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最初の問題

 その他にも確認事項を確認し終えた俺たちは、宿屋の男部屋(俺とテツが使っている部屋)に集合していた。


「まず、問題点を纏めるか。一つ目は、敵となりうる数だけど······」


「まず、獣人は大樹海の中に幾つかに別れて生活しているにゃ。総数ではどれくらいの数がいるかはわからないにゃ」


 俺が目線を向けると意図を察してニナが説明してくれる。しかし、総数不明か······これでは作戦もたてようが無いんだけど、


「ニナ、お前とレッカを追ってきた中にはお前たちの住む里以外の者が混じっていたか?」


「んー······いや、絶対とは言いきれないけど混じってはいなかったと思うにゃ」


 質問に対してニナが答えると、テツは満足そうに頷いてこちらを見る。


「ならば一旦は最低限の備えとしてその里の人数をどうにかする方法を考えるとしよう。最低限その数をどうにかしないといけないしな」


 テツの言葉を聞いてその場に沈黙が落ちる。


「······まず、ニナ達の里に住んでいるのって何人くらいなの?」


 さっきまで書記として紙に色々と書き込んでいたアオイが顔を上げてニナにたずねる。こういった場では字が一番綺麗で、纏めるのが上手なアオイが書記をつとめることが多い。


「多分150人くらいで······多くても200人は越えないと思う」


「わかった」


 アオイが紙に200と書いて丸で囲む。


 要するに200人と相対してニナの幼なじみであるアルファの所まで辿り着くことを前提として作戦を考えていくのだろう。


「それにしてもよく逃げ切れたな」


 俺なら200人に囲まれたら逃げ切れる気はしないんだが······


「多分だけどニナ達がその場面を見つけた段階ではまだ、全員を操れていた訳では無いんだと思うにゃ、それに······いや、何でも無いにゃ」


「?」


「どうしたんだ?」


 テツも今のニナの言葉にあった妙な間に疑問を感じたのか、ニナに聞いている。


「気のせいかもしれないけど何かおかしかったような? うーん······わからないにゃ」


 ニナは必死で思い出そうとしているようだが、どうやら思い出せなさそうだ。


「まぁ、思い出せないなら仕方がない。また思い出したときに教えて欲しい。······次にだけど、ニナの探知の範囲ってどれくらいだ?」


 少なくとも俺たちと組んでいた時でも、半径50メートルまでなら探知できていた筈だが、俺たちは成長したニナの探知の範囲を知らない。


「今なら開けた場所限定になるけど、最大半径500メートルは行けるにゃ。でも、個人や魔物の種類の判別とかになると、100メートル~150メートルくらいじゃないと厳しいにゃ」


「「「······」」」


 何て言うか······圧巻だった。現在俺の生命感知とアオイの熱感知の範囲が半径50メートルなので、元々探知が得意な緑魔法師であるニナの探知はもっと広くなっているだろうと考えたのだが、それでも予想以上の広さだった。


「それなら一旦大樹海に向かうっていうのはどうだ?」


 俺の提案に皆が俺の顔を見つめた。

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