ノエルvs. 勇者2(っていうか終幕)
ハイハイ今回で勇者君の出番終わりよー
正直半分寝ながら書いているためあんまり纏まりが無いように感じますがご容赦を······
「何故だ! 俺は勇者だ! 勇者は誰にも負けないはずだ!」
叫びながら放ってくる雷魔法を回避する。
雷魔法はその速度も威力も凄まじいものがあるが、あくまでも軌道は直線的でしかないため、発動のタイミングさえわかっていれば回避するのは難しくは無い。
「クソッ! クソッ! クソッ! なんで当たらねぇんだよ! 避けてんじゃねえよ!」
そんな勇者の言葉を無視して俺は勇者相手に距離を詰めていく。
勇者は魔法が完全に見切られている事に気づいたのか、魔法を打つのをやめて腰に刺していた剣を抜く。
「どうなってんのか知らねぇがこれで決めてやる! これが俺の切り札『雷神剣』だ!」
その言葉と共に剣が雷を帯び始める。
「『雷刃』!」
「何を───っ!?」
勇者が剣を振るうが、明らかに俺はその間合いにはいない。どういうつもりかと眉を潜めた俺に向かって雷の衝撃波が襲いかかる。
「······クッ!」
回避しようとしたがこの衝撃波の軌道上にアオイ達がいることを思い出してその場に留まる。
俺は衝撃波に合わせて魔導書を振るう。
流石不壊属性持ちの武器だ。見事に衝撃波を打ち消してくれた。
「クハハハハ、成る程成る程······お仲間を見捨てることはできねぇってか? ならそのままお仲間を攻撃の範囲内に入れればお前は避けることは出来ないって訳だ······さっきは何とか打ち消したようだが、どこまで耐えれるかな!」
「全力行使」
勇者が剣を振り切る前に全力行使を使い、懐まで入り込んで剣を止める。
「なっ───がふっ!?」
驚愕している勇者に構わずに殴り飛ばす。今度は全力行使を使用しているせいか勇者が壁にめり込む事態になった。
「俺の前でそんなことをさせるわけが無いだろ! いい加減敗けを認めて諦めろ」
しかしながらここからが問題だ。
俺はさっきから殺そうと思えば幾らでも殺せたが決して勇者を殺すことは無かった。
その理由は、可能ならばこのまま勇者に魔王を討伐して欲しいからだ。俺に敗けて自身の満身を知り、鍛えて魔王を倒してくれれば俺も態々分の悪い戦いなんてしなくてすむ。
「······そう考えていたんだけどなぁ」
どう見ても勇者は敗けを認める雰囲気でも無い。最悪の場合自分とアオイ、テツの身を守るために勇者を殺さなくてはいけなくなるだろう。
大丈夫だ。前回とは違って今回はその可溶性が高くなると考えていたため、きちんとその覚悟はしてきている。
そう考えて改めて勇者と相対した俺が見たのは勇者に襲いかかる黒い炎だった。
次回! 勇者死す! デュエルスタンバイ!
(もう死んでるのでは? とか言っちゃいけない)
次回更新は水曜日予定です。勇者を倒したのがノエル君じゃなくてモヤモヤされるかとは思いますが、ここでこのキャラを出しておかないといけないと思ったので、勇者君には早々に退散していただきます。
次回から始まるであろう矛盾の直しが怖ひ。
では次回もよろしくお願いいたします!