私の朝
ヒンヤリとした空気の中で、
私は目覚める。
目をこすりながら、
冷たい床に足をつける。
「………、冷たい………。」
ゆっくり起き上がり、
ドアへ向かって歩き出す。
ゆっくりとドアを開け、
階段へ向かう。
トントンと、リズム良く
螺旋階段を降りていく。
降りて、少し歩く。
降りて、少し歩く……その繰り返し。
やっと、食卓へ着く。
長いテーブルには、
冷たいパンプキンスープ。
冷たいローストビーフ。
冷たいライス。
よく冷えた紅茶に、
よく冷えたバニラアイス。
行儀良く、テキパキと食べ終え、
ドレスルームへと向かう。
長い廊下を歩く。
響き渡る、自分の足音。
重たいドアを開け、クローゼットを開ける。
中からは、白…水色……
様々なドレスがしまわれている。
「今日は、白にしよう。」
手を伸ばし、純白のドレスを手に取る。
淡い水色のネグリジェを手際よく脱ぎ、
ドレスを着る。
ドレスルームから出て、
メイク・アクセサリールームへ向かう。
冷たいドアノブを回し、
ゆっくりドアを開ける。
棚の中から、白いベレー帽を取り出し、
髪を整えてから、身につける。
白いベレー帽。
色素が薄い、セミロング。
雪のように白い肌。
純白のドレス。
人々は、彼女のことをこう呼ぶ。
『雪の姫』と…………。