対面
今回短いです。申し訳ないです。
結論から言って礼儀をそこまで気にする心配は無かったようだ。
まぁ、礼儀を気にしなくてはいけないのならとっくの昔に誰かに注意されているはずだしね。
「それにしても······うーん。どうしましょうか?」
テツの方をチラチラと見ながら何かを考えているミズキさん。
「どうしたんですか?」
ミズキさんが悩んでいる姿が珍しくて思わず声をかけてしまった。
「今回私はヤマト家の人間としてアオイちゃんとノエル君をヤマト家に連れていこうと思っていたんだけど······」
そう言って再びテツの方をチラチラと見る。
なるほど、俺たち二人だと思っていたのに実際にはテツもいたからどうして良いかわからなかったのだろう。
「ふむ、ならば俺も連れていって欲しい」
いやいや、テツよ。それで良いわけが無いだろう? ミズキさんがここまで渋ると言うことは何らかのテツを連れていけない理由があるからだろう。それをテツに伝えるが
「いや、問題ない。何故なら俺も一属性のみの適性を持つ者だからな。冒険者ギルドにも頼んでいたのだが、ノエル達がヤマト家にパイプを持っていてくれたお陰で余計な時間を短縮できた」
「それはどういう·······?」
テツの言葉の意味が俺にはわからなかったが、ミズキさんには解ったようだ。さっきまでチラチラと見ているだけだったのが、今はガン見に変わっている。
「テツさん······と言ったかしら? あなたはどこまで知っているの?」
今度はミズキさんが臨戦体制になって意味深な発言をする。いつの間にかミズキさんの足元には水で作られた狼が二匹控えていた。
俺とアオイは訳がわからなくて顔を見合わせる。
そして、テツは
「俺はあなた方ヤマト家と同じ役割を持つ家の者です」
その言葉を聞いたミズキさんが力を抜く。足下の狼も水に戻って消える。
「そう。それなら大丈夫ですね。失礼しました」
ミズキさんがテツに向かって頭を下げるが、俺とアオイは全く話についていけずに思わず声を上げる。
「ちょっ、ちょっと待ってください。ミズキさんとテツはさっきから何の話をしているんですか? 俺達が呼ばれたことと何か関係が?」
「ごめんなさい、ノエル君。でもここでは何も話せないの。事情はヤマト家で話すから取り敢えずついてきてくれないかしら?」
ミズキさんが俺の目を見て言った。俺は事情を知っているであろうテツに目を向けるが、テツも
「すまんな。俺も話すことは出来んのだ。しかし、別についていったからと言って恐らくそこまで悪いことは起こらんだろうし、二人が行かないにしても俺は行くことになる」
とだけ言うと腕を組んで黙り混む。アオイはというと、俺がアオイの方を見てるのに気づくと頷いて
「大丈夫、ノエル。ミズキ姉さんが私たちを害する理由が無い」
と言った。俺は確かにそうだな。と納得してミズキさんに了解の旨を伝えた。
「ありがとう。じゃあ早速行きましょう」
そして、ミズキさんに連れられた先で俺たちを待っていたのは一人の青年だった。
恐らく俺たちと同い年くらいだろう。
その青年はこう名乗った。
「俺の名前は亡拾骸。異世界から魔王を殺すためにやって来た勇者ってやつだ」
遂に今回勇者様と対面!
あっ、誠に申し訳ないのですがまたまたやらなきゃいけないことが出来まして、次の投稿日がちょいと未定となっております。
申し訳ない······
とは言ってもできるだけ早く再開できるようにガンバります!