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テツvs.ハウエル

皆様お久しぶりでございます。


コロナウイルスが蔓延している中ですが、皆様体調に問題はございませんでしょうか?

作者は現時点ではコロナウイルスにかかってはいないように思えます(そこまで詳しくは無いので、わかりませんが体調に問題はありません)


まぁ、馬鹿は風邪引かないとよく言うので、作者は大丈夫でしょう(笑)


政府からの緊急事態宣言が発令されたお陰(というのはあまりよろしくは無いのでしょうが)で、時間が出来た為、再度自ら作成した物語を読み返し、続きの構想をゆっくりと練ることが出来たため、連載再開します。

再開が遅くなり、誠に申し訳ございません。


これからも時間はあるので、またゆっくりにはなりますが投稿していこうと思いますので、是非とも皆様の暇潰しの一助になればなと思います。

「どうするのかにゃ?」


「どうするも何も······受けるしかない」


 三の村の村長からいきなり提案された模擬戦だが、獣人達の協力を得るためには、受けるしかないのだ。声をあげたのは一の村の獣人ではあるが、「実力も知らない人間と、手を組むなどできない」そう考えている獣人は少なくないのだろう。一の村以外の場所からもそういった視線は感じるし、先程の三の村の村長の話からもそれは読み取れる。

 

「受けるにしても確認したいことがあるな」


「確認したいこと?」


 テツの言葉に頷き、俺は三の村の村長に向き合う。


「そもそもの話、この模擬戦で我々が勝てば信頼を得られるのでしょうか?」


 そもそも、ただ模擬戦を行うだけで仲良くなれる訳がない。殴りあって仲を深めることができるのなんて、図書館で見つけた物語の中だけだ。先程までの獣人達の話を聞いている限り、人間と獣人の確執がそんなに簡単に無くなるわけがない。


「ふむ。結論から言えば人によるだろう。例えば若い衆であれば、話で伝え聞いてはおるが実際に奴隷にされたことがあったわけでも無いので、ただ実力を示せば信頼を得られる可能性は高いじゃろう。······獣人族は闘争を好む気性の者が多いのでな」


 ニナの方を振り向くと、大きく首を横に振る。どうやら、自分は違うと主張しているようだ。


「次に歳をとっているものに関してだが、人間がしてきた所業は勿論許せないが、それを行ったのがお主たちというわけでもない······と、いった考え方はできる。それに現在は非常事態で少しでも大きな戦力がほしい。お主たちがそれに足ると示すことができれば人間を認めるのではなく、ただ個人としてのお主達なら信頼することも不可能では無い」


 成る程、人間を信頼するのは無理でも俺たちだけというくくりならしんじることができる······ということか。


「次に、模擬戦の形式はどうなる?」


「個人の武勇を確認したい。一対一の形式になるじゃろう。一人一人力を見せてもらうことにする。魔法や武器に関しては制限を行わぬが、相手の命を奪うことは禁止じゃ。少しでも殺気を感じた瞬間に他の者総出で止めにかかる。我々によって止められる、相手の降参を引き出す、誰にでもわかる状態で相手にトドメをさせる状態まで持ち込む。この三点でその模擬戦を終了とする。これを三度繰り返すだけじゃ。簡単じゃろう?」


 成る程、ルール自体にそれほど怪しいところもない。俺達が命の危機に陥ったときに、本当に動いてくれる獣人が何人いるかは不明だが、そんなことを言っていては信頼されるなんて土台無理な話だろう。

 俺はテツとアオイに振り返ると二人とも頷いてくれた。


「わかりました。では、その模擬戦を受けます」


「それは上々。では其方の一番手は誰にするかね?」


「俺が出よう」


 三の村の村長の言葉にテツが一歩前に出る。


「人間族側はそなたか。なら我らは·······「俺に出させろ! 三の村のジジイ!」······良いだろう。お主が行け、一の村の若者よ」


 三の村の村長の言葉を遮ったのは先程俺達の事を認めないと言っていた獣人だった。


「俺の名前はハウエルだ。冥土の土産に覚えておきな!」


「ハウエル殿だな。俺の名前はテツだ。全力を尽くそう」


「では、模擬戦開始」


 どうやら審判もそのまま三の村の村長がやってくれる様で、二人がお互いに自己紹介を始めると、模擬戦開始の合図を出して後ろに下がる。


「潰れやがれ!」


 開始と同時にハウエルさんがテツに飛びかかる······が、


「グラビティ」


「グァッ!」


 テツの発動したグラビティの魔法により、地面に縫い付けられる。


「グッ、身を守るための咄嗟の行動とは言えここまでの重力を発生させるとは·······貴様もただでは済むま······」


 ハウエルさんの言葉が止まったのは恐らくあり得ないものを見てしまったが故の事だろう。

 重力の影響は受けている。それは、彼が踏み出す度足下に生まれるヒビが示している。

 なのに······なのにだ。獣人族である自分が起き上がれない様な重力の中を悠々と歩く人間がいる。

 それはハウエルさんにとって認めがたい事だったのだろう。


「ふっざけんなぁ!」


「むっ!」


 急にハウエルさんからプレッシャーが吹き荒れ、ハウエルさんに近づいていたテツが身構える。


「おせぇ!」


「ぐぉっ!」


「テツ!」


 先程まで地面に伏せていたはずのハウエルさんが姿を消し、テツに襲いかかった為体勢を崩したのだ。


「死ね!」


「だが断る!」


 再び襲いかかるハウエルさんに、声を頼りにメイスで反撃するテツだが、


「だからおせぇんだって!」


「ぬぅ!」


 ハウエルさんの姿をとらえる事はできず、簡単後ろから攻撃される。


「す、姿が······見えない!?」


「先程までとはまるで速さが違う·······だと!?」


「くははははは! さぁ、このまま刻んでくれるぞ! いくら重力魔法を使おうが風を捕らえる事はできん!」


 言葉から考えるにハウエルさんは緑魔法師のようだ。テツは茶魔法師だから相性はかなり悪い。そして、緑魔法師は攻撃力が高い。つまり、致命傷にもなりやすいということだ。


「テツ!」


「心配無用!」


 テツに降参を促そうとしたが、遮られてしまった。相手も捕らえられず、属性の相性も不利なこの状況で何とかする方法があるのだろうか?


「俺を捕らえられもしない状態でよくそんな強がりを吠えられるな! そういった強がりは俺を捕らえてから言うのだな!」


「確かに俺がお前を捕らえるのは難しいどころか不可能だろう」


「くははははは! 諦めたか!」


「だが·······」


「喰らえ! ·······なっ!?」


 先程まで余裕をぶっこいていたハウエルさんが驚きの声を上げると同時に、鎌鼬の様な姿が現れる。あれ?さっきまでのハウエルさんはこの様な姿ではなかった筈だが······?


「貴様! 何をした! なぜ俺の鎌が砕ける!?」


「ふむ、捕らえられぬのならば相手の方から当ててもらえばよいと考え、魔力で鎧を作成したのだが·······やはり無傷とはいかんか。それよりもお前の姿に驚かせられてるぞ」


 やはり、テツもあの姿には驚いたらしい。


「ふん、貴様ら人間が知らぬのも無理はない。これは我ら獣人族のみが使用できる力。魔法の力で自らの中に存在する獣の力を目覚めさせ、一時的に強大なパワーを得ることができる『魔獣化』だ」


「加えて言うなら、ニナが習得した奥義がこれにゃ」


 成る程、確かに奥義というだけはある。俺も少しは鍛えていたはずなのだが、ハウエルさんの動きを捕らえることが出来なかった。


「成る程······話を聞く限り、お前の魔獣化とやらには魔力が切れるまでの制限時間があると見た。つまり、お前の攻撃が俺を倒すのが早いか、お前の魔力が切れるのが先か······シンプルで良いじゃないか。俺はごちゃごちゃ考えるのは嫌いだからな」


「はっ! 軟弱な人間ごとき、直ぐにぶっ倒してやるよ!」


 言うが早いか、欠けた筈の鎌がみるみる再生していく。


「行くぞおらぁ!」


「来い!」


 ハウエルの攻めとテツの受け。二人は決着がつくまで幾度となく交わるのであった。

読んで色々と突っ込みどころはあるとは思いますが、決して突っ込みはしないでください(笑)


「フェア○ーテイ○かな?」とか思う方もいらっしゃるかもしれませんが、突っ込みは無しでお願いします!(大事なことなので二回言いました)


では、読者の皆様も体調にお気をつけてお過ごしください。

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