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レッカ編2

お久しぶりです。マグムです。

更新がとても遅くなり申し訳ございません。


色々と忙しくなっており、更新が滞りましたが、これからは時間のあるときに少しずつ書いて行こうと考えております。


また、今回よりスマホ入力からタイピングでの入力となっているため、誤字などが多くなっているかもしれないです。

ご了承願います。

「・・・・・・最初に話を聞いた時は理解ができなかったぜ。村の人間をおかしくしているアルファが『魔王を倒すために力を貸してくれ』って言い出すんだからよ」


「それを言うなら僕の方だってレッカが素直に信じてくれるだなんて思ってもいなかったから色々と説得の言葉を考えていたっていうのに、一応幼馴染とはいえすんなりとこんなに怪しい女を信じちゃうなんて驚きだよ」


「そりゃあ『このままだとニナだけじゃなく、ノエル君達は遠からず全滅することになる・・・・・・なんて言われたら話くらいは聞くしかないだろ」


 ・・・・・・いや、これは嘘ではないにしろ100%の本音ではないな。そういう理由づけをしてはいるが、俺はただただ『俺じゃなきゃできない』というアルファの言葉に惹かれただけなのだ。

 朝焼けの空として活動していた時、いつも中心になっていたのはノエルだった。あの変異種のミノタウロスの時も、ダンジョンでの活動の時も、ダンジョンが氾濫した時もだ。そこにレッカという一個人でなくては出来ないことは何もなく、赤魔法師であれば誰でも同じような役割を果たすことができたであろうことは簡単に予想できる。

 俺も真ん中でいたかった。大罪の獄炎は強い感情に適応する。おそらく俺に『嫉妬の獄炎』が適応したのも、表面上は取り繕っていたがそんな俺の嫉妬の感情に反応しての事なのだろう。


「・・・・・・レッカ。じゃあ改めて作戦を確認するね」


 アルファの言葉に、俺は頷く。


「今回の作戦で重要になるのはレッカの嫉妬の獄炎だ。嫉妬の獄炎は燃やした物の持つ能力を理解し、その上で使用できなくするというものだ。その炎だけは唯一魔王の不死さえも関係なく焼き滅ぼすことができると僕は考えている。だから、僕は君を新たな大罪の獄炎として、他の大罪の獄炎達に紹介。その後、魔王に紹介しに行くという名目の下、レッカを魔王の封印の場所に連れて行く」


「そこで俺がこの嫉妬の獄炎を使って封印の解けていない魔王を焼き滅ぼす。だな」


「うん。それで大丈夫。大罪の獄炎の中で嫉妬は魔王の封印を解く役割を担っているから、万が一炎を使っているところを他の大罪に見られても、魔王の封印を解いているだけだと思われるから、問題はないはずだよ。そもそもの話として、大罪の獄炎は基本的に魔王の支配から逃れられないから、嫉妬の獄炎で攻撃されるだなんて想定していないはずだしね」


「なるほどな・・・・・・・ん?」


 改めてアルファの話を聞いておかしな点に気づく。


「なぁ。アルファも大罪の獄炎ってのを使っているんだよな?」


「うん。僕が使っているのは色欲の獄炎だね」


「だとしたら、アルファはその魔王の支配からどうやって逃れているんだ?」


 魔王の支配から逃れられないのなら、アルファが魔王を殺すだなんていうのはおかしいのだ。なら、アルファはどうにかして魔王の支配から逃れていることになる。


「僕が魔王の支配から逃れている方法はレッカと一緒だよ。まぁ、半ば偶然のような物だったし、これがあったからこそ、僕は魔王を殺せると思ったんだけどね」


「・・・・・・・? どういうことだ?」


 アルファの言い方ではまるで前の色欲の獄炎がアルファにそういう支配をかけたみたいじゃないか。でも、仲間になる時にアルファははっきりと自分が死んでいると告げたのだ。それが嘘だった感じもしない。


「これについて話すにはまず獄炎の仕組みについて話す必要があるんだけど、レッカは今まで他の獄炎とあったことはあったんだっけ?」


「あぁ、憤怒の獄炎にあったことがある。それと、話だけだが暴食の獄炎になったっていうレオのことも話だけなら聞いたが・・・・・・それがどうかしたのか?」


「うん。見たことがあるなら分かるかもしれないけど、別に大罪の獄炎は意思のない人形ではないんだよ。魔王の支配からは逃れられないけれど、各々の感情はあるし、魔王の支配に逆らわない程度になら自由に行動もできる。現に、レッカが見た大罪の獄炎たちも人形みたいな存在ではなく、しっかりと意思を持った1人の人間だっただろう?」


 言われてみれば憤怒とかいう奴も俺たちの攻撃にイライラしていた様子を見せていた。意思のない人形ならば、あんなに感情を表に出すことはないはずだ。


「それと今のアルファと何が繋がるんだ?」


「まぁ、やらなきゃいけないことがない時は好きに行動ができるっていうことを覚えておいてくれればいいかな? 後は、大罪の獄炎の任務って魔王が復活するまでは一つだけなんだよ。だから、基本暇してる。ニートなんだよ。やりたいこといくらでもできる。やらなきゃいけないことが突発的に飛んでくる上に強制的にさせられる以外はめちゃくちゃ優良な働き口だよね」


「働き口って・・・・・・別に好き好んで就職するわけじゃないだろ。で? その魔王が復活するまでにある一つの任務ってなんなんだよ」


「白魔法師の滅亡」


「は?」


「まぁ正確にいうなら戦闘に携わる白魔法師の滅亡だね。全部の白魔法師を殺すのは、全人類を殺すのとほぼ変わらないからって言って白魔法師のネガキャンから始めた怠惰の獄炎なんかもいるけど」


 確かに、全ての白魔法師を殺すのは現実的に無理だろう。全ての種族の子

どもが十歳になれば適性検査を受けて何もなければ単純計算で五分の一が白魔法師になるのだ。イタチごっこにしかならない。そういう意味では白魔法師のネガキャンから始めた怠惰の獄炎は間違ってはいなかったのだろう。しかし、


「なんで白魔法師を全員殺す必要があるんだ?」


 なんでわざわざ白魔法師なんだ? しかも戦闘に携わるって条件までついて。まるでノエルみたいなのが増えるのが嫌だって・・・・・・・うん、敵として考えるなら最悪だな。確かに全滅させたくなるのもわからなくもない。


「うん。レッカが何を考えているかはなんとなく察したけど多分違うよ。普通はノエル君みたいな白魔法師はそうそういないから。・・・・・・ただ、ここで魔王を殺しておかないとノエル君は遠からず大罪の獄炎の集中攻撃を受ける可能性が高いのも事実なんだけど」


「あーもうじれってぇなあ!! つまりどういうことなんだよ!」


「白魔法師の使う光魔法は魔王を完全に滅ぼしうる」


「な、なん・・・・・・だと」


 魔王はそもそも命という概念がなく、死ぬことがないんじゃなかったのか!?


「実は、前回の魔王討伐後一歩というところで白魔法師の魔力が尽きたせいで完全には滅ぼせなかったけど、もう少し魔力があれば魔王は完全に滅んでいた。だからこそ今回の魔王は全ての大罪の獄炎を生み出すのに時間がかなりかかったし、白魔法師を滅ぼそうとしている」


「ちょっと待て!! そんなことがあったなら今はなんで白魔法が冒険者として廃れている!? むしろ白魔法師が積極的に増えてもおかしくないはずだ!!!」


 それに、今までそんな話は聞いたことが全くない。魔王討伐でそんなことがあったのなら絶対に学校でも習うだろうし、白魔法師が廃れることもなかったはずだ。


「そもそもの話としてその魔王討伐隊は魔王と相打ちという形で死んでいるからその話が人間達に伝わることはなかった。私が偶然にも魔王城で彼らの手記を発見しなければこの事実は永遠に人の目に触れることはなかったと思う」


「手記?」


「前代の勇者の手記だよ。今は持ってきていないから見せてはあげられないけど、レッカが生きて帰ったら僕の家の地下に箱に入れて隠してあるから読んでみるといい。なかなかに興味深いよ」


 前代勇者の手記。確かに興味深くはあるが、話が随分と脱線してしまった。元の話に戻さないとな。


「それで? 話は脱線しちまったが、アルファが魔王の支配を受けていないのはなんでなんだ?」


「あ、そうだったね。実は色欲の獄炎と魔王の支配って能力の源が同じだからか、死体相手でも効果を発揮するんだ。で、前代の色欲・・・・・・・て言っても色欲の獄炎に拒絶されてすぐに死んじゃったんだけど。それが僕のおじいちゃんだったんだよ」


「なっ・・・・・・ってすぐに死んだって?」


「うん。死んでしまった僕を生き返らせるために生きたまま色欲の獄炎を取り込んだんだよ。しかも適性も無いのに無理矢理に」


「そ、そんなことができるのか?」


「ううん。本来なら出来ないよ。でもおじいちゃんは並外れた意思の強さで私を蘇生させた。『何者にも脅かされずに生きろ』って命令されてね。直後に色欲の獄炎が私を宿主として認めて宿ってもこの命令のおかげか、僕の意思が魔王の支配に飲まれることもなかった。僕が魔王の支配を受けていない理由は以上だよ。まぁ全て仮説でしかないとはいえ、レッカと僕っていう二人のサンプルがいるんだからそうそう間違いでもないとは思うけど」


「成る程な・・・・・・」


「っと。そろそろ魔王城も近づいてきたし無駄話は終わりにしようか。ここからは誰が聞いているかもわからないしね」


「おう」


 ……って魔王城そんなに近かったのか!? まだ森から出て一日も経ってねえぞ!


「うん、なんとなく何を想像しているのかはわかるけど違うよ。魔王城がそんなに近くにあるわけじゃない。途中で洞窟の中を通っていたでしょ? そこはダンジョンコアが秘匿され、魔物も排出されないダンジョンになっていてね。魔王側である僕達はダンジョンコアの力でダンジョンとダンジョンを行き来できる。それを使って魔王城近くまで一気に移動したのさ」


「へえ。気づかなかったぜ」


「まぁ、よっぽど魔力に敏感でもないと気づかないでしょ……っとお迎えかい?」


 アルファの視線の先には一人の男……いや、あいつは……。


「はっ! 久しぶりじゃねえか! レッカ」


「そういやお前も大罪の獄炎だったんだっけか? レオ」


 冒険者養成学校ダンジョン氾濫の犯人であり、大罪の獄炎の一人であるレオがそこにいた。


「にしても、憤怒からお前に適性があると聞いた時には驚いたぜ。まぁ、オメェも俺に思うところはあるかもしれねえが今後はお仲間だ、仲良くしていこうぜぇ……! キャハハ。いや、思うところなんてねえか!! 俺らにそんなもんねぇもんなぁ! アハッ、アハハハハッ!!」


 ……言うだけ言ってどっか行きやがった。っていうか、レオのやつしばらく見ないうちにキャラ変わりすぎだろ。


「なぁ、大罪の獄炎って皆あんな感じなのか? だとしたら俺溶け込める自信はないんだが」


「心配しなくても、『暴食』が異常なだけよ。暴食と憤怒、色欲は欲求が強すぎてベースになっている人格が壊れやすい傾向にあるの。もう倒された憤怒に関してはそこそこマシな方ではあったけど、彼も完全に変質しなかったかというとそうでもないし」


「俺の『嫉妬』はどうなんだ」


「欲求の強さはかなり弱い類だし、レッカは僕と同じだから人格が壊れるという心配はしなくてもいいよ」

 

「成る程な」


「まぁ、お喋りはここまでにして、行こうか。魔王様が待ってる」


「あぁ」


 アルファについていくように俺は魔王城への道を歩き始めた。


前回の後書きでも書かせて頂きましたが、後付設定等もある為、もしかしたら矛盾等もあるかもしれないです。


申し訳ございません。


また、感想にて序盤のノエルたちが王都へ向かう時間がかかり過ぎでは?というご質問を頂きましたが、こちらに関しましては作者が伏線をはるだけはって放置していた結果でございます。誠に申し訳ございません。

一応、ここでの経験があってノエルが冒険者になろうと志すようになる為、そういった出来事があったということにしておいて頂けるとありがたいです………。


次回更新に関してですが、今回で一旦レッカ視点は終了し、ノエル視点に戻る予定です!

今回のようにモチベーションがある間に書き溜めて、一定のところまでかけたら投稿という流れを繰り返そうと考えております。

読者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご容赦のほどよろしくお願いいたします。


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[一言] レッカが劣化になってます
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