アオイvs.エリーゼ
お久しぶりです。
最近はモチベーションも上がらず、書けておりませんでした。
色々とあって、書くのを止めようかと思っていた白魔法師ですが、他の作者様の作品を読んでいると、やはり続きが書きたくなり、再開させていただきました。
「ぐっ······むぅ」
テツとハウエルが戦い初めてから早二時間が経過した。
その間ハウエルはテツを攻撃し続ける。
しかしながら、不意にその時は訪れた。
「はぁ、はぁ、はぁ······チィッ」
ハウエルさんの体が元の姿に戻る。
「魔獣化が解けたにゃ! テツ! 今にゃ!」
「いや、ここまでじゃな」
「―――速い!?」
いつの間にか三の村の村長がテツとハウエルさんの間に割り込んでいた。
っていうか、いつの間に割り込んできたのか見えなかった。
「これ以上は死人が出る。一戦目はお主達の勝ちで良いじゃろう」
「······ふむ」
「テツ、回復魔法かけるね」
「すまぬな」
本来ならハウエルさんにも回復魔法をかけてもいいんだけど、ハウエルさんって実は体力が無くなって動けないだけで、傷自体は無いしね。
まぁ、体力を回復させてもいいんだけど別に戦ってる途中って訳じゃないから。
「では、次は誰がでるかの?」
「私」
三の村の村長の言葉に即答するアオイ。
その言葉に三の村の村長が頷く。
「ならこちらからは······」
三の村の村長が連れの獣人に視線を向ける。
「ハッ」
その視線を受けた獣人が前に進み出る。
「三の村のエリーゼと申します。よろしくお願いいたします」
「アオイ。よろしく」
エリーゼと名乗った狐の獣人とアオイが対峙する。
「では勝負開始」
「ウォーターボール」
「狐火!」
アオイのウォーターボールとエリーゼの狐火がぶつかり合う。見た感じ狐火とやらは赤魔法。なら相性的にはアオイの方が有利だ。
予想通りアオイのウォーターボールが狐火を消し飛ばしながらエリーゼを襲う―――はずだったのだが。
「ぐっ!?」
「なっ!?」
ダメージを受けたのはアオイの方だった。
当たったはずのウォーターボールはエリーゼに触れた瞬間に消えてしまう。
「······氷結の領域」
相手の手口がわからない以上対策も取ることが出来ない。どうやらアオイは一旦守りを固めるつもりのようだ。
「氷の······鎧?」
瞬時に生み出された氷の鎧にエリーゼさんが驚く。
「余り時間はかけられない。手短に終わらせる」
アオイの氷結の領域は魔力を大量に消耗する。五分や十分ならともかくとして先ほどのテツたちの試合の様に二時間などはかけてられないだろう。
アオイの言葉と同時に吹き荒れる冷気。それと同時に、エリーゼの足下が凍りついていく。
「なっ!?」
慌てて抜け出そうとするも、一度凍りついてしまった足はもう抜け出せない。
徐々に氷が体を侵食していく。
「くっ、こうなっては······魔獣化!」
エリーゼの言葉と同時に辺りが水蒸気で包まれる。水蒸気が晴れた後には、青い火を纏った大型の狐の姿があった。
氷結の領域がエリーゼを凍らせようとするが、体に纏った火のせいか、一向に凍らせる事ができていない。
「範囲内の全てを凍らせる魔法·······素晴らしい魔法です。その魔法に応えて私も一つ面白い魔法をお見せしましょう。······死なないでくださいね?」
エリーゼは微笑み、地面に手をつくと魔力を集中し始める。
「――――!」
あれはまずい。
俺だけでなく、アオイもそう感じたのだろう。ヤタガラスにエリーゼの姿を写す。
「粛清の聖火」
エリーゼが魔法を放つ。
「―――! 駄目、魔力が多すぎて散らしきれない!」
エリーゼが放った魔法は少しずつそのサイズを小さくしながらも十分なサイズと質量を保ったまま、アオイの氷結の領域にぶつかり、水蒸気が溢れ出す。
「アオイ!」
俺の声が響き渡ると同時に無数の氷の槍がエリーゼに向けて放たれる。どうやらアオイは無事な様だと理解し、ホッとする。
「なんの!」
エリーゼは余裕を持って回避するが、回避された槍が霧となり、エリーゼを覆い隠す。
「目隠し······ですか。いえ、これは!」
いきなり霧が吹き飛ばされる。それと同時にアオイを包んでいた水蒸気も吹き飛ばされる。
惜しい。アオイは自分の霧の中なら好きな場所から攻撃ができた。エリーゼは魔獣化していたが、あそこからなら決めることは問題なくできただろう。
「村長」
「うむ。この試合はここまででいいかの」
三の村の村長の言葉と共に、エリーゼが魔獣化を解き、二人の試合は終わった。
更新に間が空くせいもあって、所々矛盾点なども出て来るかもですが、作者は豆腐メンタルなので、優しく指摘してくださるとありがたいです。
感想も返信はできておりませんが、時間のあるときに読ませていただいております。
長期にわたって更新できていなかったにも関わらず、感想をくださった方々にこの場をもってお礼申し上げます。
今日は時間があるし、もう少しかけたらなぁとか考えてますので、よろしくお願いいたします。