シャーリィ・テンプル・ノイマン
家族構成がおかしいので修正をいれました。申し訳ありません
「助かりましたわ、お嬢様もお礼を…」
「ありがとう」
この侍女…さっき俺に視線を飛ばしてたな
「40メル程ありましたので間に合わないかと思いましたウフフ」
「なに、ミランダ見張っていたのか」
「いえ、探し出して見つけたときには手遅れかと思ったのですが」
「くぅ…」
「お嬢様、いくらヘンドリック様が居ないからといって宿から抜け出すなど、今回は此方のお方が助けて下さいましたが、どうなっていたか…」
…いや、きっとこの女性態とだな。
隙をつかれて逃げ出されたわけでも無い。
さっきの視線は10ネル無かった筈だ、
しかもこいつらぐらいのチンピラなら即殺しそうだ。
君子危うきに近寄らず、三十六計発動。
「では…」
「(ガシ)ではお礼もございますのでどうか」
「いえ、礼を言われる程では、それでしたらこの後始末を」
む、掴まれた腕が軽く捻りを
これは逮捕術の応用…
「態とですか(図りました?)」
「いえ、なんのことでしょう(めっそうもない)」
「わかりました、招待をお受けしますが、連れもいますので其方へ先に連絡させて頂けませんか」
「畏まりました」
駆けつけた警邏に事情を説明し、カードを提示、ああ初めて金の恩恵があったかも。
チンピラ1~5が連行されて行き、慶司とシャーリーとミランダは宿へと向かった。
「あら、奇遇ですわ、同じ宿です」
「ホントに奇遇ですね」
「む、同じ宿の方だったのですか」
さすがにこれは偶然だろう…聞けば1日前にはこの宿に到着したらしい。
しかし到着後に調べられた可能性は捨てきれない。
どうにもミランダという侍女は只者ではない。
時には警護役が侍女に扮するのも在り得る事である。
「ではちょっと待っててください」
「はい」
とりあえず事の経緯をエルに話して置く。
荷物をエイミーに渡して再度出かける。
「まあ主様だから何か面白い事になるじゃろう」
とエルは笑っていた。
できればならないで欲しい。
「それで、流石にお部屋に伺うわけにもいきませんが」
「今私どもと一緒に旅をしておりますヘンドリックもおりませんので、下でお話を」
「解りました」
宿の一階は食堂になっていて泊まっている客以外にも解放している。
人数分の軽く酒の入ったジュースを注文した。
「改めまして、私こちらの主人に仕えておりますミランダと申します」
「私はシャーリィ、と言います」
「慶司です」
「先程の見事なお手並み、名のある冒険者の方とお見受け致します」
「はぁ」
「失礼ながら慶司様はこの町に何日程ご滞在のご予定ですか」
「実は旅の途中で立ち寄っただけでして明日には出発します」
「そうですか、ではお礼は直ぐにでもしなくてはいけませんね」
「あーいや、別に構わないんですよ」
「そういうわけにはいかない、私も助けられたままではすまない」
「ただ私共は国外から来ておりまして金銭での御礼が出来ないのです。
ですので此方の髪飾りをお渡ししますのでお納めください。
そちらをもし今後ブルトンへお寄り頂く事があれば、ノイマン家にて相応の対応を受けれるようにさせて頂きますので。」
「困りましたね、ただあれだけの不良冒険者を退治しただけですから」
「当方としては他に現在渡せるとしたら私ぐらいのもので」
「ミランダ? それはならんぞ」
「あの、そういうものは軽々しくは…俺も妻が居ますし」
「ああ、お連れの方々でしたか…」
「そういう訳でこの髪飾りまで頂く訳にはいきませんよ、
この髪飾りの加工を見ただけで一流の品です、
小金貨にしても10枚近い物ですよね、
誰かに頂いた物か大切な物でしょう」
「ミランダ、私のこのヘアピンを売って来て頂戴」
「お嬢様、それこそお母上様の…いけません」
「ではこうしましょう、書状かなにか頂いて、後日お伺いするという事で」
「慶司様は…あの…失礼ですがお金にお困りではないご様子ですが」
「まあこれで冒険者ですからお金が嫌いな訳ではありませんが、
今現状でお金には不自由しないだけの蓄えはあります」
「そうですか、では、なおさら…
あの、慶司様達はこの後どちらへ向かわれるのか、
教えて頂けませんでしょうか」
「一応今の予定はベネアに行きそこからグラームへ向かう予定ですね」
「宜しければ護衛として一緒にグラームへ向かってもらえませんでしょうか」
「ミランダ?」
「事情をお聞かせしてもらっても構いませんか、
流石に自分の一存でも決められませんが」
「お嬢様、ここは事情を打ち明けてお願い致しましょう」
「わかったわ、ミランダの判断を信じましょう」
「では、慶司様さすがにここではお話できませんので、
後ほど同行者と共にご説明に上がりたいのですが」
「わかりました」
「じゃろ、やはり主様にはそのような星がついておる」
と大笑いするのはエルである。
こればかりは笑い飛ばせないのだが。
「それじゃ同行して護衛をしてあげるのかにゃ」
「うーん護衛ってあまりしたくないんだよね」
「じゃが考えてはいる訳じゃな」
「まあ、困ってるってのは、どうも何かあるんだろうね」
「人助けで慶司が何もしないのがおかしいにゃ」
「その通りじゃ」
「はぁ心辺りがあるだけに違う事だけ祈ろう」
だが慶司の希望は現れた男性を見て砕かれる。
「失礼致します、慶司様宜しいでしょうか」
「どうぞ」
「失礼する」
「失礼致します、こちらはヘンドリックと申しまして我らの旅の護衛担当の者です」
ええ、ギルドにいましたね
騎士様ですね
「私はブルトン王国の第一騎士団、団長を務めるヘンドリックと申す、先程ミランダが言ったように護衛の担当をしている。」
「そして、こちらがシャーリィ・テンプル・ノイマン第一王女殿下です」
「シャーリィ・テンプル・ノイマンです。ですが普通にシャーリィと呼んで下さいね、長ったらしい名前は嫌いですし、殿下なんてつけられるのも御免です」
「殿下、さすがにそれは…」
「いえ、こちらから事情を説明すると身分を明かしお願いする立場、間違えてはいけません」
「ハッ」
「というわけでして、私達はブルトンへ戻るのですが…」
それまでにあった襲撃を受けた話、金銭的事情などギルドで聞いた話を説明してくれた。
まあそれだけでは終わらなかったのだが。
「そして弟さんのアレクスを擁立する一派が狙ってくる可能性があると」
「はい、さすがに船などでしたら調べておけば襲撃を受ける事もありませんが、陸路を戻る最中ですと可能性は捨てきれないかと」
「お家騒動ですか、でしたら暫くこちらで待って本国と連絡を取られては如何ですか」
「いえ、本来でしたらロゲリア王国への使節派遣自体を王女が受ける事自体異例です、国王陛下が了承してしまったのにはきっと何かを吹き込んだ者がいるかと思われ、長期に渡り国外にいれば殿下の母上や弟君に危険が及ぶ可能性が高くなりますので戻らねばなりません」
「そういう訳なのです、貴方の腕と人柄を信じてお願いします」
「慶司様でしたら問題なく護衛して頂けると信じておりますわ」
「ミランダが信頼する腕ならば私も信頼をさせて頂く、どうか一つ護衛をお願いできぬだろうか」
「のう、主様、ブルトンならば我は良いと思うぞ」
そう、ブルトンは王自体は竜族に好意的であるという変わった国なのだ。
「人助けにゃ」
「二人も賛成のようですし、受けるとしたら、この三人でという事が条件になりますが、宜しいですか」
「ええ宜しくお願いいたします」
「さすがに人数が少ないのではないでしょか殿下」
「いえ、下手に人数を増やしたからと言って守れるものではない、そう私達は知ったばかりですし、慶司様にもお考えがあるのでしょう」
「まず、現在の馬車を処分して下さい、その間に私たちの荷車にお二人の場所をご用意します。
ヘンドリックさんは普段からホルスですか」
「うむ、一番得意なのはホルスだな」
「ではヘンドリックさんはホルスに騎乗して付いて来てください」
「それでは出発は明後日の朝にしましょう」
「あの、契約などはどうすれば」
「そうですね、一応護衛契約の相場はご存知ですか?」
「はい、護衛クラスに応じて一日の基本給があって、
鋼1で500リュート
銀1で1500リュート
鋼で100リュートづつ銀で500リュート
と聞いています」
「ですので自分の計算でいくと1日あたりの計算で5500リュートになります」
「失礼ですがランクは…」
「自分が銀3、エルとエイミーが銀1です」
「あのお支払いですが」
「実はヘンドリックさんをギルドで見かけたんですよ、それに先程のお話です書類契約にして後日ギルドを通してで構いませんのでそちらでお支払いください、そもそも自分達は護衛を主体にしてないですし、それと今回の旅では不自由な形で移動して頂きますし此方の指示に従ってもらいますので5500リュートの中に3人の食事代などを含めて計算します」
「それは助かります」
「では明日馬車を処分されるついでにギルドで書類を交わしましょう」
翌日の朝。
ミランダとシャーリーは荷物の整理、
エルとエイミーは荷車の荷物を仕分けるようにお願いした
慶司とヘンドリックは冒険者ギルドで書類を交わすために馬車に乗って出かけた。
先ず馬車を処分しホルスは荷物を持たせる分もいるので2頭とも連れて行く。
ギルドの裏で馬を預けて受付までいき書類契約と注意点を確認して書類を交わす。
受付の子には「やっぱり受けたんですね」と言われた
契約書に契約者ヘンドリック、チーム名白銀の翼とした所でヘンドリックが驚いた
「あの、チームなのですか」
「ご存知じゃなくて契約されたんですか?」
「ああ、たまたま知り合ったんだ」
「運がよかったですね、3人だけでチーム結成されてる金持ちですよ」
「え、いや、銀の3と聞いたんだが」
「慶司さんは護衛は銀ですが討伐の金10をお持ちですよ?」
「………え?」
ニコリと笑って誤魔化して受付の子は窘めて置いた
急いで宿へと戻ると慶司は荷車の加工をする為ウラヌスとアルテを繋いで荷車の加工をしてる工場へ赴いた。
急な話なので材料の木を売ってもらい、自分で加工する。
荷台の前方に板を交わしイスを作り低い背もたれをつける。
幌の部分の補強をして荷物を下げれるようにした。
雑貨屋でネット用の紐と綿と海綿とヘチマのような繊維を買い、金物屋で鋲を買って革張りのシートにしておいた流石にスプリングは間に合わないがこの荷車のスプリングは馬車と同程度なので我慢してもらうシート自体に入れた綿と海綿、ヘチマがふんわりしているからましだろう。
宿に帰って慶司は網を編みこんでゆく、幌に吊り下げれるように作ったフックへと掛けて荷物を入れるためである。
「予想通りじゃのぉ」
「………うぅ」
こうして夜は過ぎていった。
決して首を突っ込んでるんじゃないよと言いたい。
早朝から荷物を積み込みホルス1頭にも荷物を持たせると意外と少量な荷物に驚いた。
このお姫様は過度な荷物などは持ってきていないそうだ。
もともと少なかったのが襲撃の際に違う馬車の方が奪われていたのでさらに少なくなったらしい。
まあ、ピレード2頭の馬車であるから問題はないが少しはゆっくりとした速度になるだろう。
ピレードの馬車? に乗るのは初めてらしくシャーリーは喜んだ。
問題無いと思うが、慣れるまでは触れ合うのは危ないと伝えておく。
今までの馬車は横手に景色は見れても、
真正面で捉えられなかったので、
楽しい旅ができそうと喜んでいる。
暦は変わって紅月1日、
慶司達はシャーリィ達の護衛任務を引き受けた。
季節は秋に入ろうとしていた。
異世界見聞録を読んでくれて有難う御座います。
ここまでで第一部となります、まだまだ慶司達の冒険は続きます。
更新は少し遅くなってくるかと思いますが、どうか応援お願いします。
校正より物語を進ませることを重視していますので、読みにくい部分もありますが御了承下さい。
せおはやみ




