出会いは唐突に
今回のタイトルは正直話の内容とそこまで関係はありません
俺が魔導書を使ってゴブリンを倒してから少しだけ変な雰囲気にはなったが、変わらずダンジョン探索を続ける俺たち。
先程の戦闘から俺も戦闘に参加することを許され、魔導書を使って魔物を倒している。
この度に変な視線に晒されるようになったがあまり気にしないようにしている。
ちなみに俺たちは魔物を誰かが倒している間に壁を調べて何か良い鉱石でもないかな? と調べているわけだが、よく考えれば一階層の壁にそんなに良いものが埋まっている訳がないのだ。
幸いにももうコボルトは倒して魔石を回収しているんだからしばらく探索して何も見つからなければ今日の探索はここまでにしよう。ということになったのだが······
「あっ! 宝箱にゃ!」
丁度ニナが宝箱を見つける。
「珍しいな······確かダンジョンの一階層に宝箱なんて早々無かったはずだけど」
「まぁ、そんなこと言ってもあったものはあったんだしラッキーとでも思っておけば良いんじゃないか?」
俺の疑問もレッカにはあまり気にされない。
まぁ、俺も本で読んだというだけで実際にそれを確認しただけなのだ。更に言うならば本にも「100パーセントあり得ないことだ」と書いていた訳ではない。そこまで気にすることもないだろう。
結局あの宝箱を調べることに決まった俺たちのパーティーは罠等に気を付けながら進む。
先頭は意外にも俺たちの中で感覚が一番鋭いニナだ。
「あっ!」
しばらくは何も起こらなかったがニナが何かを見つけたように立ち止まる。
その瞬間後ろから押されてバランスを崩す。
最後尾にいた俺が倒れたため、連鎖のようにパーティーの皆が倒れる。
「─っ!ヤバイにゃ!」
ニナの叫びと共に俺達の足下が文字通り開く。
落とし穴の罠だ。
俺は落ちる直前に俺を突き飛ばした奴の顔を確認する。
そこには顔を驚きの表情で固めた、受験番号371番がいた。
「いでっ!!」
幸いにも骨折したりはしなかったが背中を強く打ったことで痛みを感じる。
辺りを見回して確認するが皆も骨折や怪我などは無いようだ。
それにしても無駄に広い場所だな······
「あっ······あぁ!!」
後ろから響いてきたゴゴゴゴという音と共に俺の後ろを確認していたニナが何かを指さす。
その様子に尋常な事ではないと俺も後ろを確認すると、そこにはゆっくりとだが閉まっていく扉があった。
『後はボス部屋にもなるべく入らないようにしてください。ボス部屋は一旦入ればボスを倒すまでは結界によって出ることが出来ず、また、入ってから一分後には完全に入り口も閉まって援軍にも入れなくなります。明らかに怪しい大きな広間なので見ればわかると思います。扉みたいなのもついてますしね』
レスト先生のボス部屋の話を思い出す。
確かに扉の前には紫色の結界みたいな物があり、外に出るのは無理そうだ。
俺は覚悟を決めてテツを見る。
流石に座学が苦手なテツでもこの状態が何を意味するのかは理解しているようだ。
テツも俺に向かって頷く。
それに俺には勝算が無いわけでも無かった。
このパーティーメンバーは全員F級のコボルト程度なら単独で簡単に屠る。
甘い計算だが、最低でもE級程度の実力はあると考えても良いのではないだろうか?
そして、2階層に出てくる敵は基本的に1階層とは変わらないと聞いている。少しコボルトとの遭遇頻度が上がるくらいだ。
ならばそこのボス部屋に出てくる敵はE-級······良くて─いや、運が悪くてと言うべきか─E級だろう。
E級ならば力を合わせれば何とか勝てないことも無いのではないか······と俺は考えていたわけだ。
そして、俺の予想は当たった。
確かに現れたボスはE級のミノタウロス。
E級の魔物の中でも上位とは言え、まだ可能性はある。
──それが普通のミノタウロスであればだが──
「ブモォオオオオオオ!!」
「黒い······ミノタウロスだと!!」
「······変異種」
『─また、変異種と呼ばれる存在がいます。ごく稀にしか出ないのですが普通に現れる魔物の色違いだったり細部が変わっていたりするだけですが、その様な魔物を見つけた場合は気づかれないように逃げてください。気づかれたら今の皆さんでは基本お陀仏です。というのも変異種はその魔物毎の力に応じて設定されたランクの一段階上の力を持つ存在だからです─』
再びレスト先生の言葉を思い出す。
つまり、このミノタウロスは強さで言えばD級相当なのだ。
俺たちは逃げられない絶望との戦いに臨むこととなった。
その結果は火を見るより明らかだろう。
希望的観測でE級の力があるかどうかの者達がD級の魔物に挑むのだ。
次回!作者初めてのボス戦に挑む!
うまく書けるかわかりませんが、精一杯頑張ります!応援よろしくお願いいたします
多分今日中に投稿します!
遅くとも明日······は無理なので明後日には!!