始まり
読者の皆様お久しぶりです! そして大変お待たせ致しました!
そして、書籍版を買ってくださった皆様、買ったよコメントや報告ありがとうございました!すごく励みになっております!
本日より5章を始めさせて頂きます!
この5章より一部、書籍版に設定が準拠します。
書籍版を買ってくださった皆様はもうお分かりかも知れませんが、今後レッカとニナを獣人として扱います。
azuタロウ先生の描かれた猫耳ニナちゃん可愛すぎてヤバイです!
よろしくお願いいたします!
「アオイ! そっち行ったぞ!」
「ん······任せて。水弾」
アオイの放った魔法が今回受けた討伐依頼の対象であるファザーズベアに炸裂する。強さもE級程度の比較的弱い魔物なので、当たった個体から力尽きて倒れて行く。
「お疲れ! アオイ、大丈夫か?」
「ん、問題ない」
俺はアオイの方へと追いたてたファザーズベアが全滅したのを確認してからアオイと軽くハイタッチする。
「ふむ、俺の方もいざという時のために備えていたが必要無かったようだし······もうアオイの体の調子は良さそうだな?」
「······もうバッチリ」
アオイを氷の塊から解放してもう2週間。その間俺とテツは二人で受けれる簡単な依頼を受け、アオイはミズキさんの元でリハビリに励んでいた。
今日はリハビリも一通り終了したようなので、アオイの体の調子が戻っているかどうか確認するために軽い依頼を受けていた。内容はこんな感じだ。
『ファザーズベア大量発生の調査
依頼内容 ファザーズベア大量発生の調査
期限 至急
制限 冒険者ランクDランクの5名パーティーもしくはCランク以上2名以上を含むパーティー
報酬 金貨5枚
備考 ファザーズベアが大量発生しているとの報告を受けています。ファザーズベアはE級の魔物ではありますが、数が多いとその数に押し潰されてしまいますので、調査の際にはお気をつけください。討伐された場合は別途報酬を用意させて頂きますが、何よりも情報を持ち帰ることを優先して頂くようお願い致します』
「しっかし、全部で75匹か。森の中に散ったのが20くらいいたから大体全部で100くらいか?」
「ん······結構倒したし後は報告して、他の人に任せれば問題ない」
「ふむ、ならば帰って依頼の報告に向かうとしよう」
歩きだしたテツの後ろに並ぶようにして帰路へと向かう。魔物の死体の処理に時間がかかってしまったためにもう夕暮れだ。今から冒険者ギルドに依頼の報告をして帰れば丁度宿のご飯が出来るくらいだろう。
今日まではテツと俺は宿屋で、アオイはリハビリの関係上ヤマト家でお世話になっていたのだが、リハビリが終わったので今日からはアオイも宿屋で一緒に泊まる予定だ。
ミズキさんは、
「ノエル君やテツ君と一緒にここを使ってもいいんだよ?」
と言ってくれたそうだが、アオイは、
「私はもうアオイ・ヤマトじゃなくてただのC級冒険者アオイ。だからここを使うわけにはいかない」
と言い切って宿屋に移って来たらしい。
ちなみに部屋割はテツが一人部屋で、俺とアオイで一部屋だ。
······俺はテツと同じ部屋を借りていたはずだったのにいつの間にかこうなっていた。解せぬ。テツにもそう言ってみたのだが、
「ふむ、お前達はもう正式に付き合っておるのだ。べつに部屋が一緒でも構わんだろう」
と言われてしまった。
確かに俺とアオイは例の一件の後付き合い始めた。
だが、誰にもその事は話していないはずなのにどうして周りの皆が知っているのだろうか? アオイに聞いても話してはいないと言っていたのだが······
「······どうしたの? ノエル。考え事?」
アオイに話しかけられて我に帰る。見ると報告用の受け付けカウンターの順番が迫ってきていた。
俺は何でも無いとアオイに返すと依頼報告の受け付けカウンターで今回の依頼についての報告を済ませる。
「······これで以上です」
「かしこまりました。······あっ、朝焼けの空の皆様が戻ってきたら伝えるようにと伝言を一件受け取っています」
伝言? またミズキさんが何か呼んでいるのだろうか?
「話したいことがあるので至急来てほしい。とのことです。場所は、ギルドの宿泊施設ですね。差出人は······」
差出人の名前を聞いた瞬間、俺たちは頷きあってギルドの宿泊施設へと急いだのだった。
次回更新は······申し訳ないですが、恐らく来週の水曜日ですね。
書籍化作業と平行して頑張っていきたいと思います。
そういえば少し前に見たときにまた日間と週間のランキングに載っていました!!
書籍化効果ってスゲー!