レスト視点
かなり予定より遅れました申し訳ないです
今回短めとなっております
一応この後も投稿するつもりなのでよろしくお願いします
「ふむ、この2人が同じパーティーに入りましたか······」
誰もいない私室で私は一人呟きました。
私が少し興味を持っていた二人が今日のパーティー編成で同じパーティーに入ったのだ。
受験番号375番ノエル君
孤児院の出身で冒険者には向かない······むしろ攻撃魔法が使えないのだから、冒険者になるのならば選んではいけない職業である白魔法師を選んだ少年。
確かに攻撃魔法が無くとも武器で戦えば良いだけですし、白魔法師には他の職業よりも多くの魔力とあまり知られてはいないことですが、豊富な支援魔法と用途に応じた回復魔法を持ちます。
私としては攻撃魔法が無いというデメリットはあるもののそれを補って余りある職業であると思っているのですが······まぁ、確かに最初からそれなりに戦える他の職業と比べて支援魔法や回復魔法をそれなりに揃えるまでは大変でしょう。
ちなみに言うと一昔前·······200年ほど前、今よりも魔族達との抗争が激しかった頃にはそれなりの数の白魔法師はいたという記録が残っています。
······まぁこの王都でもこの学校くらいにしかない古い書物を読んで初めて知ったことなのですが。
そんなわけで私は彼に少し興味を持っています。
そしてもう一人は受験番号363番アオイ・ヤマト······いえ、今はもうただのアオイさんでしたね。
冒険者の中では珍しく王自らが側近とする事を決意されたヤマト家の末娘。
しかしながら優秀すぎるヤマト家の中で、職業こそは最高の職業と名高い青魔法師ですが、彼女自身の才能は中の上。
決して低くは無いが優秀すぎる家族と比べては平凡なものです。
毎日家族の優秀さを見せつけられ、家族からもその才能の無さを貶され、傷つき家を出てここに流れ着いてきた女の子だ。
冒険者養成学校に来たのは
「一人でも冒険者として生きていく術を学ぶため」
だそうだよ。かなり危険なことだし、難関だと言っておいたんだけどね。
それでもやるんだって聞かなかったんだよ。
ん?なぜそんなことまで知っているのかって?
面接の時の彼女の様子がおかしかったので少しだけ問いただしたら教えてくれたよ。
······それからは軽く避けられるようになりましたが
偶然とは言え属性バランスの取れたいいパーティーになっていますし、面接の時に見たノエル君の慎重さにも期待できるでしょう。
本来ならば失敗を教え込むためにあえて自己紹介もせずに行わせたパーティー結成なのですが、もしかしたら彼らは失敗を経験せずにこの半年を終える可能性もありますね······
そうなった時の事を考えて私は一人目を閉じるのだった。