ニナの話
大変お久しぶりです。
前回の更新より大変時間が空いてしまい、大変申し訳ございません。
今回生存報告も兼ねましての更新となります。
また、大変ありがたい事に、本日書籍版の3巻が発売しております!
お手元に取っていただけると幸いでございます!
六の村の村長の話が終わり、俺たちも話そうとしたのだが·······。
一体どこから話せばよいのだろうか?
ここに来た理由? そもそもニナやレッカと知り合った経緯からか? 助けを求めてアオイの方を見ても首をかしげるだけだ。
「ニナに任せるにゃ」
そんな俺の迷いを感じたのか、ニナが一歩前に進み出る。
「初めましての方も多いと思うから先に自己紹介をするにゃ。ニナは四の村の獣人にゃ。そして、今回の騒動のボスであるアルファの友達······だったにゃ」
しかし、その事は先程のケモナーさんの言葉から予想ができていたのか、一人を除いて特に大きな反応は無かった。
「ふむ、ニナと言ったか···ならばお主はそこにおる四の村の村長代理よりも詳しく知っておるということで良いのだな?」
三の村の村長の言葉にしかしニナは首を横に振る。
「あれは·······あれはもうニナの知るアルファじゃなかったにゃ」
「······? どういうことだ?」
「ニナの知るアルファの適性職業は緑······ニナと一緒だったにゃ。でも、私が見たあの時のアルファは黒い炎を使っていた。つまり、何があったのかはわからにゃいけど、今のアルファの適性職業は赤に変わってしまっているのにゃ」
「適性職業の変化······だと!? そんなことが·······」
「ニナの知っているアルファの戦い方も緑魔法を使ったものになるから、今のアルファの戦い方はニナには全くわからないのにゃ·······」
ニナのもたらした言葉が信じられなかったのか、会議場がざわつきを見せる中、六の村の村長がケモナーさんの方を見る。
「確かにアルファの適性職業は緑だったはずだ。私もアルファ、ニナ、レッカの三人の適性職業を決める儀式には列席していたが、その時にアルファ、ニナ共に赤の適性が全くないことを確認している」
「·······なるほど。ニナとやら、話の続きを頼む」
「ニナとレッカは、アルファが黒い炎を使っているのを見て、ケモナーさんと同じように里を逃げ出す事にしたにゃ。でも、私たちはケモナーさんとは違ってアルファに見つかっていた事から、追っ手の数が凄まじく······レッカが囮として残ったにゃ」
「ふむ、その際に我々同族では無く人間であるそこの者達に助けを求めた理由を聞いても?」
「ここがまだ無事という確証を持ててなかった。それだけの理由にゃ」
「ふむ······しかし、なぜ人間に?」
「ニナにはランクは高くないとは言え人間の冒険者としての身分もあるし、冒険者養成学校時代の仲間もいたにゃ。個人的にもアオイ達は信頼できるってわかってるにゃ」
ニナの言葉に納得したように頷く三の村の村長だが、そこに待てがかかる。
「じゃあ、何か? おめえさんは仲間である俺達獣人より、こんな人間を信じたって事だな?」
「おい! 止めんか! 彼女の言ったことは十分に納得できる事だ。私でも彼女と同じ状況に陥ったならばそうする可能性が高い!」
「うるせぇ! それでも人間なんかを頼るだなんて、俺等獣人の風上にもおけねえ! 第一人間なんかを連れてきて何の役に立つってんだよ」
「一旦黙れ!」
「ゴッ!?」
一の村の村長の後ろに控えていた老人が一の村の村長を一喝すると拳骨を落とす。
「失礼した。四の村の客人、そしてニナ嬢。こやつは過去にあった出来事もあり、人間を毛嫌いしておってな······だからといってこの様な失礼な態度を取っても良いというわけでも無し、とうかこの通り許してやってはくれんか」
そこまで言い切った後で頭を下げる。
「ニナはそこまで気にしてないのにゃ」
ニナはそう言いきったが、俺は目の前で起きた光景にショックを受けていた。
獣人と人間の軋轢に関しては、本で読んだ事があった為、知ってはいたが、俺からしたら過去のことでしか無かったのだ。ニナやレッカが俺達人間が相手でも変わりなく接してくれていたというのも大きいだろう。
「······ふむ。しかし、一の村のが言ったことにも一理はある」
唐突に放たれた三の村の村長の言葉にケモナーさんが目を細める。
「·······どういうことだ?」
「これから共に戦うという者の実力を知らんというのは問題であろう。というわけで模擬戦を提案したいのだが如何か? 我々からすれば客人がどの程度の力量を持っているか測ることができ、客人からすれば結果にもよるが、手っ取り早く我々からの信頼を得られる。どうだ? 悪くない提案ではあると思うが?」
うーん。書いたのが久々ということもあってか、割とぐちゃぐちゃになってしまったような。
また確認して直さないとですね…
また更新は不定期になってしまっておりますが、書籍版共々よろしくお願いいたします。