学校ダンジョンの氾濫その7
皆さんお待たせ致しました!
「フレイムバースト!」
「アクアバレット」
「にゃっ!」
俺達3人の攻撃は徐々にだが、奴に傷を負わせていっている。
「ウジ虫ドモが······」
「なぁ······ニナ」
「なんにゃ?」
俺は隣に戻って来たニナに気になったことを聞いてみる。
「さっきからアイツの攻撃······威力上がって無いか?」
「気のせいにゃ······と言いたいところだけど明らかに上がってるにゃ」
······やはり先程感じた違和感は間違いではなかったらしい。
「チッ! 余所見してんじゃねぇぞ!」
奴が此方に向かって飛ばしてくる黒炎を俺とニナは二手に別れて回避する。
「フレイムバースト!」
「ウィンドエッジにゃ!」
俺のフレイムバーストは奴の炎で防がれるが、ニナのウィンドエッジが背後から奴を襲う。
しかし、ニナの一撃は相性の問題なのか奴に致命傷を与えることが出来ない。
「はっ······こう言う時にノエルの事が羨ましくなってくるぜ」
属性の有利とか不利とか······下手したら相手との力量差も関係無しに相手に傷を負わせる事が出来るノエルの攻撃は本当に凄いと思う。
もしここにノエルが居てくれたら······
さっきから何度も思っている事だが今ここにノエルはいないのだ。そんなことを考えても意味はないだろう。
そんなことを考えている暇があるなら一発でも多く奴に銃弾をぶちこんでいる方が遥かに生産的だ。
俺はノエルみたいに色々と考えれるほど頭がいいわけじゃ無いからな。
「チッ! このままじゃ何時までたっても終わりゃしねぇな」
奴がボソッと呟く。
その瞬間に奴の体から黒炎が吹き上がる。
「なっ·······!?」
その炎を見た俺は一瞬で確信してしまった。
あの炎は耐性とか関係無く全ての物を焼き尽くすだろうと······
「そこまでだよ······憤怒」
しかし、その炎は何処からともなく声が聞こえた瞬間に縮んでいった。
「あそこにゃ!」
ニナが指さす方を見るといつの間にか奴の後ろに新しく一人の男が立っていた。
「どう言うことだ? 強欲」
「暴食が捕まった······新顔だから仕方ないとは言えまだ三人しかいない適合者の一人だ······このまま放置するのは流石に気分が悪い。それにS級の奴らが思いの外早く参戦しだした。今の俺達が全力を出してもS級にはまだ勝てないだろう?」
「チッ! 仕方ねぇか······チンタラやってS級に乱入されるのは勘弁だ」
そう言って襲ってきた奴は元来た道を引き返して行った。
いつの間にかさっきまで話していた男もいなくなっている。
それを確認した俺達はテツを背負ってその場を後にしたのだった。
今日の更新は以上です!
次回更新は······明日です(多分)