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魔法練習その1

更に確認してみると評価もいただいておりました!


本当にありがとうございます


もう画面見てニヤニヤが止まらないです

 深夜の狼に魔力について教えてもらってから僕は毎日自由時間を孤児院の中で過ごすことにした。


 というのも魔力の循環練習も筋肉トレーニングも別に外でやる必要はないのだ。むしろ中でやらないと、ただでさえ狭い庭の中で何人もが走り回ったり棒をふりまわしているのだ。


 端のほうでしていたとしても危険だ。


 なので自由時間の5時間のうち、最初の4時間を魔力の循環と筋肉トレーニングに当てて、体を休めているときは魔物の生体の勉強などをし、皆がへばって順番に中に戻ってくる一時間を使って外での走り込みをするという形を取った。


 その後、シャワーを浴びて夕食を食べ、極度の疲労によりすぐに就寝する。


 そんな生活を繰り返していた。


 1日目はうまく魔力を循環させながら筋肉トレーニングをすることができずに直ぐにバテてしまって勉強時間は短くなってしまったし、走り込みも魔力を循環させながらとなるとかなりしんどく、30分後にはウォーキングになってしまっていた。

 

 その状態で2週間も続ければゆっくりとなら魔力を循環させながら筋肉トレーニングをすることもできるようになったし、走り込みも魔力を循環させながらできるようになった。


······ただ、魔力を循環させていると体が少しだるくなっているが。


 そして、訓練開始から1ヶ月もすると魔力循環をしながらの筋肉トレーニングも簡単になり、走り込みも魔力を循環させながらしている。そして、むしろ疲れなくなってしまったので夜の寝るまでの時間を魔物の生体等の勉強に費やした。


 大体の孤児が孤児院からの卒業後冒険者を目指すことからこの孤児院には冒険者として必要な知識を揃えるための本がかなり多い。


 今僕が順番に読んでいる『ルイス魔物全集』なんかもその一つだ。


 そのため、僕はそれらの本を順番に読んでいるのだ。


 孤児院を卒業後パーティーを組めるのならそのパーティーの足を引っ張らないように、ソロでいくならソロでも稼げるように。


 しばらくしてまた深夜の狼がやって来たが、彼らは僕を見た瞬間怪訝そうな顔をした。


「どうかしましたか?」


「少し筋肉がついたか?」


「まぁ、前がひょろひょろ過ぎたってのもあるんだろうけど」


「それに······多分ですけどー」


「魔力もかなり増えてますよね?」


 僕の不思議そうな顔に深夜の狼のメンバーが順番に疑問に思ったことを口にする。


「筋肉は筋肉トレーニングをしてたからついたんだと思うんですけど······魔力ってそんなに増えているんですか?」


 攻撃魔法どころか魔法を使えない僕には増えていても測る方法がないためわからないのだ


「えーっとー······多分最初の2~3倍くらいですかね? これくらいあれば休憩なしでも魔法をある程度は使い放題ではないでしょうか······ふむ、少し早いかもと思っていましたが回復魔法と支援魔法の練習を始めましょうか」


「ならシエラ、ノエルを頼んだ。流石に俺たちもノエルばっかりに構っているのも問題だからな」


「えー、僕はノエル君と一緒にいてもいいんですよー?」


 シエラさんの言葉にウェルさんが同調して僕と一緒にいたいと駄々をこねるレンさんを引っ張っていく。


 それを苦笑いしながら見送ると、シエラさんが僕に回復魔法と支援魔法を教えてくれる。


 白魔法師の本分は回復と支援だ。


 そういう意味では支援もできる青魔法師であるシエラさんが教えてくれるのは道理に叶ってるんだけど······


「白魔法師が青魔法師の支援魔法と同じものを覚えられるんですか?」


「まぁ水属性の支援魔法を覚えることはできないのですが、誰もが共通して使える無属性のヒールと身体能力向上のブーストなら教えられますよ。試しに私がかけてみますね」


 そう言ってシエラさんは僕にブーストをかけてくれたんだけど


「あれ? この感覚って······」


 いつも走り込みしているときに魔力を循環させている時の感じに似ているような?


 それをシエラさんに伝えると何かを考え込んでから


「では一度魔力循環をさせてみてください」


 と言われたので魔力循環をしてみる。


「これは····魔力循環? いえ、かなり下手······というか魔力を垂れ流しすぎですが····一応ブースト······みたいなものにはなっていますね。しかもリジェネ効果つきですか」


 シエラさんがため息をつく


「どうしたんですか?」


 珍しい様子のシエラさんに訪ねると


「無自覚とは言えもうノエル君は魔法を使えるようですね。後はその魔法に使う魔力をコントロールすれば完成です」


「どうすれば?」


 つい先日ようやく魔力の循環ができるようになっ······


「あっ、ちなみにこの状態じゃ魔力の循環はまだ完成してないですよ?」


「え?」


 いきなりの心を読んだかのような言葉に僕は固まってしまう。


「今のままではただ魔力を垂れ流しているだけです。循環とは体の中で魔力を回すことですからね。体全体を回したあと最後に魔力を元の場所に戻してみてください」


 元の場所に戻す······か。


 要するに適当なところで動かすのをやめるんじゃなくて回路のように繋げればいいのかな?


「おっ!?」


 それをイメージしてやってみると一気に体が軽くなった気がした。


 心なしか魔力を循環······というより動かしていた時に少し感じていた気だるさもなくなっているようだ。


「おめでとうございます。ノエル君。一応それがまぁ、魔法というわけではありませんが、感覚としてはブーストの感覚です。どうして魔力循環してるだけで魔法が発動しているのかは不明なのですが······」


「これが······ブースト」


僕の言葉にシエラさんは頷くと


「それを魔法として自分にかけるのは魔力循環すれば良いとしても、他の人にかけれるようになれば完成ですね。さてと······次にいきましょうか」


と微笑んだ。

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