学校ダンジョンの氾濫その1
「学校ダンジョンの······氾濫だって──!?」
どうしてそんな事が起こりうるんだ!?
学校ダンジョンは定期的に多数の冒険者が依頼で魔物を狩りに来ていたはずだ。つまり中の魔物が増えすぎて氾濫を起こすとは考えにくい······いや、今はそんな事考えても仕方がないか
とにかく今は出来ることをしないと······
「皆さん! 誠に信じがたい事ですが、学校のダンジョンが氾濫を起こしたようです! これからは各班毎にリーダーの指示に従って行動してください! 皆さんは見習いとは言え冒険者の一員です! この時に成すべき事を成しなさい! しかし、一番重要なのは自分の命を守ることです! なので、命の危険を感じたときには自分達の判断で逃げなさい! 私はダンジョンの方へと向かいます!」
そう言うが否や、先生はダンジョンの方へと走り出した。
「俺達は二手に別れよう。俺のあれは皆をも巻き込んでしまうからな······俺がいない間の指示はテツに頼んだ!」
「わかった! だが、死ぬなよ······ノエル」
俺はテツに頷いて駆ける。
しばらく走っているとゴブリンに遭遇したが今の俺なら魔導書の一振り······いや、一投げ? で形がつくため、瞬殺していく。
本来ならダンジョンの外のため死体も処理しなくてはならないのだが、今はそんなことをしている暇も無いだろう。
俺はそのままゴブリンの死体を放置して走る。
今度出てきたのはコボルトの群れだ。
これも一体ずつ魔導書でぶん殴って撲殺する。
あれ? 魔導書ってこんな使い方をするものだっけ? などと突っ込んではいけない。突っ込むなら魔物の群れの中にだ······そう、正に今俺がミノタウロスの大群の中に突っ込んだように。
「過回復!!」
俺の魔法により、過回復が発生して爆散していくミノタウロス達。
それと同時に魔導書が白く発光した。しかし、魔導書の事をよく見ていなかった俺は気づかない。
「──ん?」
魔物を倒しながら走っていた俺は、魔物が二つの方向から来ていることに気がついた。
一つ目は勿論学校ダンジョンの方角だが、もう一つは学校の外れ······
嫌な予感がするな······
俺は一度学校ダンジョンの方を見てからもう片方の魔物が来ている方向に向かう。
襲い来る魔物を倒しながら進むとそこには······
「おい! ちょっと待てよ······何でお前がここにいる······しかも周りの奴等は一体······」
「あん? 誰かきやがったのか······クハハ! 丁度良いぜ! 魔物に殺されて終わると思ってたんだがここに来てくれるなんてよ! お陰で俺様の手できちんと終わらせることが出来る!」
俺が知らない複数の魔物を従えているように見えるレオの姿があった。
さてと、ようやく復讐フラグ回収です。
今日はまだ投稿する予定なので、ご期待ください!!