レッカ
お久しぶりです!
今回は前回言っていた通りレッカ支店にてお送りいたします。
ちなみに、書籍盤面の内容に準拠して書かせて頂いておりますため、一部表記が変わっております。
魔炎→獄炎
誤字ではございません。書籍版を読んでいない方にとってはわかりにくいかもしれませんが、ご理解のほど、よろしくお願い致します。
俺には何も無かった。
彼女であり、同じく獣人であるニナはその持ち前の感知能力と、緑魔法によって敵や罠の発見で仲間に貢献した。
テツはその鍛え上げられた肉体と茶魔法を駆使し―――あの変異種のミノタウロスが相手の時の一度を除き―――パーティーメンバーを守り抜いた。
アオイは青魔法と、魔力操作能力を駆使し中距離からの味方の援護を行った。霧の魔法を使えば危険な魔物からも身を隠すことが出来た。
ノエルに関しては……もう滅茶苦茶だ。白魔法で俺達をサポートしながら、強化された身体能力と過回復とかいう現象を駆使して敵を殲滅する。
俺は……何だ? この朝焼けの空で何ができた?
敵の殲滅力ではノエルに遠く及ばず、感知能力に関してもニナには勝てない。遠距離からの支援攻撃もアオイに勝てず。かと言ってテツのように前に出て敵を引きつける事もできない。
そえ、俺だけが朝焼けの空で唯一、自分にしかできない役割を持っていなかった。
正直嫉妬した。ノエルに、アオイに、テツに、そして恋人であるニナにさえ。彼らは、彼女らは俺が持っていないものを持っていたから。
しかし、彼らを害そうと思うのかと問われれば、俺はその問いに対して迷わずノーと答えるだろう。理由があってアルファの支配を受け入れた今でもそれは変わらない。
「レッカ……!」
「本気で来い。ノエル。俺はお前を倒す」
魔獣化し、アルファから貰った大罪の獄炎をその身に纏いながらノエルと対峙する。本来であれば大罪の獄炎を使用する者は常にその思考を汚染されるが、俺だけはその汚染を受けていない。
「レッカ……。君は操られてるんだ! 正気に戻って!」
操られてる……。操られてる、ね?
どうやらノエルは勘違いをしているらしい。ノエルの性格上その勘違いを正してやらないと本気では向かってこれない……か。仕方ない。
「アルファの持つ獄炎の能力は色欲だ」
「?」
いきなり俺が話し出した事を不思議に思ったのか、ノエルが首を傾げる。
「色欲の獄炎の持つ能力は二つある。一つ目は異性に対する一つだけの絶対命令権。燃やした相手に対して一つだけ命令を行うことができる。命令された奴は意志とは反していることでもその命令に逆らうことはできない」
「……もう一つは?」
「燃やした異性の意志を焼き尽くして生きた人形にする能力だ。こいつを食らうと、アルファの命令にただ従うだけの存在になる」
「……つまり何が言いたいんだ?」
察しが悪いわけではない。ノエルは恐らく俺の言いたいことに気づいている。しかし、その結論を信じたくないから―――もしかしたらその結論が間違っているという可能性にかけたのかもしれない―――俺に問いかけたのだろう。しかし、
「色欲の獄炎の能力で操られてる場合俺はこんなにぺちゃくちゃ喋ってるはずがねぇんだよ。俺は俺の意思でアルファに協力してるって事だ」
俺の言葉がノエルにとって予想通りだったのか、ノエルの顔が歪む。
「ニナを……! レッカがニナを裏切るなんて……、そんな事がある訳がない!」
ノエルの言葉に俺は答えることができなかった。何故なら、俺はニナを裏切っている訳ではない。しかし、状況だけを見ればそう見えてもおかしくは無いのだ。
「……これ以上言い合っても埒が明かねぇか」
恐らくこれ以上何を言おうとノエルが本気で俺にかかってくることは無いだろう。
なら、気は進まないが仕方ない。
「……死ぬなよ。ノエル」
ノエルには聞こえない程度の声で呟いてから、ノエルに襲いかかった。
敢えて公表することでもないのかもですが、実は今回44話の伏線を回収しておりました。
実は学校ダンジョンを襲った彼らが見つけた適正を持っている者というのはレッカ君の事でした。
ようやく伏線回収できて安心です(尚、まだまだ放置している伏線はある模様)
後、Twitterにログインできなくなってしまったため、新しくTwitterアカウントを作成するか悩み中です……。なので、Twitterでは更新宣言とかできない状態ですので、ブックマークをつけて更新されていないかをチラチラと覗いて確認してくださるとありがたいです()
では、これからもよろしくお願い致します。