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深夜の狼

「ん?」


 いつの間に寝てしまったのか僕は今目を覚ました。


 しばらく何があったのか思い出せずにボーッとしていたが順番に思い出していくと思わず。


「あれ?」


 という言葉が口から出てしまった。


 というのも僕が覚えている最後の記憶が魔物に囲まれた所で終わっているからだ。


 そんな状況で終わっているのに目が覚めたのはベットの上だ。


 つまりもう僕は死んでしまっているのか昨日のあれが夢だったのかどっちかである。


 とりあえずほっぺをつねって確認。


「いてっ!」


······痛みを感じる。


 流石に死んでまで痛みを感じるとは思えないから昨日のあれが夢だったって事だろう。


 まぁ流石にダンジョンの氾濫なんてそうそう起きるわけもないのだ。


 おそらく昨日はノムおばさんとお父さんがダンジョンの氾濫について話していたから怖くなってあんな夢を見たのだろう。


 そんなことを考えていると扉をノックする音が聞こえて一人の男の人が部屋に入ってくる。


「おや? 起きていたのか少年」


 知らない男の人だ。


「あの······あなたは? それにお父さんとお母さんは?」


 嫌な予感がしながらも僕は訪ねずにはいられなかった。


「すまない」


 そして男の人の口から出てきたのは僕の嫌な予感を肯定するかのような言葉で······


「俺は君たちの村の近くに新しく発見されたダンジョンの討伐を依頼された『深夜の狼』のリーダーであるウェルだ。俺たちがダンジョンに到着した時にはもうダンジョンは氾濫を起こしていてな······俺たちは別れて近隣の村へと向かったのだが俺たちが到着したときにはもう······君の村に住んでいた人たちは恐らく君を除いて皆死んでしまった。逃げ切った人たちもいたかもしれないがあれだけの数の魔物だ······恐らくは希望はないだろう」 


 その言葉に僕は理解してしまった。


 昨日の事が夢でなかったことや、お父さんやお母さん、ノムおばさん達がもうこの世界にいないことを。


「どうして!」


 思わず男の人に詰め寄る。


 自分が間違ったことを言っているのを理解しながらも僕はその手を、その声を止めることができなかった。


「あんたらがもっと早く来てくれてれば! もっと早く出発してくれていたらお父さんは······もしかしたらお母さんも······いや! 村の皆だって死ぬことはなかったかもしれないのに! どうして!」


 ウェルさんの胸を叩きながらも僕は叫び続けた。


 ウェルさんは僕が泣き疲れて再び眠ってしまうまでずっとなすがままにされていた。



 俺は泣き疲れて眠ってしまった少年を再びベットに横たえると布団をかけ直してそっと部屋を出た。


 部屋を出ると階下の他のメンバーが集合している所に向かう。


「皆······どうだった?」


 まずは他の村の被害状況の確認だ。


 最初に報告したのは赤髪短髪の火魔法使いのイグニスだ。


「俺んところは被害はかなり軽傷。死者は出ていねぇ。魔物も高くてもD級のが数匹しかいなかったからな。俺の銃で吹っ飛ばしてやったよ」


 俺はイグニスの言葉に頷くと次に赤髪長髪でイグニスの妹の風魔法使いレンの方を見る。


「僕の所は全く被害なしですねぇ。道中で数匹倒したけどどれも雑魚ばっかりだったし、村の方に至ってはまだ一体もたどり着いていなかったですよー」


 レンの言葉に頷き、最後に俺と金髪碧眼の水魔法使いシエラの報告だ。


「俺たちのところは魔物100以上で被害もかなり甚大だ。魔物は全滅させたが、少年一人を除いて村は全滅している」


 その言葉に皆は目を伏せる。


「これからその少年をどうするかを皆で話し合いたい」

話を練り終わり次第まだまだ連続投稿するつもりなのでよろしくお願いします

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