校外学習その1
実は今回から学校編のまとめに入ろうと思っていたのですが、読み返していて「そう言えば校外学習について話は出していたのに一回もやってねぇ!?」と気づいて急遽校外学習編を入れることにしました。急に入れたせいで考えるのに使えた時間もそこまで長くなく、読みにくいかもしれないですが、楽しく読んでいただけるとありがたいです。
ダンジョンで一人の冒険者がその命を散らした頃、俺たちは校外学習のために王都の外にある森に来ていた。
『校外学習』
それはダンジョン以外での活動について学ぶための実習の一環であり、ダンジョン内と『郊外』と呼ばれる町の外の魔物が現れる場所の違いを学んだり、郊外での活動に必要だと思われる知識や経験を得るための実習。
ちなみに今まで行ってきた校外学習の中では、魔物の死体の処理の仕方の実習が一番興味深かった。
何せ魔物を倒して暫くすれば、自動的に魔物の死体の処理を行ってくれるダンジョン内とは違って、ダンジョン外では火で燃やし尽くしたり、バラバラにして土に埋めたりしなければ疫病の原因になったり、アンデッドとして復活したりするからだ。
アンデッドは魔石を持たない魔物で、どうして動いているのか、人を襲うのかもわからない。
魔石を持っていないため、売った魔石が収入の大部分を占める冒険者には不人気の相手だ。
それはそうと、今回の校外学習の内容は簡単に言えば『隠れ鬼』だ。
森の中にクラス一つ丸々投げ込まれて、その中でお互いに襲い合う。
期間は二日間。その間の食料は各自で用意し、希望者はテントなどの道具が一式揃った『野営セット』のレンタルも可能だ。
また、攻撃方法には攻撃した部分からペンキが出る仕組みになっている剣と、ペイントボールを用いて攻撃する。
このペンキの色は各班毎に異なり、被弾した数と被弾させた数の総合で今回の点数が付けられるらしい。二日より先に森から脱出した者がいる班は失格となりゼロ点となる。
ちなみに俺たちの班の色は赤で、やけにレッカが喜んでいた。
「さてと······皆、準備はいい?」
俺の言葉に皆が頷く。
実は半年くらい前から俺がこのパーティー朝焼けの空のリーダーをしている。
半年前に18階層のボスに挑んだ後テツが
「今回のボス戦は何とか勝てたが、どうやら俺はあまり考えて動いたり指示を出すと言うのが得意ではないらしい······それなら後方で皆に指示を出しやすいノエルがリーダーを務めた方が良いと思うのだ······その方が俺も皆の盾としての役割を果たしやすい」
と言い出し、皆が賛成したため、止める間も無く俺がリーダーになってしまったのだ。
それからも色々な事があったのだが······
今は今回の校外学習について考えるべきだろう。
「じゃあ······行こうか」
俺たちは薄暗い森の中に身を投じた。
次回更新は申し訳ないですが少しこの校外学習編について練りたいのと、この話を入れたことによる話の捻れをどうにかするために少しお時間いただくかもです。
可能ならば火曜日、遅くても水曜日には更新する予定です!
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