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逢魔時の戦いⅡ

「来た、ウィルドが3匹だ…チッ確認が甘かったか」


 どうする?とアンジェリカの声が聞いている


「これは…想定内ですよ、昔ドルドだと思ってドヌルの退治になったことがありまして」

「それと同レベル扱いか、正直3匹は私には荷が重いんだがな」

「とりあえず2匹を必ず対応しますから左端の奴だけ防御でいいので押さえ込んで下さい」

「わかった」

「じゃあ川を渡りきったところで弓2回、ドルドも10匹に増えてますから減らそう、エイミー左、エル右 俺が中央で合図で自由に発射するよ…3、2、1、放て!」


 バシュ、バシュ、バシュと最初の射撃で3匹が減る、次でエイミーとエルは射殺には至らなかったが当たって慶司は走り出す用意である。左手に槍杖を構えながらエイミーとウラヌス達の防御を高める。

 最初から全力で一匹は殺すことにした【竜撃りゅうげき八識無我はっしきむが】、身体能力に反応速度の加速を加える、脳内物質を増やし強制的に臨死体験と同じ状態を作り上げるドーパミンやエンドルフィン、さらにアドレナリンを精製させる臨死体験をするとこのように脳内物質が放出され時間感覚を数倍まで引き伸ばすことが可能である。【竜撃】そのものを進化させた形である。



 前回の反省を踏まえつつ慶司はリーマー状の穂先を出して走り出した、まず進路上にいるドルドへと一撃を入れていく、ドルドは3ネル程横へふっとび仲間にぶつかる。そのまま勢いを殺さずそのまま放ったのは【流水無常ノりゅうすいむじょうのかた】走った勢いまで乗せての一撃を繰り出した。頭部に一撃を食らわせて即死させ、右の一体へと向かった。仲間を殺されたことで走って向かってくるウィルドは魔素によってやはり強化されているだけあって素早い、しかもただ走ってくるだけでは無く自分の有利な位置を図りながら回りこんだのは知恵がある証拠だった、流石に動き回る相手に無闇に突っ込むことはしない。槍杖をもったまま右手を動かしてボーラを引っ掛けてこちらへ向きを転じた瞬間に投げつけた、電撃で怯んだ瞬間を狙い首の骨を折り留めをさす。先程のように頭を狙うと脳漿が飛び散ってしまうからだ。俯瞰して眺めるとアンジェリカの方へドルドが一匹駆け寄ろうとしてる。ボーラを投げつけて処理はエル達に任せて加勢にむかう、ちょうど後方からの接近だったので視野の狭い肉食獣のウィルドは気が付かなかったそのまま頚椎へと一撃をいれて心臓へ止めを刺して残りのドルドを見る、一匹だけ残っていたドルドはちょうどウラヌスが首を噛み切って倒していた。


「留めを刺しきれてない奴がいないか杖で確認しよう」

「なんというか、あっさり片付いて拍子抜けしたよ」

「うむ、こっちは問題ないのじゃ」

「こっちもだいじょうぶにゃ」

「じゃあ皮を剥いでいこう、俺は魔石を回収する、こらウラヌス物欲しそうな目でみるな、お前たちもよくやったな偉いぞ」

「「「ウォン!」」」

 解体して流石にウィルドの肉は魔石を探し残り全て穴を掘ってうめてドルドの肉の一部を薪で焼いてやり冷却してウラヌス達に与える。

 冷却する、ただそれだけの魔法なのに複合魔法という非論理的な情況。

(冷たい空気)を直接生み出せないという事だったからなのだが諦めようかと思ったぐらいだ。魔法で出現させられる物が決まっている以上は仕様がないと諦めるしかないのだが、風を操れて何故温度を操れないんだと思い諦められない。慶司は頑張って複合魔法を発動させた。



 さて、あくまで魔法はイメージの産物である。これが重要なのだ。慶司は光、火、風、水、土、雷の全ての属性の魔法を覚えた。

 火はイメージ次第で火は燃焼温度を変化するし大きさも変わった、これは魔素を単純に燃焼させているわけではないのだが最初の魔法でもありイメージが簡単だったので使えた。

 風は魔素を動かすだけならイメージを考えていたら出来てしまった、難しかったのは風の刃を作ろうとした事だ。真空のカマイタチがイメージに合ったためでこれは真空状態を作る事が魔素操作で不可能だった事で諦めることになり、ならば逆にと大気圧のように風を圧縮するというイメージで魔素を集め射出するイメージにしたらやっと風の刃が出来た。実際の風の魔法は圧力操作がメインであると慶司は捉えた。

 水も単純に生み出せた、恐らく空気中の水分を凝固させるイメージがよかったのだろう、魔素の変化も可変という分類になる。問題は氷だった、作成方法が何通りかあるのだ。理解の仕様がない。竜族で水竜に属する奴が扱う竜族魔法、これは本能なので説明は不可能といわれた。そしてエルの知識によるもの、これははっきり言おう、上空に雷雲を発生させて雹をつくるなんて馬鹿ですか?と思った。最後に慶司が辿り着いたのが嘘のような火と水の魔法の複合だった。出来た瞬間にえ? って放心したぐらいに驚いた、そして余りの単純さにも驚いた、慶司のイメージしたのは(熱)を奪うことである。だから判らなかった…そう火の魔法の別の捕らえ方は熱をどうするかなんて気が付くわけないでしょ。魔術袋に使われてるのは気化熱を利用して風の力で冷却するものだったので慶司が愚痴ってもいいと思う。これは竜族魔法として慶司特有の魔法を認められた瞬間でもあるのだがそれを慶司は秘密にしなきゃだめなのね?程度の認識である。

 土の魔法に関しては未だにグルテンに頼りすぎていたせいか得意ではない、竈をつくるとか土を動かすまではいいが魔素で鉄を整形するとかになると出来ない、なのに爆発符を付くるあたりはダイナマイトの火薬などの知識があったためにイメージが働いたお蔭だろう、こちらの爆炎魔術といえば粉塵爆発をイメージしているからで物が違う。さすがに水蒸気を電気分解して爆発させるという無茶だけはしていないし話てもいない。

 雷の魔法はまさに静電気をいかに扱うかとイメージしたし、こちらの人達のイメージもそれで間違えていない。魔素を与えれば与えるほどに電圧を上げて雷となるのだがエルが使うのはもっと威力があるこれも本能でやってるからどうやってと言われてものうで済まされた。結局慶司は空気中に氷を作れるようになって水蒸気を氷結させて風の魔法でさらに混ぜているところに静電気のイメージを流し込みコントロールして目標に落とすという物を完成させた。威力はあるが俗にいう詠唱が長い!という事態になる、まあ唱えてるわけではないのだが、よって使いづらい。ここから考えて至った結果は魔素で電気を生み出すことはできるということだ、だが単純に攻撃に使うには魔力で作るには本当に消費が悪い、よって慶司の方法になるのだがこれも門外不出とされる。

 属性ではないが生命の活性化、治療するための魔術がある。魔術形式なのは精霊から齎された技術でこれを作り販売しているのは森人のみだからだ。これは慶司は全く使う必要がないというか竜族魔法で代用されてしまっている。そもそも不老不死であるから意味も薄いのだ。エルが自分の肉体を魔力で作ったのと少し違うがそこにある肉体の細胞に働きかけ少量の魔素で自然治癒力の上昇、魔素によるホルモン分泌や血流操作を平行とした治療術である、そこに薬草やもしくは解毒薬を組み合わせて使われている。また一時的な興奮作用などで肉体を強化する方法が存在はするが多様すれば肉体の損傷、精神の崩壊に繋がる。

 最後に竜族魔法であるが、なんと言うかでたらめで本能で動かしてるとしか言いようがない。まさにイメージを膨大な魔力で実現している。【竜撃】にしてもその発展系にしても肉体操作のレベルも半端じゃない。内臓や筋肉に電気信号をおくったり強制的にシナプスふやしたり弱電流で身体強化を図ったりと無茶のオンパレードである。さらにはブレスと言われる強力な火炎をうみだしたり吹雪をはきだしたりと使えても理解ができない、咆哮ってなんですかと問いただしたい。恐らく本能じゃ、と言われるからもう聞かないが光って放たれたのだからレーザーとかその手の現象だとおもう、荷電粒子砲と言われてもなっとくする。自説としては金属片を大量に発生させて荷電し更に熱操作によって高熱化させたものを風圧とで発射しつつ水蒸気爆発でもさせてるんではないかと類推はしているが、確認の為に撃つなんてできないからそのうち検証することが出来ればとは思っている。諦めの悪さは慶司の取り柄だ。


 水、火、風の3重複合魔法で肉を冷やしてやる、霧を発生させて温度変化で氷結させたところに風を送り込んで急速に冷やす。


「【霧霞きりがすみ】ほら、食べれる温度に冷やしてやったぞ、うん、いい子だ」

「むむむ、主様よ我もアルテにやりたいのじゃ」

「わたしもヘリオスにあげたいにゃ」

「いいよ、もう慣れてきたから手で食べさしても問題ないぶら下げてやったら横から咥えるよ」

「ものすごくなついているな、(飼って)長いのか?」

「いや、まだ半月ほどだよ、まあでも仲良くなれた」

「なんとも驚かされてばかりなんだが」

「さてと、おまたせ、じゃあ村に戻ろう」


 4人と3匹はゆっくりと村へと帰還した。先に軽い報告を村長にだけして寝る事になった







 翌朝、慶司達はギルドへ報告に来た。カウンターの女の子が立ち上がって迎えてくれる。


「お帰りなさい、どうでしたと聞くまでもなさそうですね、牙と皮をお預かりします、皮はオークションに出されますか?それとも規定額でしたらこちらで直ぐにお支払いはできますが」

「アンジェリカさんはどっちがいい?こっちは直ぐにお金が必要じゃないが」

「そうだね、私も直ぐに要るわけじゃないからオークションで頼もうか」

「わかりました、ではオークションで後ほどお支払いいたします、ではまずこちらが宿代の立替として2部屋分で800リュート、討伐依頼料として一人2000リュート、討伐報酬として、ってあら、牙の数が…あれ? 3匹もいたんですか!牙が3800討伐報酬が4000でドルドが10匹 では一人頭7350リュートですね」

「じゃあこちらの分はチームへ入れておいて下さい。」

「私はもらってくよ、いやしかし良い経験ができたわ、私たち虎紋族の戦士でもあんなふうにウィルドを倒せないわね」

「工夫してますから」

「いや、あんたの強さはそんなもんじゃないさ、私じゃおこがましくて立会いをお願いするのも憚られるね」

「まあ、我の主様故当然じゃ」







「それで、あんた達すぐにいくのかい?」

「そうですね、目指してるのはリヒトサマラだけではないので」

「そうか、どこも冒険者不足だからね」

「後輩を育てるしかないですね」

「そうだね、あたしもこれでも討伐の銀持ちだからね頑張って育てる事にするよ」

「では、またどこかで」

「ああ、良い旅をエルファストの加護があらんことを」


 今度、竜族の巡回が来たら冒険者の数が足りてないことと、冒険者育成学校を作って底上げをはかるように進言すると決めた慶司とその仲間達、印籠を使うこともなく次の町へと向かうべく歩き出した



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