表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/169

ノエルVSレッカ

活動報告にも書いておりますが、これからは感想を極力見ないようにさせていただきます。

感想で応援してくださっている皆さんには申し訳ございませんが、ぶっちゃけメンタルにダメージ入りすぎててやばいので……


「速い!?」


 レッカが何か呟いて、体がブレた―――そう思った次の瞬間にはレッカが目の前にいた。

 右手―――魔獣化して四足歩行になってるからから右前足が正しいのかもしれないが―――が薙ぎ払われると同時に後ろに飛んで勢いを殺す。

 

「ぐっ!」


 勢いを殺したにも関わらず洒落にならないレベルの衝撃が体を襲う。


「どうした? この程度じゃないだろ? 全力を見せろ!」


 レッカの言葉に体を起こすと同時に全力行使フルドライブを使用する。恐らく今まで戦った相手の中でも比較するものがいないレベルのスピードだ。

 もしかしたら全力行使フルドライブを使用して尚追いつけないかもしれない。


「取り敢えず話を聞くためにも動きを止めないと始まらないってのは解った」


 俺は魔導書を構えるとレッカに向けて駆け出し、振りかぶるも、簡単にレッカに迎撃されてしまう。

 

「―――っ!」


 今の俺はさっきとは比べ物にならない程速度が上がっているはずなのに、レッカに見切られているのだ。


「まだまだだ! そんなもんじゃないだろう!」


「くっ!」


 魔導書を力いっぱい投擲し、それを迎撃してる隙に……、と思っていたのだが、投擲された魔導書に対してレッカが前に出る。

 それと同時に体に炎を纏う。


「フレアチャージ!」


 魔導書はレッカの放った炎に接触し、燃えこそしなかったものの、弾かれる。


「くっ!」


 猛スピードで突進してくるレッカをジャンプする事で何とか回避し、蹴りにて反撃を試みるも、レッカの体はまだ燃えている。


「こなくそ! ―――っつ!」


 レッカの纏っている炎に足を焼かれるのを感じながらも足を振り抜く。

 どのみち上に避けてしまったからにはレッカが自らに纏った炎を消すか、蹴り飛ばすかしなければ全身大火傷を負っていたのだ。

 レッカがどういう理由かはわからないが、俺に敵対している以上レッカの優しさに期待するわけにはいかない。

 水に焼けた鉄を入れた様な音を立てながら足が治癒していく。


「へっ………燃える体相手にしても容赦なく蹴り飛ばしたか。それに、炎に触れて焼けたはずの足ももう完治してやがる。流石だ」


「そう言うならここで辞めてもいいんだよ!」


「そういう訳にはいかねぇ。自業自得とは言えここにノエルがいるんだ。なら俺はここでお前を倒しとかねぇといけねぇ」


「レッカ……どうして……」


 正直、レッカがどうしてこんな事をしているのか理解ができない。かと言って、言葉を尽くしただけでレッカが止まるわけでは無いのだ。

 ―――わかっている。理解していても、感情が理解したくないと叫んでいる。

 叫びながらレッカと殴り合う。

 炎に身を焼かれながら、焼かれた体をその都度ヒールで回復して再び殴る。

 そして唐突に―――、




 終わりは訪れる。


「―――がふっ!? ぐっ!? ぎっ!!」


 急に喉からこみ上げて来たものを口から吐き出す。

 それは正に赤という色を体現したかのような色で………。


「あ―――」


 それが何かを認識した瞬間、体が悲鳴を上げる。

 膝が折れ、地に倒れ伏す。

 顔を上げるとそんな俺を見下ろすレッカが魔獣化を解いていた。


「―――ご…んな。だ……ぜっ………、今度……俺………」


「………レッ………カ」


 レッカが呟いた言葉を最後まで聞き取れずに俺の意識は闇の中に落ちていった。






「にゃぁぁぁぁぁぁあ!」


 魔獣化したニナがアルファを襲う。

 

「くっそぉ! 速いって! ほんと魔獣化って反則だよね! 僕は獄炎とはいえ、そこまで戦闘力は高くないってのに!」


 そう言いながらもなんだかんだ戦いが始まってから今までニナの攻撃を捌いて大きな傷を負っていないのだから、大したものだ。

 私達が援護で放っている攻撃も、防がれているし言うほど戦闘が苦手というわけでもないのだろう。

 ―――もしくは想像したくもないことだが、獄炎の連中は戦闘が苦手なメンバーでもこのくらいはできるって可能性もあるか。


「うにゃぁ! ちょこまかとうっとおしいにゃ! こうにゃったら―――!」


 ニナが大技を出すのか、一旦大きく後ろに下がる。そこに、


「―――そこまでだ」


 私達とアルファを隔てて炎の壁が発生する。


「にゃっ!?」


 アルファと私達の間に現れたのはノエルが戦っていたはずのレッカだった。


「―――レッカ」


「ノエルは? ノエルはどうしたの!?」


 思わず叫んでしまう。レッカの相手をしていたはずのノエルがおらず、レッカがここにいるという事は………。


「死んではいない………が、明らかに限界を超えて戦っていたからな。傷ができる度に焼かれていたから失血死こそしないだろうが、放っておくとまずいことは間違いないだろう」


 レッカの言葉に歯噛みする。

 レッカの言葉が真実なら、ノエルはレッカに負けたと言うことだ。それに加えてこの場にはさっきまで私達三人を相手取っても倒しきれなかったアルファもいるのだ………勝てるだろうか?

 

「行くぞ。アルファ」


「ん? もういいの? ニナとは今生の別れになるかもしれないよ?」


「―――!! レッカ!」


「来るんじゃねぇ!」


 アルファの言葉にニナが一歩を踏み出した瞬間再び炎の壁がニナとレッカを隔てる。


「レッカ―――レッカぁ!」


「待て! 危険だ!」


「離すにゃテツ! レッカ! レッカぁぁぁぁあ!」


 レッカを追うために炎の壁に突っ込もうとするニナを、テツが抑え込む。

 そして、炎の壁が消えた後にレッカとアルファの姿は無かった。






 アルファとレッカが消えたのとタイミングを同じにして、アルファによって操られていたと思われる獣人は全て撤退し、姿を消した。

 各村の女性達は捕らえられてこそいたものの、大きな怪我をしている者は一人もおらず、それぞれの村が復旧するまでは他の村に疎開という形を取るそうだ。

 ノエルは見た目の傷が多く、過回復の限界を超えて体を傷つけていた影響か戦いが終わり、王都に帰還するまで目覚める事は無かった。

ニナ&レッカ編はぶっちゃけかなり鬱展開になる事が予め決まっていたこともあり、かなり難産でした。(尚、まだ続く模様)これからは同時連載している剣聖への道(仮)と交互に、ある程度定期的に書けたらなぁと考えております。(前も同じような事言ってた気がしますが………今度こそ!)

評価、ブックマークでの応援よろしくお願い致します!

また、機種変したせいで今まで使っていたTwitterのアカウントが使えなくなった為、新しくアカウントを作成しております。

此方もフォローして頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ