学校ダンジョンの氾濫その3
本日の投稿は一話のみです。申し訳ないです
その代わり今日、明日、明後日と3日連続で投稿します!
「深夜の狼だと······? 何であんた達がここに······」
「なぁに······依頼はまだ終わってはいなかったんだが一応依頼で区切った3年がたったのでな······一度報告の為に王都に戻ってきたのだ」
「そしたら冒険者養成学校のダンジョンが氾濫してるから応援に行ってくれってギルマスには頼まれるし、来たら来たでレンがノエルの魔力を感知して走り出すし······まぁ、そのお陰で元凶らしきお前を見つけることが出来たんだけどな」
レオの問いにウェルさんと(珍しく真剣な)イグニスさんが答える。
「ちぃ······! ワザワザご苦労なこった! だが、いくらS級の冒険者と言えど、この数を捌きながらコイツらを相手にすることはできまい!」
そう言ってレオが手を上げると洞窟から更に魔物が溢れ出てきた。
その魔物達と合わせて先程のA-級の魔物達も襲いかかってくる。
─この数じゃいくら皆でも!─そう思ってウェルさんの方をチラリと見るが、ウェルさんに焦った様子は見られなかった。
「僕らを舐めすぎですよ······」
レンさんが呟くと同時に戦闘を走っていたA-級の魔物達の首が全て飛ぶ。
「は······?」
レオが唖然とした顔をするが、その間にも魔物の首がポンポン飛び続ける。
「何故だ!何故そんなに簡単に殺すことが出来る!いくらあんたらがS級の冒険者とは言えこちらの魔物はその一段階下のA-級の魔物だぞ! 苦戦もせずに瞬殺なんて······あり得ねぇ!」
「ふむ、あなたは自分の目で見た物を信じることができないのですか? ······まぁ、それは兎も角として一つ勘違いをしているようですので訂正して差し上げましょう······確かに冒険者の階級は、基本的に倒せる魔物に応じた階級を与えられています。では、その階級の基準とは何なのか? それは知ってますか?」
魔物の階級······? その倒せる魔物の強さじゃないのか?
レオもそう思ったのか
「倒せる魔物の強さじゃないのか?」
と、シエラさんの問いに答える。
「では、その倒せる魔物の強さの基準は?」
「············」
レオがわからないようで考え込む。勿論俺にもわからない。
よく考えて見れば今までその基準なんて考えたこともなかった。第一、平均的な実力を持ったパーティーが倒せるレベルと言うのも、平均と言うのがどのレベルを指すのかすら抽象的でわからないのだ。
「······まぁ、実際には基準なんて物はありません。たまに普通のスライムの中にオークを倒す個体が存在していたりもしますしね」
「なら何でそんなことを聞いた?」
レオの質問ももっともかもしれない。
「まぁ、取り敢えず魔物の強さの基準は酷く曖昧な物だと覚えていていただければ······つまり冒険者の階級の基準ですが、これは酷く曖昧です······そして、上限がS級です」
「それくらい常識だろうが!」
「えぇ、つまり私たちがどれだけ強かろうとS級以上の位はありません······例え私達が単独でS級の魔物を3体同時に相手取っても勝てるくらいに強くとも······そして、態々時間稼ぎに付き合ってくださりありがとうございました」
その言葉にレオが目を見開き、逃げようとするが、もうその時には既にウェルさんとイグニスさんとシエラさんの三人でレオを囲んで、逃げられなくしていた。イグニスさんは銃をレオに向けている。
「さてと······ここで何をやっていたのか、そしてどうして人の身で魔物を操ることが出来たのか······全て話してもらおう」
レオが辺りを見渡す。どこかに逃げる隙でも無いか探しているのだろう。
しかし、逃げられないと悟るや
「クッククク······クハハハハ! 仕方ない······しかたねぇよなぁ! このままじゃあ冒険者養成学校を潰すどころじゃねぇし······S級メンバー4人相手となると俺もあの方に頂いた最強の力を使わねぇと直ぐにやられちまう······見やがれ! これが俺が新たに手にいれた最強の······『タァン』······え······?」
バタリ
最後まで力を解放すること無くイグニスさんの銃に撃ち抜かれてレオは倒れた。
「態々パワーアップを待ってやるわけねぇだろうが······」
イグニスさんがそう呟いて銃をホルスターに戻した。
しかし、倒れたレオはまだ生きていたのか
「まだだ······まだ終わらせねぇ······」
と呟くと、ゆっくりと立ち上がった。
一度悪役よりも悪役な味方を書いてみたかったんですよね······
イグニスさんはキャラ崩壊してる気がするかもですが······作者のイメージが「普段はふざけているのに必要な時は何処までも真剣になるって言うキャラクター」だったので、今回でそれを表現できていたらなぁと思います。
今回空気だった主人公は明日から本気だすので······多分······きっと······恐らくは
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