を見つける。
「あそこにゃ!」
ニナが指差したのは学校の建物だ。
いや、正確には建物だった······か。
何故なら学校は、今現在も俺達が見ている丁度目の前でその形を崩していっているのだから。
投稿遅くなってすみません!
なんだか最近かなりグダグダになっているかも······?
もしかしたら2章終わった後しばらく3章の練り直しのためにお時間頂くかも知れないです。
次回更新は明後日の予定です。
明後日更新できなかった場合は······日曜日かな?