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目覚めて

ギリギリ0時過ぎてしまった······


申し訳ないです。

「······ん」


 いつの間にか意識を失ってたのか、唐突に目を覚ます。


 ────なんか最近こればっかな気がする。


 そして、大抵その後嫌な目にあっているので、今回は最大限警戒をしておく。


 警戒しつつ辺りを見回して最初に目に入ったのは───、


「ふむ、目を覚ましたかノエル。丁度良いタイミングだ。目を覚ましたということは、無事に試練を突破出来たと言うことだな?」


 花柄のエプロンを身につけたテツの姿だった。しっかりと手には料理の入っているらしい鍋まで用意されている。


 俺は思わず目を擦ってからもう一度テツの方を見るが、テツのその姿が変わることは無かった。


「テツ······その姿は一体?」


 テツの質問にも答えず、思わず尋ねてしまったのも仕方がないだろう。


「まぁ、気になることは多々あるとは思うがまずは食え。二日も試練に潜りっぱなしだったのだ。腹も減っておろう。話はその後だ」


 テツが軽く足踏みして作り出した小さめのテーブルの上に持っていた鍋を置く。


 漂ってきた匂いを認識すると同時に体が空腹を認識したのかグーッという音がなる。


「食べても良いのか?」


「無論だ。ノエルのために作ったものだからな。ふむ、どうせならシャナとウィン殿も呼んでくるとするか」


 テツの「無論だ。」という所から食べ始めていた俺は食べながらテツが部屋を出ていくのを見送る。


 丁度俺が鍋の中身を空っぽにした頃、テツに連れられてウィンさんとシャナさんがやって来た。


「無事試練を終えられたようですね。おめでとうございます」


「·······そうね。よかったわ」


 ん? 何だかウィンさんの様子がおかしい気が······?


「取り敢えずノエルの食事も終わったようだし、話を聞くとしよう。まずは先程聞いたことだが、ノエルは勇者の力を得ることができたのだな?」


 テツの言葉に俺は頷くことで肯定の意をを示す。


「ならば魔王のことは?」


 俺はテツを見てから他のメンバーを見渡す。


「心配せずともこの二人は魔王について知っている。ウィン殿には俺から伝えたからな」


 一瞬どうしてテツが魔王について知っているのか疑問に思ったが、よく考えれば早見 昴が魔王を打ち倒すために力を与える存在に魔王についての情報を与えないわけが無い。その試練を行っている所に住んでいるテツがそれを知らない理由は無いだろう。


「取り敢えず倒すことはできないっていうのと、触れたら死ぬってくらいのことは知っている」


「なら今のノエル一人では倒せないことも理解しておるな」


「あぁ。だから俺はテツに協力してほしい。魔王を倒すのに力を貸してくれ」


 俺の差し出した手をテツは掴むと、


「当然だ。俺は勇者と共に戦うためにここにいるのだし、ノエルが勇者の力を手にいれた原因も俺だ。なら最後まで付き合うのが筋という物だろう」


 そう言って男らしく笑った。

次回投稿は水曜日予定です!

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