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依頼

ボス戦についてご意見頂きましたので少しだけ修正してます。大筋は変わらないですが、所々変えているので読んでくださったらありがたいです

 爆散したミノタウロスから魔石が落ちたのも確認せずに俺はテツの元に向かう。


 アオイは魔力切れなだけで特に負傷はないし、レッカとニナは最低限の治療はした。


 今一番危ないのは治療が完全に終わったわけでも無かったのにアオイを助けるためにミノタウロスに攻撃して反撃を─ブーストをかけていたとは言え─食らったテツだからだ。


 テツにヒールをかけている内に閉まるときと同じ様にゴゴゴゴという音をたてながら扉が開く。


 そして、その中から冒険者らしき人達が入ってきた。


「おい! 大丈夫か!?」


 その内の一人が中の惨状を見て声をかけてくる。


「はい、何とか······」


 テツの傷も思ったより酷くなくて短時間で治った。


「全く······新人の冒険者か? もうすぐ冒険者養成学校でボス戦の授業があるから2層目のボス部屋を使うなって言われてただろ? それ以前に新人なのにボス部屋なんかに挑むからこうなるんだよ······ボロボロじゃないか」


 苦情を言いながらもこちらを心配してくれているのが良くわかった。


「すみません。俺······僕達は冒険者養成学校の生徒で······実習中に落とし穴の罠でここに落とされてしまったんです」


「なっ!? 学校の生徒!? そりゃあ災難だったな······それにしてもよくこの人数で······ん!?」


 俺の説明に周りを見回していたおじさんが俺から離れて歩いていくと何かを拾い上げる。


 その手の中にあったのは今までの無色透明な魔石ではなく黒い魔石だった。恐らくあのミノタウロスの物だろう。体が爆散しても魔石は残っていたようだ。


「まさか!? お前ら変異種と戦ったのか!? ホントに何で生きてんだよ······」


「えっと······なんでわかったんですか?」


「あー、まだ学校では習ってねぇのか。魔石は基本的にその魔物の持つ属性の色になるんだ。火属性なら赤、水属性なら青、風属性なら緑、地属性なら茶、無属性なら無色透明といった風にな······んで、例外が変異種だ。変異種だけはどんな属性を持っていようとも魔石は黒色になる。変異種の魔石は貴重だからな······売れば最低金貨50枚は固い。その分色々なことに使えるから特に金に困っている状況でもなけりゃそのまま持っておく事を推奨するぜ。」


 おじさんは俺に魔石を渡しながら教えてくれた。

 

 そんなに貴重な物だったんだ······それなら


「お願い······いや、依頼があります」


「ん?」


 俺からの突然の依頼に驚いたのか男の人がこちらを向く。


「内容は僕等の仲間をダンジョンの入り口までの護送。報酬には先程僕たちが倒したこの黒い魔石をお渡しします」


 俺の発言に男とその仲間達がぎょっとする。


「おいおい、さっきの俺の話を聞いていたのか? それにその魔石はパーティー皆がここまでボロボロになって手に入れた物だろ? 流石にお前の一存で報酬には出来ないだろう」


「······」


 正論過ぎてぐぅの音も出ない。しかし救いは意外な所からやって来た。


「······ボスモンスターは殆どノエルが倒したようなもの。ダメージも与えられていない状態で所有権を主張するような事は出来ない」


 何とか立ち上がったアオイがこちらに来て俺が魔石の所有者だと告げてくる。


「でも前回のダンジョン実習でだって俺は攻撃していないのに皆は······」


「······あの時はノエルが自分に与えられていた仕事をきっちりとこなしていた。それに比べて私たちは今回何もできてない」


「でも······んぐっ!?」


 出しかけていた反論を人差し指で物理的に止められる。


「良いから貰っておくといい。誰も文句は言わないはずだし私が言わせないから」


 その時初めてみたアオイの笑顔に思わず首を縦に振ってしまった。どうやら何時も無表情な女の子が笑うとかなり破壊力が高いらしい。


 俺が魔導書を投げた時も笑っていたけどあの時は口元を手で押さえていたし、ちょっと恥ずかしくて顔までは見てなかったからな。


「あー、話が纏まった所悪いんだけどな······お前さんから依頼を受けることは出来ねぇんだわ」


「えっ!? なんで!?」


 いきなりのおじさんのカミングアウトに俺は思わず敬語が崩れてしまう。


「いや、まぁ、何て言うか······な? 報酬はかなり魅力的ではあるし、依頼自体も達成可能な物だ。受けないなんて有り得ないくらいの依頼だろう。だけど実は俺たちは同じ依頼を既に学校から受けていてな······流石に報酬が良いからって前に受けている依頼を破棄すると冒険者としての信用に関わってくるわけだ」


「······ということは?」


「心配しなくても全員無事にダンジョンの入り口にまで送ってやるよ」


 おじさんはそう笑うと仲間達を呼んで俺たちをダンジョンの入り口まで送り届けてくれた。



申し訳ないです。今日は忙しく、更新が遅れてしまいました。


また、一話だけしか更新できなかったことお詫びします。


次回更新は明日の予定です。

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